四月のトピックス


中国の反日運動が繰り返されている。日の丸が焼かれ、大使館に投石が行われ、日系のスーパーの看板を破壊する北京のシーンが放映された。中国警官は大使館を守ってはいたが、投石を阻止しようともせず、暴徒側は取り締まりを恐れる風もなかった。官民馴れ合いである。プラカードは印刷され、ペットボトルの水を配る人が配置されていた。計画された行動のようだ。4/17読売一面に上海で数万人の反日デモがあり、総領事館に被害が出たが、当局はやはり警官を並べただけで、暴力を黙認する姿勢に終始したことを報じた。
今、日中間にデモ行進をせねばならぬほどの直接対決的大事件が持ち上がっているわけではない。日本の国連安保委常任理事国立候補反対、尖閣列島領土問題、歴史教科書問題を理由にしている。国連における日本の貢献度を中国のそれと比較してほしい。常任理事国立候補は当然だ。尖閣列島所属権主張は領有して久しい日本につきつけた難癖である。2000年前のユダ王国の存在をイスラエルが近隣国に占領根拠と主張するようなものだ。歴史教科書は、言論の自由を認めぬ中国では分からない問題かも知れないが、いろんな見解があってしかるべきで、中国のお墨付きでないと教科書にしてはならないなんてふざけた言い草である。「新しい歴史教科書」を読んだことはあるが、流石に反日ではないが公正な内容で、冷静に見れば中国でも通ると思った。それに内政問題不干渉の外交原則を著しく逸脱している。
デモ隊のシュプレヒコールに「愛国無罪」というのがあった。反日は愛国だから乱暴しても罪にならないと言う意味だそうだ。中国政府は、日本の反省が足りぬ為に起こった事件だから、暴徒の行為に責任は取らぬと言う。4/17読売はその編集手帳に、(中国側の態度は)犯罪被害に遭うのも犯人が悪いからではなく、被害者の行い(しかも1世紀から昔の全世界帝国主義の時代に遡る行為)が悪いからだと言うに等しいと呆れ返っていた。何よりもテロを容認する思想であることが怖ろしい。清政府が後ろで糸を引いた義和団事件が、どんな結果をもたらしたかを中国は反省すべきだ。反日教育を徹底された人民が、唯一自由に発言できる政治スローガン「反日」を掲げて、実は内政に対する不満を表現していると言うのが私の意見だ。対策だが、さしあたり北京五輪不参加を表明してはどうか。日本人に対する犯罪は、日本人の反省が足りないからなのであって、犯罪ではないと言い出しかねない雰囲気の国に出掛けるのは、いかにも剣呑である。
この種の事件は中国の反日教育が影を潜め、その教育を受けた年層がこの世を去るまで続く。だからあと半世紀1世紀は続くだろう。事件は全く中国国内では報道されていないそうだ。日本人民の反応など伝わるはずもない。4/17日中外相会議において、町田外相が今回事件に対する中国の賠償と謝罪を要求した。明確に中国はウィーン条約を犯している。新華社は、日本の要求には一切触れずに、それを「日本謝罪」と国内に向けて発信した。世の中はすべて中国の論理を中心に廻っているとしなければ納まらない。中華思想と新聞に解説してあった。日本の要求を拒否した裏で、中国の外務系出先機関が被害の実質補償の話をあちこちでちらつかせている。日本の世論の沈静化を図っているのだろうか。4/21読売に中国政府「反日」統制に乗り出すという一面記事が出た。中国人はこれからも自己の一人勝手な論理を、ますます先鋭化させて行くこととなろう。ただ、中国人民は今回事件で政権批判の手段に目覚めた。之がきっかけで民主化が前進するようなら高い授業料であったと納得できなくもない。デモ隊により破壊された日本料理店の映像を見た。ひどいものだ。この破壊の状態で料理店を買い上げて、反日デモ記念館にしてはどうだろうか。
頃も良し、4/22バンドン会議で小泉首相は60年前の大戦に対し「痛切なる反省と心からのお詫び」を表明した。アジア・アフリカ首脳が集まる席上であるから、日本の姿勢確認演説としては最も効果的な場であった。当事者間だけでは何回やっても埒の開かない感情問題だから、世界に向かって叫ぶのは最も有効な手段である。胡主席との首脳会談は直後に行われた。将来を見つめてと言う姿勢には注文の付けようがなかったようである。読売は小泉首相発言に力点を置き、毎日は胡主席の発言に力点を置いて報じた。いつものことだが、我々は海外であるいは外国人にどう説明すべきかを常に頭に以ておらねばならぬ。その意味ではもっと日本の発言に自信を持って紹介してほしい。見いだしの字の大きさで言ったら、日本1に対し中国3ぐらいの割合で書いている。単純に見ると毎日新聞は中国に歩があるような捉えようだと誤解しかねない。
読売は、中国国内におけるこの会談の紹介振りを報じていた。小泉首相が謝ったとばかり報道し、日本の主張には少しも触れていないと言う。独裁国の典型的な報道管制である。中国のこれが直らないと、いくら日本が努力しても、政治手段としての反日が繰り返されるだけである。読売はそれに気付いている。4/24新聞には中国当局が反日デモ封じ込めに積極的であると報じていた。4/27駐日中国大使が靖国参拝止めろと演説したそうだ。一国の首相の信教の自由を犯してまでご指導下さる尊大国の面目躍如たるものがある。読売4/24は世論調査の結果として、戦後日本発展の功労者のトップに田中元首相が上がっていると報じた。彼の時代は日本経済が昇竜の勢いにあり、中国は近代化のためのパイプを必死に探し求めていた周恩来首相の時代だから、時代が田中さんを押し上げたのであって、私には、この地盤降下した日本を支えている小泉さんの方が、はるかに政治家として貢献していると思える。
米国政府はさすがに公館襲撃を非難し、官民合作と疑っている。中国こそ歴史歪曲というのは読売のアメリカの新聞記事紹介であった。4/20読売には「欧でも中国批判強まる」というかなり大きな記事が出ていた。何れも反日デモに関する報道である。
G7では中国の人民元の切り上げ要請が真剣に検討された。自己の都合だけで世界をかき回すという印象を早くぬぐい去らないと、中国人は汚いという印象が世界に定着してしまう。4/17読売に漏れる防衛情報という題で中国の対日諜報活動を報じていた。潜水艦情報のようだ。国際化は「人を見れば泥棒と思え」的社会化であることを小学校時代から徹底させる必要がある。台湾第一野党の国民党総裁が訪中した。中国の官民は統一間近を思わせるような熱烈歓迎ぶりだった。反日デモとの落差に唖然。現政権の台湾独立派への牽制である。
日朝サッカー戦は第三国・観客無しで行うとFIFAが裁定した。先のイラン北朝鮮戦における観衆の暴走に対する咎めである。在日韓国人牧師の少女凌辱事件発生。信仰を理由にレイプを重ねたという。被害者は30名を越すと書かれていた。4/14読売によると、韓国メディアは今回の中国情勢を日本孤立と何か喜んでいるような論調だとか。NYでは中韓合同の反日デモ。
4/2ローマ法王ヨハネ・パウロ二世死去。8日に葬儀。何百万人もが弔問する盛大な儀式であった。米大統領ほか多数の政治首脳たちが列席した。異宗教国よりの首脳も目立った。イラン、イスラエル、シリアからは大統領が出席。次期法王は19日ベネディクト16世と決まった。世界のカトリック教会信者数は11億人と書いてあった。改めてその勢力の大きさに瞠目した。
ライブドアとフジの和解が4/13に成立した。市場が長期戦と見たのであろう、ライブドアの株価が一挙に3割以上も下降しては、堀江社長も腰を折らざるを得なかったというのが真相のようだ。しかしフジの購入価格はライブドアに損のでない価格であったし、ライブドアへの15%を越す出資もおまけとして付いていたから、経済的にはライブドアに有利な取引になった。インターネットとTVの融合だとか何とか堀江さんの御託はいろいろ報じられたが、終わってみればただの乗っ取り屋のマネー・ゲームであった。民間テレビ局も事態を重く見てほしい。彼らのうんざりするほどの視聴率万能軽チャー一辺倒番組が隙を作った最大の理由なのである。フジが主張を繰り返した公共性など現状ではほとんど感じられない。日本低俗化協力番組だけなら、公共資産である電波の貸与を取り上げてもよいとさえ思われる。
4/25JR西日本福知山線の塚口−尼崎間で上り快速電車が脱線し、近所マンションに激突。最終的には死者106名負傷者461名の大惨事になった。新潟中越地震の倍ほどの人身被害である。直接原因としてスピードの出しすぎ、置き石があげられている。運転士は過去3度不適切乗務で処分を受けた経歴が伏線にある。今回も前駅でのオーバーランで時間遅れを生じ、秒単位のタイムテーブルなので焦っていたと考えられる。レールには粉砕痕があり、証言では急ブレーキ直後の事故のようである。
JR西日本の最初の会見で強調された置き石は、その後の調査で重要原因とはみなされなくなった。転覆脱線の線が強いという。しかし過去には、京阪電車が少年のいたずら置き石で脱線し、民家に突っ込んだ事故があったし、置き石は年に何百件に上るという。日航は相次いだ不安全行為(管制官指示の誤認、脱出装置切り替え忘れなど)にたいする国交省の事業改善命令を受け、機長ら15人を処分した。共通するのは、過密路線における競争激化によりタイムテーブルを厳守せねばと言う意識が、安全より優先していることである。タイムテーブル厳守の方針はもちろん経営担当側から出ている。現場に安全とのバランスを崩すほどの圧力が掛かっている。
民営化後のJRの阪急に対する異常な競争心も遠因だ。宝塚は阪急創始者・小林十三が作った新天地で、ある時期までは阪急の独断場であった。近年のJRのなぐり込みは、かなり功を奏して乗客数は上回っていた。何しろ大阪中心地により早く輸送する。阪急よりはるかに営業路線数が多く便利である。だが接続の利便性を強調すると、定刻発着は厳守されねばならなくなる。阪急は、狭軌のJRに対し、広軌なのに遅く、電車本数はJRよりも多いとは言え、20年この方一定である。阪急の方がゆったりしているのではないか。過密緩和のために阪急との乗客振り分けを推進すべきだ。根本的な背景は、無秩序な、大都会への人口集中で、交通機関が後手後手に廻っていることである。

('05/04/30)