十月のトピックス

- イチローが5年連続の200本以上安打を記録し3割を確保した。日本女子オープンゴルフ選手権で宮里藍が優勝した。最年少記録を書き換えた。彼女は不動裕理に並ぶ本物である。その不動は富士通レディースに勝って、生涯賞金額が8億円を超え、歴代でも第一位になった。宮里は月末の大塚家具レディースに勝って再び今年の賞金額の首位を取り戻した。ロッテがソフトバンクに勝ってパ・リーグの優勝を決めた。31年振りという。阪神との日本シリーズはロッテが4連勝で優勝した。総得点が33:4で圧勝だった。ロッテの今江選手がMVPに輝いた。連続打席安打数8の新記録と、いくつかの守備のファインプレーが素晴らしかった。セ・パ交流戦ではマイナー・リーグ・クラスの楽天がいるのにほぼ互角の成績だったし、どうやらパ・リーグの方が実力は勝っていると云えそうだ。
- 道路公団民営化により6社が事業を開始した。トヨタがGMより株を取得し富士重の筆頭株主となった。GM経営悪化に対する援助との見方が強い。村上ファンドが阪神電鉄の株38%を取得し筆頭株主となった。早速阪神タイガース株公開を申し入れ経営陣との摩擦が起こりつつある。ホリエモンにしろ村上にしろ安定企業を資金のターゲットにしてほしくない。ハゲタカが創業以来の苦労の成果をさらって行こうとしている構図に見える。ファンド規制が必要だ。いろいろ村上氏は発言したが、含み資産を活用して利益を得ようとする姿勢は、会社を食い物と考える乗っ取り屋の顔そのものである。続いて楽天と村上ファンドがTBSの乗っ取りを行った。公共性の高いテレビ会社の乗っ取りには警戒心が働く。誰でも電波の割り当てが貰えるのではないから。
- インドネシア・バリ島で同時3カ所自爆テロが発生し、死者25人(自爆者3名含み)、負傷者107人を出した。イスラム過激派による異教徒観光客襲撃との見方が強い。島民もここだけはヒンズー教徒が過半を占めている。マレー半島南部タイ領での仏教徒無差別襲撃も続いている。インドネシア政府は、イスラム教徒の反発を恐れてか、この過激派ジェマア・イスラミア(JI)を非合法化出来ないという。10/3読売は「日本も対応策を強化しなければ」という社説を掲げた。10/29ニュー・デリーの3カ所で爆発、38名死亡。
- 10/8パキスタン北部でM7.7(後日7.6に修正)の大地震が発生し、死者1.9万を越すと発表された。10/13には4-5万人説が流れた。10/下では5万を超すとの報道が出た。カシミールのインドとの紛争地帯に近い。インド側の被害も大きい。ユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレートがぶつかり合う、ヒマラヤ造山運動地帯に属する多発地域である。阪神大震災でもM6.9で、エネルギー的にはその15倍だ。過去の経験にもかかわらず建造物は耐震的ではなく被害を大きくしたようだ。援助物資を腕力沙汰で奪い合う姿がいくつも放映された。大災害の映像はいくつも見たが、広域にわたり無法地帯化している事態はあまり記憶がない。空腹に打ちのめされ、住む家は焼き尽くされていた敗戦後の日本でも治安維持はできていた。国際援助が軌道に乗りだした。イスラム圏3ヶ国は1億ドル台の援助を申し出ている。しかし隣国で一番地理的に近い中国からは目立った援助が出ていない。
- 中国2人乗り宇宙船神舟6号が打ち上げに成功した。有人宇宙船は2度目であるが、今回が前回と違う点は打ち上げの映像をライブで公開した点で、科学技術に対する自信の現れとして注目される。鎧の下からは明らかに軍事技術への応用が覗いている。内政への不満のはけ口として絶好のタイミングであったのだろう、政権側は主席、首相までかり出しての大宣伝振りであった。日本の有人宇宙船の方針に対し新聞はいろいろ書いている。私は米国におんぶの現体制でよいと思う。宇宙事業が経済的に成り立つ日は日本にはやってこないと思うからだ。IAEAとムハンマド・エルバラダイ事務局長に今年のノーベル平和賞が決まった。核の拡散があちこちで心配されるときに順当な決定で歓迎できる。
- 10/12毎日夕刊にメルケル次期独首相の紹介が一面トップを飾った。東独出身で若年の頃は共産圏時代を過ごした51歳という。物理学者であった点が特に目を引いた。かって西ドイツに技術導入に滞在したときに、製造会社の社長級はほとんどが理系で、文系でないとまずは社長になれぬ日本との対比に瞠目したことがあった。今では我が国にも理系の社長はいる。しかし首相に理系を選んだことは一度もない。いかに言葉を飾ろうとも、トップを見れば、社会で理系の存在価値がどう捉えられているかが分かる。
- 郵政民営化法案が衆参両院を通過した。注目の造反議員たちは賛成票を投じる人がほとんどであった。半年も経ぬ中でコロリと姿勢が変わる議員では、代議員制度そのものに疑惑を生じさせる。我が身大切(自民党党員資格の確保)が優先するのなら、民主主義を失った過去の忌まわしい大政翼賛会議会と基本は変わらないではないか。彼らを選んだ選挙区民は反省して貰いたい。その造反議員の自民党の処分が決まった。衆議院議員には除名ないし離党勧告が多かった。参議院議員に対しては、たぶん参議院の与野党差が小さいという理由を以て、甘い処分になった。
- 特別会計の改革が次の目標とされている。特別会計は一般会計の2.5倍と巨大で、独自の財源を持ち使い道のチェックも不十分で、官僚の便利なポケットと化している(読売10/17社説)らしい。読売はその追求に精力的である。10/20読売に政府系金融機関(融資総額145兆円)の他に、民主党調査によれば独立行政法人等の63公的機関が122兆円を貸し出していることを報じた。内7300億円がリスク管理債権だという。10/18朝刊に、自賠責保険の横道支出問題が取り上げられていた。解説では法の目的の補償費に54億、法に直接関係のないバス利用促進対策などに使う「自動車事故対策費(名前だけはもっともらしいが、実質は地方へのバラマキらしい。こんな支出が適正とは「風が吹けば桶屋が儲かる」式論理だと書いてあった。)」に68億円という。主客転倒である。雇用保険における箱もの建設と同じで、役人がチェックをす抜けして勝手に使っている典型だと。
- イラク憲法承認に関する投票がテロ厳戒の中で実施された。賛成8割でかつ2/3以上反対の県が2県に留まり、草案は承認された。イラク安定化への前進である。NHK HVスペシャルであったか、トルコ東部山岳地帯のクルド人地帯を行く映像を見た。80年前オスマン・トルコ時代には、その支配下で自治権を持つクルド人の王国が実在した。しかし独立戦争に敗れて以来、つい3-4年前まではクルド語を話すことすら禁止されていたという。クルド語解禁はヨーロッパからのクルド語衛星放送やトルコのEU加盟問題などが作用しているようだ。今のイラク政府大統領はクルド民族出身だ。トルコで、イラクで、苦難の歴史を歩いたクルド人にとっては希望の星と写っている。
- 小泉首相が靖国神社に参拝した。中国、韓国が反発している。小泉さんは国民に靖国を強要しているのではない。単なる私的参拝のようだ。以前にも述べたが、民主主義の基本である信教の自由にかかわる問題だ。中国韓国は神道の教義に干渉している。その神道は、戦犯という人間社会内の犯罪者であっても、国家に殉じたものは祭祀の対象になると言う宗教である。小泉さんは心の問題に他国が干渉してはならぬと言った。私は信仰の問題にいちいち指図は受けぬと言い換える。中国は未だ民主主義を知らない、韓国は民主化して日が浅い。両国は一つ民主主義先進国に出て、識者連とこの問題をディスカスしてはどうか。どの国でもまずは私のような意見が大勢を占めるであろう。イスラム圏や東方教会圏で略奪強奪などほしいままにやった十字軍兵士もその指導者も、ちゃんと教会に葬られている。アホらしくて聞いておれないと言われるかも知れない。
- 10/26読売に中国軍拡、欧州も懸念の記事が出た。私には、国際摩擦を作り上げてはそれを軍拡の材料にしていると写る。昨年8月のサッカー・アジア決勝の反日騒ぎで、日本大使館の駐中国公使らの乗った公用車が襲われ破損した事件に対し、中国外務省が賠償した。特に説明はなかったという。10/30読売に中国政府ハッカー支援の疑いの記事。米議会の報告である。日本の政府関連HPの中国語書き換え事件も記憶に新しいが、おそらく同列の行動の結果であろう。
- 沖縄普天間米軍基地の移転に関する日米政府間協議が纏まった。沖縄県民の説得が残っている。沖縄県民は基地負担の公平分担を主張する。その通りだが、現実問題として新たに分担を容認する地方は出てこない。米軍の駐在は中国軍拡急の今日絶対に必要だ。他府県道民は沖縄県民に相応の対価を供与することで我慢願うしかない。10/30読売に中間報告として、横田に日米統合調整所を置き連携一体化を促進するという合意が為された。
- 月末になって第三次小泉内閣が発足した。来年9月に小泉さんは任期切れで、ご本人は続投しないと云うから最後の組閣になる。大勝利であった先の衆議院議員選挙の論行賞的色彩と次のリーダー選考のための布石を兼ねた、サプライズでないのがサプライズという人選であった。安倍官房長官、麻生外相、谷垣財務相、竹中総務相、小池環境相、猪口少子化相などが注目点のようだ。
('05/11/01)