
- 秋祭りのシーズンがやってきた。一週間ぐらいの間隔で西から順にお祭がやってくる。何故順序よく祭の日取りが決まっているのか知らないが、観光客にしたら効率よくお祭の梯子が出来るように仕組まれている。
- さてこのお祭はわが町と隣町ではかなり対照的である。神主が先導するお御輿が町中の分社−お旅所とでも云うのかな−へ旅立たれ又本殿に戻られるのを、飾り付けただんじりや太鼓台が送迎する基本のストーリーは同じである。隣町のはこのストーリーを忠実に演出する。祭の最後でお御輿が幅広い川を渡って戻って行く。だんじりと太鼓台は川岸にずらりと並んでお見送りする。大半がだんじりで何十台も並んだ姿はなかなか優美である。御輿が川を渡る時刻は丁度夕暮れ時で、だんじりには明かりが入り、幻想的でもある。川中に進んだ御輿を数基のだんじりが取り囲み、名残を惜しむように御輿の周辺を巡る。川に入れるのは格の高いだんじりだけだそうだ。対岸にはお迎えの村のだんじりと太鼓台が静かに待っている。
- わが町の御輿は海上を曵き舟で渡り、本宮に帰還する。そのお供にたくさんの太鼓台が続く。これがしかしなかなか秩序正しくは行かない。太鼓台同志の喧嘩が始まる。何トンもある太鼓台である。かき棒を横から食らったらその町の太鼓台は潰れてしまう。指揮官は前後の太鼓台を見ながら、危ないとみたら、まずは高価な飾り付けを外しに掛かる。観衆は良く知っていて、蜘蛛の子を散らすようにわっと逃げヤレーヤレーと声援を送る。酒の入ったかぎ手がいつのまにか平和運行派に取って替わっていて、指揮官の云うことなど誰も聞かない。死人が出て留置所が満員になり、喧嘩をやった町は次の年は運行自粛である。
- わが校の学生が祭で死んだことはないが、血気盛りである、何時不慮の事故が起こっても不思議でない。化学系は女子が多いからと云って確率が低いわけではない。いつぞやは飲んだくれて大の字で道路で寝ていた女子学生があったと言う。心配事は多いが、角をためて牛を殺してはいかん。万一の時は俺が死体安置所に引き取りに行ってやる。雄叫び上げて楽しんでこいと言おう。
('95/10/22)