
- 千葉市内に青葉の森公園がある。県立中央博物館がその片隅にある。その公園は以前は牧場だったところだそうで、そのために公園の中央を横切っていた昔の東金往還がほぼ原型で残ることができた。両脇に並木のある幅10m以上の堂々たる街道である。
- 東金街道の並木は日光街道東照宮近く、箱根街道の関所付近、あるいは中山道立科町あたりのような杉並木ではない(何であったか忘れてしまった)。だがずんぐりと覆い被さるほどに生長した樹木が街道に並んで走る姿には風情がある。日本の過去の往還が全部こうだったかは知らないが、昔の土木行政に携わった人々の優しい心を見るようで見る目を和ませる。
- 生命を終えて埋もれてしまったものを考古学的に掘り出した道も見た。佐賀県の吉野ヶ里は卑弥呼の遺跡として騒がれた。たしかに二段に防衛施設を施し背の高い見張り台を持つ邪馬台国の中心地らしき遺跡であった。その遺跡の保存域の一角に条里制のころの官道跡が見つかっている。道の両端がかろうじて確認されたもので両脇がどうだったかは分からない。結構道幅は広かった。太宰府をさして馬が走った道なのであろう。この地から太宰府はそう遠くない。
- 新道ができたために取り残された旧街道には司馬遷太郎氏でなくても歩くとロマンを感じる場所が多い。ことに森や林を抜ける廃道に近くなった道に感じる。四国各地に残る遍路道、新薬師寺を抜けて行く柳生街道、大和山辺の道、箱根の山道などなどあちこち歩いたものである。歴史の道としてハイキングコースに指定されている道にもそんな道がたくさんあるようだ。
('97/07/13)