七月の一面記事


台風6号が房総半島を通り仙台沖から再び釧路に上陸し、北海道を北上して消えた。かなりの被害が報告されている。台風6号に続いた7号は同じ様なコースを辿って仙台沖に消えた。9号は鹿児島南端をかすめて通り過ぎたばかりである。7月に3回も台風を迎えた。今までになかった気象と注目されている。
大相撲名古屋場所が不人気で、空席が目立った。新聞が注目している。久しぶりに、相撲の中継を終わりの方だけ見た。千代大海の優勝ぶりは素晴らしかった。武蔵丸は横向きにされて簡単に土俵を割った。目立つのがハワイ力士、モンゴル力士ばかりでは観客も応援の方向を見失ってしまうであろう。力士大型化のせいもあろうが、大味・淡白に勝負が決まるのでは面白味も少ない。
東京女子医大心臓手術ミスの隠蔽工作に対して医師2名が逮捕され、看護師長と技師が書類送検になった。その医大病院は特定病院の承認を取り消された。帝京大医学部の入試結果発表前寄付金つまり裏口入学賄賂金が明るみに出た。私大医学部の入学金は正面から入ると100-200万円、納付金は600-1200万円という(7/29毎日朝)。それを1500-10000万円取っていたという。その帝京大医学部受験の「口利き」を、宮路和明副厚生労働大臣がやっていた。参議院厚生労働委員会で追求したのは、共産党の小池晃議員であった。共産党とは、こういう問題になると存在感が出てくる政党である。メジャーにはなってほしくないが、存続して欲しい政党である。政府与党側は、口利きが問題ではなく、立場とタイミングの悪さが問題だとした。逆に口利き是認にすり替えようとする強かさを見せた。彼は「薩摩隼人」らしく辞職した。鹿児島出身である。続いて、東海大学病院の手術ミス死亡事件が報道された。
医療法改正で、サラリーマンの窓口負担分は、69歳までが2割から3割に値上がりしたが、70歳以上は1割据え置きであった。この1割には弱者に優しくと言う大義名分があった。だが、医家の収入に、最も大きな比重を占める年寄りが、病院に通いにくくなるのを防ぐためでもある。富者(医師)にもますます優しくか。
今月下旬、ある経済新聞に、阪大の助教授先生の年金に関する論説が掲載されていた。今の高齢者は、生涯比較で、掛け金に比べて受給金がなんと7千万円以上も多いのに対し、このままでは幼児は2千万円以上の損をすると云う試算を提示していた。私はかって新入社員の給与で比較してみたことがある。私の頃との比較でさえ、現在の若者の給与はドルベースでは30-40倍にはなっている。この先生の云っている高齢者は、私よりはもっと年寄りの話であるから、その倍率はもっと大きいだろう。そんな連中が支払った掛け金なんて知れている。7千万円以上というのは本当だろう。だが、彼らが今の先進国なみの所得を作り上げたのである。助教授先生、それでも高齢者の年金に手を着けるべきですか。
京大学生新聞の7/5号に、「社会保証制度と共生」と題する橋本先生の講演の要旨が載っていた。社会保障給付費が国民所得に占める比率は、日本は先進国中最低だという。最高がスエーデンの53.4%、日本は17.8%だ。福祉国家と言えるようになるには、税金と社会保険料の増額が必要だが、その合計負担率も最低だ。私は、自民党の古賀さんあたりが盛んに、公共事業道路事業を削るなら福祉も教育も我慢せねばならぬと云うので、日本はよそに比べたら相当な福祉国家だと誤解していた。
長野県知事の不信任案が県議会で可決された。毎日新聞に不信任決議の旗振り役・石田治一郎県議のインタビュー記事が出た。県政会の名誉団長だという。田中知事が失職し選挙になったら、筋としては、この人あたりが対立候補として立候補すべきだと思うが、そんな話はなかった。小泉さんの場合と同じで、改革を称える知事に旧守の利権派が抵抗しているとしか見えない。知事にすれば、与党らしい与党を持たないのだから、理念具体化の方策の手の内は迂闊には見せられぬのではないか。知事の理念は解るといいながら、知事のダム無しの代案は貧弱と云うだけで、ご本人の対案は何もないようだ。第一、ダムが無くても大した事件は起こらないのではないか。結局県会の不信任案賛成側は、自分の座席すら危うくなってきたのではないか。
ドルが続落して116円台になった。1月の末に135円強だったのである。経済実力は殆ど変わらないのに、この20円近い下げ幅は何なのだろう。
新聞でもテレビでも中国製の痩せ薬の話題がひとしきりだ。肝臓障害で400人を越す被害届けがあり、その内4人は死亡したという。4人とも女性である。中国の当局も取締に乗り出したと報道されている。本場ではもっと悲惨な実害があるはずだが、日本で騒ぎになるまでは表沙汰にはならなかったようだ。中国はその一部製品を認可取り消しにした。薬害補償はどうなるのか。その一つの製造元に対して記者がインタビューをやっていた。本物は漢方だけなのに、偽物が回っていてそれが有害だと主張していた。本当なら、商標を含めた工業所有権意識が普及していない国だからこんな事件が起こる。それ以前に、医薬の検査監視体制がなっておらんとも云える。官憲が取締に乗り出し、薬局から押収しようとしたら、たったの1瓶だけだったというのも、馴れ合いを疑わせる。中国4000年の歴史が造った漢方薬の信用も、最近の事件によって、反古になりつつあることを寂しく思う。その一方で、中国からの輸入野菜に無認可農薬が次々に検出された。同文の民だからと、今まで持ち続けてきた中国への親近感が、どんどん遠くへ離れて、お騒がせ国家のイメージが強くなって行く。
鈴木議員の収賄事件に新たな疑惑が持ち上がった。北海道網走市の島田建設関係である。島田建設の官公庁工事依存率はほぼ100%に近いという。地方産業の育成は必要である。しかし何十年にもわたる振興政策の果てが、公共土建事業だけに依存する「最果ての地」の議員支援企業を太らせただけというのでは堪らない。日本の税金の大半を支えねばならぬ大都会の人々にとっては、まことに腹立たしい現実である。高速道路別の収支決算が発表された。案の定であった。東名、名神、中央だけで全黒字を受け持っている。全部とは云わぬ。しかし黒字の7-8割は、支払った人々が住む地帯へ還元すべきである。それがまた明日の日本の活力に繋がるのは論を待たない。道路族議員の皆様。道東に道を造っても、日本の活力再生に繋がらないことは、誰が考えても理解できることである。
非衛生地帯の病気として軽視されてきたE型肝炎が、日本で4名の死者を出したと報告された。続報では、血清検査によれば20人に1人はこのウィルスに対する抗体を持っているという。日本にウィルスが居着いてしまった。ブタから死亡者と同じタイプの遺伝子のウィルスが検出されたという。人畜どちらでも増殖できる厄介な相手のようだ。B型とC型は血液媒介だが、A型とE型は経口感染である。D型と言うのはない?
イラン産ピスタチオに制限量以上の発ガン物質を検出。かびが造る毒物だということらしい。NHKで、伝染病を媒介する外国産の蚊が日本に定着し始めているというニュースを解説していた。デング熱とかマラリアとからしい。飛行機に乗って運ばれて来るという。飛行機が着くと検疫官が捕虫ネットで蚊を追っかけている映像が映された。アメリカではニューヨークから広まりだしたデング熱?が今中部アメリカまで広がって大騒ぎで、新手のテロと騒がれた時期もあったと報告された。
歴博の前館長・佐原真氏が膵臓癌で死去された。博物学関係では珍しく人間味豊かにさわやかに話をされる方であった。

('02/07/29)