二月のレジメ
- 6ヶ国協議が北朝鮮の核施設停止につき合意した。北が60日以内に寧辺の核施設を停止し監視を受け入れる代わりに、他の5ヶ国は重油5万トンを供与する。拉致問題に見通しのない日本はこれに加わらず、実質は米韓中で行われる。全施設無力化ならさらに95万トンを追加する。日朝国交正常化を含めた5作業部会を設置する。既に所有している核兵器あるいはプルトニウムについての処置は棚上げになり、放置されたままになった。読売は「北」の核廃棄への道筋が見えないと云う社説を載せた。NHK TVは北のTVが「臨時的中止により重油100万トン獲得」と流している映像を映しだした。翌朝(2/15)の読売は「北の本音「保有」に固執」と言う解説記事を載せた。2/24我が国の情報衛星の打ち上げが成功し、3年遅れながら、地上すべての監視が可能になった。
- 先月に引き続き読売の解説記事「興隆インド」に注目している。トップの意向次第で、ある日突然に、全人民が反日に変わったというような悪夢のケースが、民主主義の伝統の長い国では起こらない。インドの興隆にはまだ安心感が伴う。2/1は被差別カースト民が、高等教育で差別の壁を乗り越えようとしている話であった。国家は国立大学には入学特別枠を設けて、紀元前13世紀以来の根強い階級制の解消を支援してると云う。2/2は従来の社会道徳に拘らない欧米型のインド映画に人気が出ていることを報じた。戦後の我が国でも、自由奔放な行動を賛美するアメリカ型映画が若者に支持され、社会の潮流を作ったことを思い出す。インドに(小型)乗用車ブームが到来したようだ。シェアの半分近くを握るスズキが第2工場の建設に乗り出した。本HPの「人材大国と創新型国家」にもあるように、11億人を食べさすには、IT産業だけではなく製造業の拡大を計らねばならない。NHK SPはガンジーの功績と余徳を纏めた。
- 2/1読売夕刊トップに中国の衛星破壊実験により飛散した破片が国際宇宙ステーションの存在を危うくしているという記事が出た。500個以上の破片の軌道実測に基づく推論である。実験ニュースと同時にその危険性が報道されていたが、科学的根拠が明らかになった。今後も200-3500kmの高度の衛星はこの衝突の危険から逃れられない。中国は宇宙軍事力強化は自国の権利だと表明したが、宇宙の国際的平和利用を妨害する権利はない。東シナ海のガス田以上の暴挙だ。そろそろお灸を考えねばならない段階に来ている。2/5の新聞に、中国調査船が無断で、尖閣諸島附近のEEZ域内で活動しているのが見付かったことが報じられた。三面記事に中国人バーのカード詐欺被害が出た。
- 2/4読売トップに中国が私有財産保護法を可決成立させる見通しと出た。中国式(一党独裁下)という但し書きは外れないが、自由市場経済圏入りは世界から歓迎されるであろう。NHK BS世界のドキュメンタリー「欧米の見た中国」を見た。「自由と民主主義」を米英の会社が、「ドイツ買いの現場では」をドイツの会社が製作した。前者では中国共産党の強力な思想統制ぶりに焦点が合わされていた。神と司祭信者の中間に共産党がいて、共産党が認めた登録者しか神との会話が許されない。反日運動のように意に叶った行動には過激行為まで容認されている。後者は、ドイツの最新鋭のコークス工場を買い取った中国が、工場を丸ごと中国へ移転する顛末が映像になっていた。400人もの中国人技術者労働者を派遣して短期間に移転を完了し、自力で中国国内に再建、運転再開に成功した。
- 2/2読売のトップに「腎臓売買 比が公認へ」という見出しが踊った。途上国のスラム街の住人の腎臓を、外国人患者は600万円で買うことができるようにすると云う。見知らぬ他人の人体を傷つけて命永らえるより、安楽死の方がましだと思うが。2/3読売「興隆インド」に医療ツアーの話が載っていた。インドの医療水準の高い病院が高額支払いの治療につき外国人を引き受ける。外国人にとっては格安という。一般民衆レベルでは医師は極端に不足しているのにも関わらず、医学部卒業生の7割が欧米に就職するとも書かれていた。日、米、インドの医療体制比較が数字で載っていた。我が国は類を見ない福祉国家である。
- 2/1のNHKクローズアップ現代で義務教育公立学校での父兄vs.教師の問題を特集していた。「学校を休んだ児童の給食は家に届けるべきだ」「気に入らぬ生徒を編成時に我が子のクラスからはずせ」「好きな担任のクラスに替えてくれ」「担任を辞めさせよ」など、父兄側の異常な要求がエスカレートしている。何か社会に対する憤懣を、現状では「安全なサンドバッグ」である教師に叩き付けているようにも感じた。この日の私立中学入試で東京都では小六生徒の実に1/3が受験した。父兄は「ゆとり教育」に対する疑念もさることながら、公立学校の教育現場の荒廃を身を以て感じている。教組対策として教員に対する監視システムを作ったのはよいが、小姑が多すぎるために現場が疲弊してしまったことも事実だ。教育委員会が事情を悪くしていると言える。毅然とした態度を躊躇させているのだ。教育現場に正常化のための大幅権限を与えよう。教育委員会改革の教育再生会議に中教審が異論を唱え、2/17毎日によると今度は規制改革会議がいじめ転校について文科省に文句を言った。この会議の議長は船会社の会長である。教育ほど異論の多い対象はないことを意味している。
- 読売に「漂う博士」の連載が始まった。2/25は出口の見えないポスドクというテーマで、育成に1億円/人も税金を掛けながら、任期後先端分野の研究者がフリーター化する現状を分析していた。海外雄飛組も少数派ながら居るが、問題は国内の宙ぶらりん組だ。博士コースの志願者数が頭打ちになっている。大学院を出た新博士の就職には門戸が開いているのだから、任期制ポスドクの道を選んだ人は、就職の道を敢えて取らなかったか、取れなかった人たちである。企業の目が厳しいのは当然と思う。
- 格差論争が盛んになり出した。2/4毎日はトップで「小泉政権下で拡大」実証という記事を載せた。その毎日には金美齢:「日本ほど格差のない国はありません!」という本の広告が出ていた。同日読売の一筆啓上に「格差論争に具体策を」という編集委員の言葉が載っていた。競争社会ではどうしても格差は広がる。しかしワーキングプア、再出発援助、最低賃金のチェックなど社会として為すべき施策は多い。
- 2/3愛知県知事は自民系、北九州市長は民主系が勝った。どちらも得票数は伯仲していた。柳沢厚相の女性は産む機械という発言がマスコミに叩かれている。野党は更迭を叫んで国会で審議拒否の戦術に出た。2/14 NHK世論調査では、阿倍内閣支持が41%反支持が43%と逆転した。
- 民主党・小沢代表が事務所費用を公表した。国民の関心は諸大臣の事務所費の不透明加減にある。各党各派が同じルールでとか何とか言を左右にして、公表を渋っていた自民党関係者も、前進せざるを得なくなるであろう。久々の民主党のヒットである。
- 2/12毎日は、地方議員の政務調査費が年183億円に上るのに、7割が領収書不要で使途不透明と報じた。ただし政令市と関西の府県は公開が進んでいる。我が千葉は県(480万円)も市(360万円)も領収書不要になっている。関連記事には公開には議員に強い抵抗感があること、会合、会食は選挙のためという記事があった。私的目的が多いことは明らかだ。これでは、行政側の税金使途のチェックなどおぼつかない。都3区選管の委員の2/3が区会議員OBで、月20何万円の給与が支払われていると報じられた。ボランティアを募集すれば無給でも応募が殺到する業務だ。神奈川県議会は会議開催中の出張手当を実費とすることに決めるらしい。従来は電車賃400円でも1万数千円を支払っていた。第3第4と限りなくお手盛り的報酬が出てくるのが議会というものらしい。議員は元来は無報酬であるべきものと思うが。
- IC乗車券の相互乗り入れが進んでいる。関東圏および関西圏のJR、私鉄、バス路線を利用するなら、完全ではないにせよ、1枚の乗車券で自動改札機を通って目的地まで行け、その乗車券は電子マネー機能により繰り返し使用の他、買い物も可能という姿になろうとしている。
- 東京・常盤台交番の宮本巡査部長が殉職。鉄路自殺志願の女を引き戻そうとして轢かれた。住民からの献花、後を絶たず。2階級特進で警視へ。警官が刺殺され、拳銃を奪われた事件が時効を迎えた。
- 八甲田山山スキーの24名が雪崩に遭い死者2名負傷者多数を出した。上級者がガイドのコースから外れて谷に下りた結果らしい。たまたま居合わせたオーストラリアのレスキュー隊員の活躍が目覚ましかったという。2/14関東を始め各地に春一番が吹いた。例年よりは20日早く、東京はついに一度も雪を見ることなく春になった。
- サッポロビールに米系ファンドがTOBを持ちかけ、アサヒビールがそのファンドの持ち株を買い取る方向で協議に入る。大丸と松阪屋の統合が進行中という。成就すればその会社は共に日本一の売り上げになる。
- 日銀が0.25%の利上げを決めた。計0.5%となる。株価、為替レートには殆ど影響が出なかった。経済界は既に織り込み済みであった。次期利上げは夏期の予定らしい。米国政策金利5.25%ユーロ圏の政策金利3.50%からはまだかなり離れている、中央、地方政府の野放図な借金財政に対する施策としても、国際水準に早く回復すべきである。
- 糸川議員脅迫事件に関し毎日新聞記者が議員インタビューを無断録音し、その録音をネットに漏洩させる事件が起こった。新聞記者の無断録音もけしからぬし、ニュースソースの守秘義務が、わずかばかりの目先の私利の前では、こんなに簡単に捨てられるものなのかと唖然とした。
- スノーボードのワールドカップ(W杯)富良野大会男子ハーフパイプの金銀銅を日本が独占した。呼び声高かったトリノ五輪では惨敗で、実力者のでない大会での優勝など当てにならないと悪口を叩かれたゲームである。さて富良野大会は水準比較に資するものであるのかどうか。本年の冬の競技の日本の成績は散々で、札幌の世界ノルディックでも朗報は聞かれない。団体が銅であったが、個人のメダルはなかった。
- 2/26毎日は農水省天下りOB介在の水門談合を報じた。2/27読売に公務員の天下り規制に関する「論陣論客」が載った。権力を背景に、官が天下り先を「斡旋」するのが問題で、斡旋当然の森田東大教授の発言には賛成しかねる。大会社が社員を同じ資本の連結決算の子会社に派遣するのとは訳が違う。彼は東大生の官吏志望者が減り、優良官吏が途中退職するのに危機感を懐いている。私は今まで中央官庁は東大出身一色であった日本にとっていい傾向だと思っている。退職者の「能力発揮」の場は実力に応じて自然と口が掛かるのが理想である、あるいは民間のように自ら再就職先を探すべきなのだ。
('07/03/01)