十一月のトピックス

- 東証でコンピュータのシステム・ダウンがあり少時取引不能の状態に陥った。次いで名証にも11/4トラブルが発生したが、こちらの被害は軽度であった。
- フランスで暴動が発生、全国規模に。11/6読売によるとこの10日間で車2000台が放火されたという。失業問題等に対する不満から北アフリカなどから移民したイスラム系若者が乗用車への放火や商店街破壊を行っている。パリから次第に地方都市に暴動が拡大している。8日フランスが非常事態宣言を発した。内相の「社会のクズ」発言がきっかけとなったと言うが、根は深い。読売11/9のコラムにあるような、この発言がなければこんなに吹き荒れなかったのではと云う見方は軽薄で皮相的だ。
- かってのフランス植民地からの大量のイスラム系移民がキリスト教社会に同化せずに租界のような小区画を各地に作り、元からの住民たちとの格差に団結して反発する。かって日本の新聞は、我が国が難民受け入れに消極的だと人間愛を訴えた。しかし異文化の民を受け入れることはかくも困難な事業だと、そのとき深く考察しての議論であったか。フランスの騒動の主力は移民の二世三世によって引き起こされている。移民後何十年も経ているのである。フランスの同化主義は暴動、英国の民族文化尊重方針はテロという形で、どちらも障壁にぶち当たっている。安易に難民受け入れなどと云ってはならない。
- 読売に膨張中国−きしむ周辺世界−という連載が始まった。初回はフィリッピンで、中国マフィアの麻薬工場の建設と政官界との癒着ぶりであった。麻薬厳罰主義のフィリッピンであるが、握らされ懐柔された政官が麻薬取り締まりを骨抜きにしている。今では麻薬供給量は中国に次ぐ「大国」になっているという。12日の連載記事はロシア−中国国境紛争のあったアムール川・川中島の経済支配であった。13日には世界大手化学会社がこぞって中国に合弁会社を設立して石油化学基地を建設している内容を報じた。14日の連載記事は、中国が北朝鮮の鉱物資源を囲い込んでいるという話であった。今では北朝鮮は鉱物輸出以外に疲弊経済を支える道がないという。北朝鮮は鉱物資源に恵まれた国という。金さんが尋常な発展の道を付けていたなら、今では韓国以上の先進国であったのかも知れないと思う。
- 15日の記事は台湾への軍事的脅威であった。台湾対中国の軍事バランスはとっくの昔に壊れ、今は圧倒的に中国軍が優位に立っている。台湾周辺を回遊する中国艦船は年々多くなり、その「おこぼれ」が日本領海の潜水艦侵犯となって、我が国にも脅威となり出した。17日は台湾メディアへの浸透ぶりを報じた。韓国編ではその地の儒教思想便乗の文化輸出振り、ヴェトナム編ではヴェトナム政府の共産主義政党独裁思想への影響と経済進出振りが紹介されていた。
- NHKが京都賞の授与式を放映していた。受賞者全てが外国人で、その中に液晶ディスプレイ発明者が含まれていた。稲森財団による1件5千万円というノーベル賞にも匹敵する賞金が与えられる。我が国にも数々の科学賞がある。しかし京都賞に並ぶほどの賞はあるまい。しかし読売も毎日も取り上げていなかった。紀宮様の結婚式には朝夕2日に亘って何面も使って大報道をしていた。あまりの対照ぶりにがっかりした。科学技術立国のためにはマスコミの協力が欠かせない。国連をはじめとする国際機関の経費に、日本はca20%と言う、身の丈に合わない高負担をしている。最近になってやっとその貢献を各機関が口に出し始めた。科学技術についてもどれほどの貢献を日本がしているかを積極的に宣伝すべきである。「科学技術」が自発的に日本にやってくるわけはない。蘇我入鹿邸らしき遺跡の発掘、キトラ古墳の壁画剥離不能部分の考古学的記事は大きかった。しかし世界的に見れば京都賞の方がはるかに大きなニュースである。まだまだ日本の新聞は日本の殻の内だけに拘っている。
- プロ野球のアジアチャンピオンを争う「KONAMI CUP 2005」でロッテが優勝した。ロッテは二軍優勝まで含めるとプロの賞を6つ独占したことになるそうだ。新聞は専ら監督の手腕を持ち上げている。ヤンキースの松井秀喜が62億円/4年で契約を更新した。イチローを抜いて日本人最高額となった。北京五輪の報道の自由について記事が出始めた。11/12読売に「報道の自由妨げる停電」という記事が出た。北京のあるホテルで英国のBBC放送を見ていたら、中国の不利な画面は突然消えるのだそうだ。胡主席の公式訪問中のパレードで反対運動の模様が入ると都合良く消えると言った具合である。配信機関がカットするのである。一般市民は自宅でBBC視聴は許されていない。許されているホテルですらこんなものだそうだ。伊藤園レディス・ゴルフに勝って不動裕理が賞金女王トップに帰り咲いた。次の週は宮里が優勝で逆転。東京国際マラソンで、高橋尚子が2:24台で復活優勝。年齢や独立チームQ主宰やらで、先々を危ぶんでいた矢先であった。体操の世界選手権で富田洋之が31年ぶりに優勝した。
- 11/13読売日曜版にカローラ40年目という解説が出ていた。ほとんどの年でベストセラーカーとなって40年だそうだ。昨年は130万台を生産しその90万台が海外だという。私は運転歴40何年だから、初代のカローラが日産のサニーに対抗して発売された当時からよく知っている。サニーは後ろ窓に屋根の鍔が張り出したヨーロッパ風の斬新なデザインで人気をさらっていた。カローラは大衆車ながらちょっぴり高級感があると言った風のファミリーカーであった。今私が乗っているカローラは、もう乗り始めて8年になるが、故障しない車である。電池とかワイパーとかオイルとかフィルターの消耗品以外取り替えた憶えがない。塗装も良くなった。錆がほとんど発生しない。冷房機能もほとんど変わらない。今後もロングセラーを続けるのであろう。
- Vb属元素タリウムTl(殺鼠剤)を母親に飲ませ、意識不明の重体にさせた高一女子がでた。別の高一女子がアパートの自宅でめった切りで殺された。中小時代からの同期生の同じ高校1年生の男子生徒が逮捕された。女子の家に上がり込んでの犯行である。特別の交際があった仲ではないのに、「冷たくされた」と思いこみ殺したという。双方とも母子家庭だ。個人情報保護とかで知りようがないのも一つの原因となって、個に対する社会の制裁力が減退した今、利己的残虐行為が幅を利かすと言う印象だ。11/13読売によれば、北海道私立浅井学園の理事長が学校補助金を使って自宅改造を行ったらしい。5千万円に達するという。学校の耐震工事補助金だが、学校分は1/4程度であったという。この理事長は学園経費の私的流用により国税局から1.6億円を追徴されていた。
- 11/15帝国ホテルで紀宮様ご結婚。テレビも新聞も大フィーバー。読売には神式式場着席位置から披露宴席割りまで詳細に報じている。天皇家としては私的行事なのであろうが(確認できる記事はなかった)、よくここまで情報開示されたものだ。双方に天皇陛下夫妻が出席される。臣籍降嫁の場合に披露宴まで出席されるのは初めてではないか。国民との距離を縮めると言う意味で大歓迎だ。ただ着席位置を見ると、まだ天皇を神に近い存在としたがる連中が背後にいると感じる。新郎新婦より祭壇に近いのである。披露宴は黒田さんだけの招待のようだから、メーンテーブルを天皇家だけが占めても形式上はおかしくないと思うが、普通は新郎側新婦側両家または新家庭両名の招待にするものだ。苦心の招待状らしい。平民どもの作法とは差を付けたい人たちがまだ残っているのだろう。式翌日新夫妻はお礼言上に御所へ。宮内庁さしまわしの自動車でと言う。どうも公私がハッキリしない。
- 有識者会議が皇位継承は「長子優先」という報告書を出した。世論は女性天皇を認める方向だ。しかし女性皇族の宮家創設により、無制限に宮家が増加するという案には賛成できない。福祉費に大なたを振るおうという財政逼迫の時代に、有識者という老人たちは何を考えているのだろう。私には皇室の血筋を絶やさないと云う視点に拘るよりも、宮廷文化の伝承体として皇室を考える視点の方がが大切だと思う。
- APEC首脳会議が韓国で開催された。靖国問題は冷え切って平行線を辿るだけだ。全体会議で首相は部分の摩擦はあっても全体としての平和協調態勢の進捗をと言うアピールをおこなった。中韓の首脳は何ら反論しなかったという。平和祈念不戦の誓いという説明内容には反対のしようもないはずだ。この首相の信仰が気にくわないと云って折角の招待を蹴るようでは大人の国とは言えまい。国連総会に日米EUなどから北朝鮮非難決議案が提出された。拉致問題解決に向けた大きな前進である。
- 北京を訪問したブッシュ米大統領が胡国家主席と会談した。大統領は中国が政治、宗教の自由を広げ、人権状況の改善を図るよう求めた。宗教は靖国と密接に関連し、人権は拉致をも意識しているのであろう。中国は今むしろ引き締め強化の方向にあると伝えられている。中国には具体的利害関係についての話も必要だが、絶えず彼らの反民主主義路線の修正の要求を、世界の意思として伝え続けることが大切だ。中国はボーイング737の70機購入を契約した。貿易赤字摩擦回避ひいては元切り上げコールの回避の狙いもあるようだ。11/21読売には中国の愛国教育基地の第3次指定を伝えていた。反日教育と表裏一体の指定と紹介されている。
- 一級建築士がマンション等の構造計算を偽造し、実際は震度5にも耐えない建築物が多数見付かった。取り調べに対し注文主より「鉄筋減らせ」と指示されたと弁明している。民間検査機関が偽造を見抜けなかった。専門家は「そんなはずはない」と証言する。偽装決算を見抜けなかった公認会計士事件の記憶が甦る。第三者機関によりチェックを行う制度は、検査側が高度に専門的であることを隠れ蓑にして、「魚心あれば水心あり」では有効に働かない。権威ある検査機関の確立が急務である。
('05/12/8)