東欧旅行

- ハンガリー、オーストリア、チェコの3ヶ国を8日間で巡る団体旅行に出た。この地方に来たのは始めてである。地理学的には中欧なのだが、東西冷戦の歴史を受けてか、東欧という表現の募集であったので、以下その言い方に従う。それを見越して日にちを選んだ訳ではないが、東欧も暖冬異変で、丁度花が咲き新緑が萌え出るよい時候であった。もう少し経つと、ナノハナだろう、野原が一面黄色に染まると云う。サクラ、ライラック、リンゴ、ヤマブキ、ボケ、カイドウ、ハナズオウなどの花を見たように思う。あとの2つは遠くからなのであやしい。花は日本より1ヶ月ほど遅いようだ。
- 桜は一本単位である。八重咲きのサトザクラが殆どだった。感心して眺めているのは我々日本人旅行者だけだった。白幡洋三郎:「花見と桜」によるとこの地方にはお花見という習慣はないそうだ。5/1の読売夕刊には日本からウィーンに送り続けられた1000本の桜の植樹が終わり、記念式典が行われたと報じた。我々は観光中心を巡っただけなので、桜の森までは見れなかったのが残念である。ライラックの紫をこんなに多く、あちこちに見た記憶は日本ではない。公園や街路樹にはトチノキ(マロニエ)、ニセアカシヤそれからボダイジュなどが植えられていた。ボダイジュは日本の東北でよく見かけるシナノキに似ている。樹木の種類はもっと多いだろうが、解ったのはこの程度である。
- ツアー・ディレクターも現地ガイドも掏摸、置き引き、かっぱらい、ひったくりへの注意を繰り返した。国境の自由化が進んで、特に中東系が平和な世界に波風を立てているという。にもかかわらず、プラハではグループの中にビデオ・カメラをひったくられそうになった人が出た。人通りの多い中心街の昼中である。彼の奥方が素早く反応したために、実害を受けずに済んだ。3-4人づつ歩いていた我々の中へ老夫婦と若者が縦に割り込み、彼が手に提げていたカメラを若者がひったくったのである。ジプシー風だったと被害者が云っていた。
- ヒッチハイクのようだが、その実、挑発的に車の男を一本釣りしようとしている革ジャン・ミニスカートの若い女を、国境で何人も見た。最初は解らなかったが、ツアー・ディレクターの話で納得できた。こちらはロシア系が多いという。聞けば、民間での銃火器の所持が許されている国という。どこも頑丈な煉瓦造りの家で、昼飯時に店番が席を立つときは厳重に鍵を下ろす。店を閉める夕方にはシャッターが降りる。こんな守りの堅いところでもガイドが顔をしかめる外人犯罪が増えているのだ。丸腰、鍵無し、可燃性木造家屋の日本を考えると、難民受け入れ促進などと云う人道主義者の青臭い話には、ため息が出てしまう。
- 観光客の国籍で云うと、日本からは3番目だそうだ。しかし、土産物店で目に付くのは日本人で、その順位で云えばきっと第1位であろう。日本人の店員を置いていない店でも、片言の日本語を使ってお愛想を云う。我々も出来るだけ現地語を使おうとしたが、オーストリアのドイツ語はかって一度は習っているからともかく、あとの2ヶ国語は難しかった。ツアーで連れていってくれたレストランのマスターは特別に愛想良しであった。そんな店では日本円が通用する。レートも空港と変わらず、ハンガリーでは10Ft=5円、チェコでは1kc=4円だった。大きい札だったらもっと有利に換えるというところがあったが、ちょっと理由が解らなかった。現地通貨が弱含みだと言うことだろうか。ユダヤ街の店で万円札を出したら、店員は真剣にすかしのチェックをやったので、以後何処の支払いでも先手を打って店員の前ですかしのチェックをやって見せた。
- ビーフが1回、ポークが2回、チキンが1回、七面鳥が1回、魚が1回、中華が1回あとは機内食とバイキング方式の食事であった。レストランではライスが続けて3回肉料理に副えられて出てきた。インディカ米である。一般に野菜と果物が少ない。だからバイキングの朝食では、植物性の副食を、鶏か家鴨になったようにして食べた。スーパーや街角の売店も出来るだけ覗いたが、ジャガイモはがっぽり出ている、リンゴは日本では売りものにならないような小さく傷の多い品で品種も2種類だけ、バナナは高い、オレンジの種類は大きな1種だけと言った印象だった。食事のあとに甘ったるいケーキが付く。真っ当なのは中華だけだった。そんなにメッタメタに安いツアーではないのだから、やっぱり地料理がそうだからと言うしかないだろう。スープは全般に塩が良く効いている。機内食も今一美味しいとは思わなかった。ウィーンには日本料理店が何軒かあるという。
- 今回の飛行機は全部ルフトハンザ航空だったので、乗り換えはミュンヘン空港とフランクフルト空港であった。ツアー・ディレクターがしっかりした女性で、何事も臨機応変にテキパキ処理してくれたので、すんなりと欠航に対応できたし、乗り換えも無事に終わった。だが、もしも個人で旅行したとしたら、とんだ弥次喜多道中を演じることになりそうだと思えるほどに、構内は複雑で、正しいゲートにたどり着くのに一汗掻きそうな空港である。私は手洗いに立っている間にグループに置き去りにされ、原隊を探し出すのに少し時間が掛かった。トイレと言えば男子用の小便器は位置が高く、多分身長160cm以下の人は苦労だと思った。大の方は足がブラブラするのを我慢すればどうと言うこともない。空港の便所には流石に落書きはないが、チップフリーの大便所の壁には猥褻な落書きが見受けられた。ハンガリーのガソリンスタンドであった。立ちションも見た。日本人だけの特技ではないのだと妙なところで彼等に親しみを感じた。チェコの話である。吸い殻の投げ捨ても結構目に付いた。
- 以下旅行の順に国別の印象を、「東欧旅行−その2 ハンガリー」といった風に、書き留めてみたいと思う。
('02/05/02)