
- 原発論はやり出したらエンドレスなのでここらが話題転換の潮時かと思いますが、原発反対論側かと思う方がチェルノブイリ事故を論拠の一つになさっていたように思うので、その安全性についてほぼ国際的に認められた結論と言ったものをコメント致します。
- チェルノブイリ事故は大惨事であった。その直接原因は、安全の命づなである反応度操作余裕制御棒数30本を7本にしてやった実験である。しかも運転員に炉の性能が良く伝わっていなかったと聞く。つまり明らかな人災である。
- しかしこの事故で明らかになった旧ソ連の原子炉は仰天するほどの不安全炉であった。まず炉の格納ドームがない。私は建設途中の原子炉を見たことがあるが、日本では炉を2-3Mの厚みのコンクリートですっぽり覆っているのである。それに対応する隔壁がチェルノブイリの炉にはない。あったら噴き出さずに住民側の被害は最小限ですんだろうと思われる。
- またこの黒鉛軽水沸騰型原子炉のボイド反応度係数が正である。低負荷では出力係数が正になる。これは設計前から広く知れている事実で、炉が手に負えぬ事態となったら暴走する危険性を本質的に備えている。そして暴走した。そんな炉は日本にはない。
- ちょっと前だが、現代化学に桜井氏の記事が出た。それによるとチェルノブイリ炉は自由社会の安全基準にはとうてい合格しない品物で、西側のメーカーの確率的リスクアセスメントによると、まあ1ー2桁は不安全な品物だそうだ。ドイツは東西合併のとき旧東独内のソ連型原子炉を点検したが、結果として全原発を放棄せざるを得なかった。ちなみに化学の世界では収率が倍になれば大発明なんだから、同じ考え方で日本の原子炉を旧ソ連型と安全性について比較するなら、日本の方が1-2桁安全であるとは大が六つ続く大安全である。同列ではないことがお分かりいただけるであろう。
('95/12/24)