二月のトピックス

- 今月のトピックスでは科学技術問題を「科学立国の危機」という題で別編とした。今月から読売新聞に解説記事「国家戦略を考える 第1部 科学立国の危機」が連載され始めたが、なかなか考えさせられる内容で、私と同意見と思われる事項も多々含まれていた。だから私の「科学立国の危機」感を別記したのである。
- 500円硬貨の本格的偽造品が大量に出回っている。中国からの郵便物に発見されたのが最初という。鑑定の結果は同一製品だと言うことだった。偽造商品券が摘発された。中国から「輸入」したと末端の犯人が証言した。我が国は外国偽造団の草刈り場になっている。ちょっと以前には偽造1万円紙幣、偽造収入印紙、偽造ビール券もあった。ウォンに穴をあけた偽造貨幣や偽造テレフォン・カードなどまだ可愛かった。外国人犯罪統計が出た。中国人が半数に近く続いて韓国人、フィリッピン人となっていた。
- 北朝鮮が核武装宣言をし、6ヶ国協議を無期限延期すると宣言した。DNA鑑定による北朝鮮拉致者・横田めぐみさん偽遺骨問題は棚上げのままになっている。
- 奈良県の小学女児殺し、愛知県の乳児殺し、千葉県の8人殺傷事件、いずれも犯人には前歴がある。犯人に罪を悔いさせ社会復帰させるという刑法の精神は立派だが、現代の底辺を流れる道徳感とずれていることは明らかである。重刑に処し、出所後も例えば性犯罪者に対しては社会隔離を厳重に行い、監視を怠らないシステムを取るとか、自己防衛のための武装を認めるとか、検挙率が極度に低下している今日、日々の安全が我々には深刻な問題になってきた。
- 2/14大阪の寝屋川中央小学校で、包丁を手に侵入した17才卒業生が男子教諭1名を刺殺、職員室の女性2名に重傷を負わせた。以前の類似の事件の際に、私は、職員は各人が木刀の一振りも常備し、昔のように柔剣道に励み、暴力に断固立ち向かう心を磨けと書いたことがある。犯人は警察署員が一喝したら刃物を捨てたと云う。翌日の新聞は校門の施錠状況の子細を懸命に書いている。しかし最後はアニマル浜口も云うように「気合い」なのだ。卑怯なやつほど身の安全には細心で、犯行には反撃しないまたは出来ない立場の暴力に弱い相手を選ぶ。小学校の教職員が標的になりやすいのは、女性職員が多いのと、マスコミ等が愛の鞭すら否定し、非暴力主義の徹底を要求してきた過去が、一般によく知られているからである。私は常々、小学校の教職員は男女半々であるべきだと思っている。刺殺された教諭は犯人誘導中に背後からやられた。教諭は異常を察して、校庭へ連れ出そうとしていたようだった。犯人は殺すつもりはなかったと云っている。殺意の有無で刑が違うことを十分理解した発言としか思えない。
- 2/5のNHKスペシャル「フリーター漂流〜モノ作りの現場で〜」を見た。製造請負会社が携帯電話製造工場に入って、組立や保護膜塗りなどの単純手作業を請け負う。マーケットのニーズ次第で作業内容はころころ変わる。熟練など全く必要がない。教育など無くその日から戦力になる。だから手に職が付く現場ではない。労働者は自らを人間ロボットだという。そんな現場にフリーターが雇われている。全国に100万人いるという。35才が上限年齢だ。時給は900円。人の入れ替わりは激しい。半年契約だが1週間1ヶ月で辞めて行く。今人口減少対策と称して、外国人を雇い入れる方策が話題になっている。高級技術者研究者を入れるのはまだよい。だが中級あるいは単純労働者にまで範囲を拡大したら、彼らフリーターはどうなるのだろう。社会不安増大に繋がるであろう。
- ライブドアがニッポン放送株35%を電撃的に取得し注目を浴びている。フジテレビがニッポン放送の子会社であるために、マスコミに対するライブドアの比重が急増する。新聞とかインターネットは枠がないからよいが、放送には周波数割り当てがあって、国民は今ある放送からしか選択できないし、勝手に放送を開始することもできない。公人としての性格が解らない堀江社長が、突然に公共メディア資産を支配するような事態があってよいものかどうか。ライブドアが楽天との競合で敗れた新プロ野球球団設立の場合とは根本的に違う。読売新聞2/11によると、ソフトバンクがテレ朝の乗っ取りを計ったことがあったそうだ。そのときは朝日新聞の猛反対でソフトバンクが下りた。
- 2/16毎日に、ライブドアのニッポン放送の株取得が、市場外の取引であっても、株主に平等に情報公開し、取引の透明性を計るというTOB制度の法律の趣旨にもとるやり方で行われたことが明らかになった。汚い手法の人には公共メディアを握る資格がない。読売ジャイアンツが協約の隙間を突いて強引に江川投手を取り、今もってプロ野球の古傷になっているのと同様である。法律に隙間があるときは法の精神で裁くのが常識で、特許問題でもよく出てくるが、裁判になると迂回技術はたいていはアウトになるのではなかったか。しかもライブドアの800億円という資金が外資依存で、その外資がライブドアの大株主となり、間接的に日本のメディアを支配する可能性すら出来てきた。ライブドアに宣戦布告したフジの会長の会見模様を見ていると何か歯がゆかった。天下国家とか法の精神とかの基本理念を国民に訴えようとしなかったのである。
- 2/23ニッポン放送はフジに新株予約権を割り当てる決定をした。この権利全部を行使するとフジはニッポン放送の株の過半を手中に収めることが出来る。社長はニッポン放送はフジ・グループに留まりたいという意思表示をした。ライブドアは裁判所に差し止め請求をした。どうやら泥沼戦争になるらしい。読売に攻防「ニッポン放送」(上)(中)(下)という解説記事が出た。だいたい私と同意見である。
- 埼玉スタジアムでのサッカーで日本が北朝鮮に2:1で勝った。対中国戦で、中国人サポーターが日本に非礼な態度で臨んだ記憶が新しいので、多少心配していたが、日本のサポーターは礼儀正しく友好的姿勢に終始し模範的であった。初回W杯女子ゴルフがアフリカで行われ、宮里藍と北田瑠衣の両選手の日本チームが優勝した。東京国際マラソンで高岡寿成選手が2時間7分台で優勝し、世界選手権代表の切符を手に入れた。
- 2/16温暖化防止に関する国際的取り決め京都議定書が発効した。毎日の社説は米中印の参加を呼びかけるものであった。その2ページに及ぶ特集には具体的に数値で温暖化の危機を示してあった。問題が表面化した頃は、海面上昇度一つをとっても、数センチから10mほどまでと、学者によって予想が様々で問題の程度が解らなかったが、地球シミュレーションが精密化し、現実に台風に大雨が増加し、降雪量が下がり、夏日が増え、春の訪れが早まっている今日では、温暖化とその被害を疑うものは少なくなった。温暖化最大の要素・炭酸ガスの排出量はアメリカ24.4%、中国12.1%、ロシア6.2%、日本5.2%、インド4.7%などとなっている。議定書不参加の米中印の合計が41.2%で、彼らの温暖化ガスを放置していては、地球を守れないことは明らかである。私は教職にあった頃から原発推進論者であった。このHP表紙の「はじめに」にも触れているように、10数年前は先生方には原爆アレルギーが蔓延していて、パソコン通信では叩かれたものである。今、電力会社の炭酸ガス対策のエースはもちろん原発だ。あのころの先生方はどう思っているのだろうかと思うと懐かしい。
('05/03/01)