十二月のニュース

- ウクライナ大統領選挙で与党側の投票操作が明るみに出て国内は騒然となり、国家2分の危機に至ったが、再選挙実施で回避された。13日野党候補のユーシェンコ氏がテレビに映った。ニキビだらけの顔に変わっていた。血中ダイオキシン濃度が正常者の6000倍量検出されたと発表された。親ロシア与党側の毒殺工作が疑われている。この国は旧共産圏政治の暗黒部分を引きずっているのだろう。26日再投票の結果、ユーシェンコ氏が当選。この選挙ではミソをつけたが、ロシア・プーチン大統領は石油コンソーシアムの実質国有化など、権力集中独裁体制に向かって着々と手を打っている。最近西側から警戒の声が出始めている。
- 12/8北朝鮮から持ち帰った横田めぐみさんの遺骨が、帝京大のDNA分析で本人のものではないと判明した。北朝鮮の提出資料にはそのほかにも幾多の疑惑が公表されている。経済制裁に踏み切る時期に来たと思う。小泉さんは消極姿勢であるが、下手をすると首相の座が危なくなる。12/12内閣支持率が37%に急落したという見出しが毎日のトップを飾った。続いてNHKは44%、読売は45%と発表。傾向は同じだが、数字にちょっと差がありすぎる。めぐみさんの結婚相手が工作員であることが、拉致被害者の証言で明らかになった。夫と自称する人物が一切の身体資料提供を拒んだはずだとやっと解る。めぐみさんを返せない事情も自ずと推測がつく。北からは何も情報が出てこない、北とは話し合いなど意味がないという判断は正しいであろう。民論、国会は一致して経済制裁に動き出した。中国、韓国、アメリカは六カ国協議のためと称して懸命にブレーキをかける。その意見に日本を載せるには、なにがしかの貢献が必要である。
- 12/8夕刊にIBMのパソコン事業を中国最大手が買収したと発表した。既成の成熟製品を安い労働力で作り、ブランドを買い取って市場を制覇する。TVニュースでは中国人はたいそうなはしゃぎようだった。それはそれでいいが、かって日本に対してそうであったように、いずれ世界から中国は自己開発のオリジナル製品で戦えと言う声が挙がるであろう。それが実現して初めて、先進国の仲間入りを認められたこととなる。12/16読売に世論調査結果が出た。日本人の71%が中国を信頼しないと言う。NHKや内閣府からも類似の世論調査結果が出た。ガス田掘削、原潜領海侵入、域内調査といろいろあるが、基本的には中国の反日教育に対するcounter reactionと云える。台湾の李登輝前総統が来日した。観光旅行だという。中国が猛反発し、報復処置までちらつかせる有様である。李氏は今や公職にない私人である。ビザを発給した小泉さんの判断は正しい。我が国は法治国家であり、政治が法の精神をねじ曲げて恣意的超法的に行動することを極端に嫌う。民主主義国家の基本である。その点中国とは対照的な国家形態であることを、今回の事件は改めて浮き彫りにした。読売12/29の社説に、過去に李氏訪日の判断に誤りがあった外務関係者、具体的には河野元外相、チャイナスクールを指弾していた。
- 読売新聞の解説記事「歴史教科書」は出色の企画である。15回目(12/10)にトルコを取り上げた。現共和国建国の父ケマルを教祖とする教団のような教育になっているらしい。ケマル没後66年である。その脱皮を促す動き(オスマン・トルコ帝国の再認識)はあるが、いまだ少数派である。16回はインドネシアのスハルト賛美問題であった。共に現体制の正統性主張のために歴史が使われている。トルコやインドネシアはまだいい。民族内の体制論争であるから。国内に民族間紛争を抱える諸国の教科書は、政治的配慮から、舵取り不能の泥舟に乗っているような状態である。国際的紛争を抱えているあるいは抱えていた諸国ではさらに深刻だ。17回はインド・パキスタン。成人までの歴史教育は、評価が固まっている1-2世紀前の事実までに留めるべきだとさえ思う。
- OECD国際学習到達度調査の結果が7日に発表された。15才学力は'00年に比し読解力が8位から14位へ、数学的応用力が1位から6位へ落ちた。文部科学省は、世界トップレベルといえないという認識を示した。前回に対し週5日制、新学習指導要綱が主な制度上の変革点である。文部科学省の指摘も校長のアンケートも成績上位の国に比しての日本の教師の質の低さを問うている。TVを見ていると、先生が生徒のお友達になって、仲良く楽しく時間を過ごすのが正しい教育だと、勘違いしていると思う局面が、時々出てくる。学力トップクラスの韓国では、大学修学能力試験のカンニング事件が拡大の一途を辿っている。極端な学歴偏重社会がその裏にあるという。NHKでみたが、ソウルの3名門大出身でなければ就職もおぼつかないという。日本では学歴社会打破にマスコミが一斉に動いた時期があった。その甲斐あってか、あるいは大半が大学に学ぶ高学歴社会になったせいか、今はアメリカの方が日本より学歴社会だと言うほどにまでなっている。例えば入社試験で(中身よりも)パーフォーマンス力とかコミュニケーション力を重視する評価法が、日本の若年者の「学」軽視傾向を生んでいる可能性は、否定できない。
- 12/15各紙に世界の中学2年と小学4年を対象にした「国際数学・理科教育動向調査」の結果が、国際教育到達度評価学会(IEA)から公表された。全てに渉って順位を1-2位づつ下げている。宿題にかける時間が各国中の最短で、TVを見る時間が最長だそうだ。ニート予備軍と言う言葉を使った新聞もあった。レベルの低い方に合わそうとした「ゆとり」教育の分かりきった結果である。「ゆとり」に反対した少数派は、世界に互して競争している「一流」大学の教授連であったことも思い出す。「ゆとり」派は教育に関しても日本国内だけではなく、世界を見据えて行動せねばならないことを反省すべきであろう。分かりきった話だけれど。
- 12/8夕刊に7-9月期GDP年率換算で0.2%増と発表された。対するアメリカ3.9%、韓国4.6%。景気の減速傾向が裏付けられた。
- 12/8自衛隊イラク派遣1ヶ年延長が決まった。オランダ軍撤退で現地は不安になっていたのであろう、住民からは一斉に安堵の声が挙がった。それが本音であろう。マスコミから今まで伝わっていた感触とはかなり違ったものだった。選挙妨害が目的と言われるイラク治安組織に対するテロを除くと、大規模な武闘事件は起こっていない。アメリカ軍のテロ集団撲滅ローラー作戦がだんだん効果を上げだしたのかも知れない。オランダ軍が撤退し、イラク選挙が終了し、さらに半年経た頃が自衛隊撤退の時期ではないかと思う。
- 日体大スキー部員、亜細亜大野球部員、国士舘大生。最近集団婦女暴行あるいは集団猥褻行為で捕まった大学生である。今までの類似事件を振り返ると、全部私立大学生で、関東に集中している。世間が注目するようになった慶大医学部学生のレイプ倶楽部のような例もある。概して偏差値の低いと云われる学校の学生が多い。その中でも体育会系である場合が多い。世間の色眼鏡は伊達ではないと思う。
- 政府・与党整備新幹線検討委員会が北海道などの新規3区間の05年度着工を決めた。12/17毎日社説に取り上げられ、「債務に債務にまた債務とは」という見出しで、借金まみれの国家財政になお借金を積む愚かさが指摘された。緊縮でもほとんど自動的に財政破綻に近づいて行くのが現在の日本の国家財務構造である。検討委員会委員諸氏も、路線地帯が選挙地盤だとは言え、国会の議員である。国の大事を最優先にしてほしい。財政赤字対策を理由に国防費を削り、中堅所得者をターゲットに低率減税廃止を決めたではないか。自民党部会から出てくる郵政民営化案は全国一律サービスとか、特定郵便局長の地位安定とか、合理化、スリム化に手枷足枷をかける方針ばかりが目立つ。来年度政府予算案は82.2兆円に決まった。内4割以上が借金である。
- 12/26インド洋スマトラ島沖でマグニチュード8.9(すぐMw9.0と訂正)の大地震が発生し、最高10mの津波がインド洋沿岸各地を襲い、死者6000人を越える被害を与えた。翌日朝刊では死者は2万名以上に増加。12/29読売は4万人と訂正した。12/30には6.8万人とどこまで増加するのか解らない。12/31読売に死者12万人日本人14人の見出し。初期報道での最大被害はスリランカだった。700km/hで波が伝わったとしても、2時間はあったのに大きな被害を出した。貧困と内紛(民族間武闘)のため、警報システムがほとんど整備されていなかったという。放出エネルギー量比較では、中越地震(Mw6.5)の6500倍もの大震災である。観測史上5番目の大きさという。余震の中に、中越より大きかった阪神淡路大震災よりもなお大きいものが何回か来たと云うから全くものすごい地震である。我が国の救援活動の立ち上がりは早かった。護衛艦3隻、医師団、消防庁レスキュー隊、3000万ドル等々。アメリカだって1500万ドルである。地震当日の夜、映画「ポセイドン・アドベンチャー」('72、米)のTV放映があった。クレタ島沖のM8.4の大地震で、津波が発生し、航海中の豪華客船ポセイドン号が転覆する物語である。幸いインド洋での大型船の転覆事故は今(12/28)のところ報告されていない。
- 「ドン・キホーテ」チェーン店があちこちで放火と見られる面妖な火事を起こしている。乱雑無整理に堆く商品を積み上げている店で、消防署からは再々防火上の指導を受けている会社だそうだ。会社は全店にスプリンクラーをつけると発表した。可燃性の衣料を山積みしている店に今頃スプリンクラーとは。消火に当たった従業員に犠牲が出た。
- 奈良県小一の少女が下校途中に殺害されてから44日目、ついに県警は36才の新聞配達員を逮捕した。過去に性犯罪で2度起訴され内1度は有罪判決を受けている男である。性犯罪者の再犯率は50%を越え、異常に高いという。米国では、前歴者の氏名や住所を地域住民に知らせる州法が全国規模で成立しているという。立法者は、犯罪者の人権擁護から全く罪のない弱者を保護する方向へ精神の重点をシフトする時期である。
('04/12/31)