三月のレビュー

- 迷惑メールを分類して気が付いた。発信元は次々にアドレスを変えて特定されるのを防いでいる。どうやら同じアドレスは2-3回で捨てているようだ。迷惑メールはアドレスが漏れたときにどっと多数やってくるが、1ヶ月もするとはじめの1割ぐらいに減少する。これは2度目の経験である。
- 民主党永田衆議院議員が謝罪し、野田国会対策委員長が辞任した。民主党として大きな失点であった。問題は、永田議員が株価操作疑惑で収監されているホリエモンの発信として取り上げた、自民党武部幹事長次男宛3000万円送金e-メールである。自民党にはそれがガセネタと分かっていたらしく、永田議員の追求を押さえなかった前原執行部は大打撃を被った。ガセネタ提供者と永田議員の付き合いは何と昨年10月からという。それでよく信頼する気になったものだと呆れる。永田議員は南関東ブロック比例区(元来は習志野市、八千代市などの千葉2区)選出で37才とまだ若い。東大−大蔵省のエリートコースを歩んでいる。自信過剰のお坊ちゃんが世間知らずのままに人を過信して、しくじったという構図であったのだろう。
- しかしそれを理由に議員辞職を要求するのは度を過ぎている。公明党の自発退任要求もその範疇だ。100%確実な証拠など世の中に存在しない。1審2審最高裁と証拠に対する判断が逆転する訴訟などざらだ。汚職追及の手段に使おうとしたのだから、与党議員にしばしば出てくる税金の食い散らかしとか収賄とは根本的に違っている。大ベテランの渡部恒三氏が国会対策委員長を引き継いだ。読売の解説に他のベテラン・中堅が逡巡する中で引き受けたとあった。しかし就任早々に次期代表に言及し立場を弁えぬ軽さを露呈した。民主党には人材が少ないようだ。なにやら前原執行部の外で勉強会が開かれたりして、民主党は求心力を欠く寄せ集め政党の弱点をさらけ出している。今のままでは、出ては消えた過去の諸新党の轍を踏むことになりかねない。千葉7区補選に今まで意欲的であった内山晃衆院民主党議員(比例区南関東ブロック)が立候補を取りやめた。日和見主義とはこんな姿勢を指すのだろう。
- 公明党の神崎代表、冬柴幹事長が今期限りで交代すると発表した。
- 3/2日本青少年研究所の日米中韓高校生意識比較調査の結果が発表された。「現在、大事にしていること」に米中韓は3/4が成績向上だったが、日本はそれには1/3で、「非常に関心がある」のは漫画、ケータイ、ファッションという。米中韓では1/2が家族への関心が強いが、日本は3割程度だった。大学志向も米が5割以上中韓にいたっては8割近いのに、日本は3割を切るという。これでは先進国レベルを維持することも難しくなるだろう。個性尊重とかゆとり教育とかの言葉は魅力的だが、こんな結果を導いた。ときおりスポーツ選手が口にする「愉しんで」先進国でおれるほど、世の中は甘くないと知るべきである。今の生活を続けたいのなら、ここに到達するまでに我々世代が舐めた辛苦を引き継いで貰わねばならない。なにかトリノ五輪の惨敗結果が重なって見える調査であった。
- 国公立病院の付帯業務を病院OBの会社に半独占的に回していることが判明した。3/19読売によると、国交省が天下り先の8法人に04年度4000件以上の特命随意契約を結んだが、内116億円はコピー取りなど専門性のない業務であった。道路公団、防衛施設庁、病院と次々に税金私物化のシステムが摘発される。潰してもすぐ次の組織で「利権」が引き継がれる。規制を立法化出来ない理由が分からない。
- 3/4ソフトバンクがボーダフォンの日本法人を買収するというニュースが出た。1兆7500億円であった。日本では史上最大額の買収だった。GMがスズキ株(20%)を売却して本前の建て直しの資金とするという。JALにお家騒動があり、社長が交代した。フジテレビはライブドア株を買値の1/5の71円全95億円でUSEN宇野社長個人に売り渡した。USENはインターネット企業の一つらしい。3/14東証が上場廃止を決定し先が危ぶまれていたライブドアの再建に目途が付いた。日産が日産ジーゼル株をボルボに譲った。
- 警察情報のインターネット流出が相次ぐ。ほとんどが私用パソコンからWINNYのウィルスによって漏洩している。犯罪取り締まりの専門家に知らなかったとは云わせない。3/15小泉首相がWINNY排除を呼びかけた。3/16マイクロソフト社がウィルス除去ソフト配布を公表した。
- 神戸空港が2月に開業した。初めての市営空港だ。滑走路は2500m 1本。3000億円以上という資金投入が子孫の重荷になるのではないかと危惧される。造成地売却による資金繰りという目算も現時点ではほとんど画に描いた餅のようだ。近隣に伊丹、関西の両空港をひかえている。土建屋を喜ばせただけではないのか。3/16のニュースで新北九州空港の開業を知った。新聞に佐賀空港の利用率が出ていた。「予想通り」利用予想数をぐっと下回っていたという。乗客は福岡空港に行くという。
- 日銀が量的緩和を解除した。消費物価が上昇に転じデフレが解消したと認定された。金利は当面はゼロのままだそうだ。市場は円安株価上昇の傾向を見せている。将来の金利上昇を見込んで市場金利は上昇気分だ。ジャブジャブの低金利資金を借りまくって、事業拡大をしたファンドなどには影響を与えそうである。
- 大阪大学の免疫学部門の審良静男教授が、最近の引用論文数世界最多数研究者となった。NHKニュースで紹介された。この種のニュースは科学振興のために大切である。しかし翌日3/2の読売にも毎日にも関連記事は見当たらなかった。3/8読売にやっと紹介された。さらにトップ20人中7人が日本人研究者だとあった。嬉しい話だ。ついでながら材料科学分野では東北大学論文の引用数が多いという。緒方洪庵の適塾の流れを汲む阪大、合金で輝かしい伝統を持つ東北大が今もその分野に有力であることは、科学には積み重ねがいかに大切かを教えてくれる。今年の日本学士院賞恩賜賞が成宮周京都大教授の「プロスタグランジン受容体の研究」に贈られた。研究内容の紹介記事を掲げた新聞はなかったようだ。
- 3/14の読売社説に「外国を喜ばす研究所分離」という社説が出た。竹中総務相の私的諮問機関「通信・放送の在り方に関する懇談会」で一部の委員がNHK放送技術研究所とNTT研究所を本体から分離独立させよと主張したことを受けている。米国AT&Tに付属していたベル研究所が、分離再編で、開発力を低下させ、昔日のノーベル賞受賞者を排出した輝きを失った轍を踏んではならないと書かれていた。両研究所の成果に光ファイバー、ファクシミリ、ハイビジョンなどを挙げてあった。世界標準化で負けたのは技術政策者の交渉力の問題で、研究所の問題ではない。携帯電話が外国ではシェアーを取れないのは、標準化の失敗が尾を引いているし、営業とか企画の見込み違い、戦略間違いによるものだ。読売に書かれたとおりである。
- 理系技術系に関する限り、今までの日本の成果は、ほとんどと云ってよいほど官立あるいは準官立の大学あるいは研究所から出た。恩賜賞に限っても文系を含めて今までに私学から何人出しただろう。ほとんど記憶がないのである。去年は確か京大の数学の先生だった。ところが委員は久保利英明(弁護士)、菅谷実(慶應義塾大学教授)、林敏彦(スタンフォード日本センター理事長)、古川享(元マイクロソフト会長)、松原聡(東洋大学教授)(座長)、宮崎哲弥(評論家)、村井純(慶應義塾大学教授)、村上輝康(野村総合研究所理事長)と外資系、私立大学系、非製造業系、文系自由業人で占めていて(理系技術系出身の人がいるとしても)、本当に研究所の将来所属を云々できるほどの人かはなはだ疑わしい。私には思い上がりと思える。竹中さんは経済学の研究者であった。だがその専門で華々しい受賞歴があるわけで無し、ましてや理系技術系研究に口出しできるほどの能力があるかどうか未知数である。成果の上がっている組織を上がっていない組織が目の敵にし、結果として利敵行為を行う懇談会に終わらないように願いたいものだ。
- 北陸電力志賀原子力発電所2号機の耐震性に疑問ありという理由で操業差し止めという判決が金沢地裁で言い渡された。電力側はすぐ控訴した。原発の安全審査は高度に総合された科学技術の巨大な塊である。判決に関わった裁判官にどれほどの判断力があるのか。おそらく素人がちょっと囓った程度の知識しかないと思う。私は昔ちょっと原子力安全に関わり合ったことがある、しかしとてもそんなおおそれた判断は出来そうにない。そもそもこのような高専門性の問題を司法試験合格だけの資格の人間に裁判を任せることが前近代的なのだ。3/25読売社説には科学技術を否定するものだという題になっていた。
- 野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2次リーグで米国がメキシコに3/16敗れ、日本が1勝2敗でも準決勝に進出することになった。日米戦、米メキシコ戦における米人審判のアメリカびいき誤審が話題になった。2次リーグの対韓国戦、準決勝の対韓国戦、決勝の対キューバ戦を見た。2次リーグまでは打線が繋がらなかった。準決勝の3度目の対韓国戦には快勝した。イチローの珍しくもむき出しの気合いがチームを引っ張った。TV、読売、毎日とも一致してそれを認めていた。3/21決勝戦が行われ、キューバを10:6で下した王ジャパンが初のチャンピオンに輝いた。
- 前日NHK解説者が8:5で勝つと予言したのが光った。MVPに松坂投手が選ばれた。全員一丸となって機動性重視の日本式野球に徹した優勝であった。同じ大リーガーでも、光り輝いたイチーローと大家と対称的に、松井、井口両選手は、特に昨シーズンの実績から期待の厚かった松井は、今は後悔しているだろう。彼らの日本代表辞退は不可解な行動であった。国民支持の重さを軽んじたとしか思えない。4番松中が通算最多安打で貢献したからなおさらである。TVで元巨人軍の某解説者が「松中奮起は松井辞退でお鉢が廻ってきたという自覚のおかげ」と解説したが、バカさ加減に開いた口がふさがらなかった。元巨人のつながりからか、読売の心情的バックアップを受ける松井だが、今後は日本野球の英雄にイチローをとる人の方が多数を占めるであろう。3/23毎日に「実質日本の負け、再戦(今秋、日本で)望む」韓国野球委総裁という記事が出た。「日本は恥ずかしい優勝」と韓国紙は報じた。韓国監督以外の韓国人へのインタービューでは類似の発言が多かった。後味悪し。本年のWBCは終わった。隣国の優勝を讃え、次回の挑戦に決意を述べるのが敗者側のスポーツマンシップだ。
- トリノ冬季パラリンピックで障害のある日本選手が健闘した。メダルも金を含めて数多く取っている。負けても愉しみましたの本五輪選手たちはちょっとは見習ってほしい。王さんなら彼らに対しても執念だと云うだろう。
- 米大統領がインドとパキスタンを訪問した。前者とは原子力協定に踏み込み、画期的な外交転換とされた。後者とは対テロ方針で確認しあった程度で、両国に対する対応格差がハッキリ出た。
- 中国全人代で中国国防費が前年比14.7%増の4.1兆円となることが分かった。連年の2桁増で、実質はその2-3倍と云われ、内容の不透明さと共に諸国の警戒感を煽っている。科学技術開発費も20%近い増加率だ。5ヶ年の年成長率目標を7.5%と安定成長路線に転換し、環境対策、福祉政策、農村と都市の経済格差是正に力を入れるという。6日夜NHKで中国での農地収用に関する官憲の横暴振りを写していた。土地は国有で農民には所有権は一切なく、利用権も曖昧だそうだ。農民は、政府という大地主に従う小作農と言った地位のようである。東シナ海海中ガス田開発に関する日中交渉は平行線のままだった。中国が早い者勝ちの姿勢を崩さぬ限りは、我々もガス田開発を別途独立に実施する以外ないだろう。
- 千葉で夫の殺害未遂容疑により妻(中国人)が逮捕された。10年余り前の夫の父母の殺害放火事件との関係も取り調べられている。
('06/03/27)