六月のレビュー


先月インドネシア・ジャバ島南岸の仏教遺跡ボロブドール近くの村でM6.3の地震が発生した。周辺はユーラシアプレートに、海側からインド・オーストラリアプレートが沈み込む地震の多発地帯だという。各国とも迅速に救援体制を整え派遣している。日本は早速1000万ドルを拠出した。現時点では金額としてはダントツだ。中国はその2割。中国の経済規模は日本を超えたし、インドネシアで生計を立てている華僑の数は日本の比ではない。その実力はインドネシアの経済を牛耳っていると聞く。日本並みあるいはそれ以上を出してもよいと思う。今後は何かにつけて中国は真の大国であることが要求される。
6/6毎日の記者の目に、文革40年というのに未だにその評論すら許されない中国の非民主的政治に対する批判が載っていた。政府の対中円借款'05年度740億円供与が決定された。疲弊困窮している国々をさしおいて中国に何のための追銭かと思う。
カリスマ女医の娘を誘拐し3億円を脅迫した日中韓の3人組が逮捕された。中心は中国人という。集合離散を繰り返す急ぎ働きの強盗団メンバーと目されている。
習志野でニートの次男22才が両親を刺殺して自殺した。外目には両親は穏やかな人柄で、次男を世話していたという。杉並でも両親が殺され、加害者と見られる長男が放火自殺した。長男はニート風の生活であった。一般に子どもが体力的に親を超えたときに、無理にでも独立の生活をさせるべきである。幼い頃からその方向に躾ることが大切だ。秋田県藤里町の小1男児殺害事件容疑者として近隣の女性が逮捕された。この女性は小4の娘を水死させたばかりであった。現地は農村の過疎対策として建設された新興団地で、周囲とは孤立した存在になっており、しかも団地内住民間の付き合いもほとんど無かったという。一方では日夜50名に上る事件記者が過激取材を行い、週刊誌は早々と犯人想定を行うなど異常報道ぶりが顰蹙を買っていた。自粛の声が挙がっているが、毎度のことで、百年河清を待つの格言が新聞ほどぴったりな対象はない。自由競争の荒波の中で読者の手により淘汰すべきは淘汰せねばならぬ。無駄の源である新聞特殊指定は廃止すべきである。
'99年に母子殺人強姦致死罪の当時18才の少年に高裁判決の無期懲役は不当とした検察側の上告を認め、最高裁が差し戻しとした。死刑の公算が高まった。神仏が去った無機質な時代に、温情を持って厚生を願う少年法はもはや時代にそぐわないと思いませんか。TVでは少年の父は法の精神をいい、社会環境にも一端の責任と主張していた。奈良で長男16才が母と弟妹の3人をCO中毒で殺す自宅放火をやった。2階の母弟妹の殺害承知で階段に放火したという。原因は父に勉強で叱られたからと云う。成績優秀で進学高に進み、医者を目指していた。父母とも医師で、外見には円満家庭だったという。母は後妻だが、弟妹とは同じ父である。「簡単にキレル、ほんのちょっとも辛抱が出来ない、自己主張ばかりで身内にすら思いやる気持ちがない。」そんな少年を思い浮かべる。
B型肝炎訴訟は最高裁で、C型肝炎訴訟は大阪地裁で原告の勝訴になった。前者は注射器経由で、後者は血液製剤経由でウィルス感染を起こした。厚生省官僚が情報収集解析に怠慢でなかったら防げた問題だとされた。
村上代表が東京地検特捜部に5日逮捕された。ニッポン放送株売買に関してライブドアとの間にインサイダー取引があったという疑いである。6/3読売は肥大化するファンドが証券取引市場の攪乱要因になっていると指摘している。余剰資金の受け皿としてファンドは必要悪だと思う。しかしニッポン放送、阪神の場合のように現業体を瓦解させかねない行動を、それも忍者的に行うような反社会的ファンドは、断固規制排除せねば金融社会が不安定になる。6日の新聞が一斉に報じた村上ファンドの内容は、社員30名の4000億円をファンドとする事業体で、資金の内6割は米国の大学財団出資で、ほかにも年金組合などの外資が多いらしい。高配当を誇った。カリスマ退場(5日代表辞任)により資金引き上げと所持株放出による混乱が予想されている。
日銀福井総裁が村上ファンド投資で1500万円の利益を得ていた。金融行政の中心が投資機関との私的関係をもっても疑われずに済むと思っているのだろうか。疑わしき人物は排除すべきである。ホリエモン、村上、松本早大教授(研究費不正使用)、福井日銀総裁。経済上の不正行為・疑惑行為で最近新聞を賑わせた人々はみな東大卒または中退であった。
マンションのエレベーターで高2男子生徒が事故死した。制御系の誤動作と見られる。このエレベーターは過去2.5年間に20件以上の不具合を発生していた。直接的には保守点検に問題ありと見られている。だが、当メーカー(シンドラー社)の製品には、納入数に対し異常に多数のトラブル発生(6/8毎日)が報告されている。建設後数年と聞く。東工大のは昨年完成にも関わらずトラブル続発という。このメーカーの製品は耐用年数が極端に低いのではないか。その後もトラブル報告が相次いだ。会社はスイス籍だが、製品はmade in Chinaだそうだ。警察はブレーキ機構の劣化と断定した。独立系の安い保守業者に機械構造詳細がメーカーよりは手渡されていない内情が分かってきた。機械製造業者の旨味は建設後の補修維持管理業務の委託にあるのだから、対価無しには容易には技術内容を手放さないだろう。技術レベルを無視して安易にコストだけで業者を決めるとこんな結果をもたらす。
6/15 NHKでオイル・サンド・ビジネスが活発化したニュースを聞いた。オイル・サンドは処理コストが高いため原油が30$/BBL以上でないとペイしなかった。今70ドルとなって俄然注目され始め、生産が始まっている。日本にとっては朗報。油に勘定できるようになると、カナダがサウジ・アラビアに次ぐ世界第2位の石油埋蔵量を持つこととなる。ロッキー山脈東側アルバータ州に豊富な鉱脈がある。
ドイツでのワールド・サッカーで日本は対オーストラリアでは3:1で破れ、対クロアチアでは0:0で引き分けた。技術的には対等(オーストラリア)または格下(クロアチア)と思える相手だった。ここぞというチャンスにゴールに向けて打たずにパスして取られてしまう。ブラジル戦は4:1の完敗であった。相手は駒落ちだった。韓国も予選を通れなかった。だがJリーグで活躍した選手たちが奮戦している。我らとのちがいは例の数学者・藤原さんの云うように闘争心にあるようだった。アメリカ大リーグのイチローの連続ヒット記録が20試合と延び、打率首位打者を争っている。日本のセ・パ交流戦がロッテの優勝で終わった。ロッテには昨年ほどの馬力が感じられなかった。楽天の健闘が光った。これというスター選手はおらず、セ・パの中で唯一二軍的存在でなにごとにつけ勝負では蚊帳の外だったから、宮城県民ならずとも応援したくなる。昨年と同じくパ・リーグ・チームの勝ち越しであったそうな。
北海道夕張市が、財政再建団体への移行を申請した。毎年黒字決算をしながら、表に出ない隠し借金が膨張して財政が破綻した。国家の財政も地方自治体以上に状態が悪く、破綻寸前に来ている。だが、自民・公明両党は地方交付税の現状維持にすら踏み出せない。参院選挙を控えて、地方の反撥を心配しての結果だ。消費税アップも同じ意味でぼやかしている(6/27読売)。国の破産より我が身の議席の方が大切という小細工が幅を利かすようなら、今の与党は退場の時期に来ている。

('06/06/30)