四月の一面記事


社民党辻元氏と自民党加藤氏が議員を辞任した。日本人伝統の美学に叶った進退であった。両者とも日本の将来の政治に期待をかけられていた才能であった。今後の再起のためにも鮮やかな決断であった。鈴木宗男議員は亀のように首をすくめたまま、議員職に留まっている。彼のアフリカ人私設秘書ムルアカ氏の不法入国問題、ロシア支援委員会の上乗せ発注の不自然さなど、未だにその周辺から匂ってくる臭気に、国民はぶっつけようのない苛立ちを感じている。新たに井上議長の口利き疑惑が、破産会社の元社長の訴訟から表沙汰になった。自民党は、少し前の京都の知事選では勝ったが、共産党候補にかなり迫られ、この4/28の選挙では1勝2敗になった。3地方とも自民党の金城湯地の筈である。私には、新聞がはやし立てるような、小泉内閣の人気凋落と云うよりも、有権者が自民党に繋がる人々の目に余る汚さ、嫌らしさにそっぽを向いた結果のように思える。
有事法制関連3法案と個人情報保護法案の提案主旨には理由があるが、その副作用をどう規制するかが問題だ。前者について云えば、極右(左)的人物が政権を握ったときに、裁量範囲が広いと、行動力に押しまくられて、思いも寄らぬ戦禍に遭わぬとも限らない。と言ってガンガラ締めでは、後手後手で国民の利益が損なわれる。後者について云えば、力のない民衆の唯一の武器であるマスコミに対し「角を矯めて牛を殺す」結果になり、ワルをのさばらすための法律になりかねない。極端取材への自粛要望程度にして、廃案とすべきである。首相公選制に対して、中野民主党副代表は「ポピュリズムに流れる恐れがある」と反対しているそうだ。格好良くオブラートに包んで「ポピュリズム」と云ったが、衆愚扇動政治を恐れた発言と思う。政治家の方も民衆の良識を信頼していない。日本では、今、相互不信の渦が巻いている。
春の叙勲の発表があった。相変わらず官優先の年功序列型である。27日のNHKスペシャルであったか、ロンドン下町の女性公立小学校校長が女王から叙勲されるシーンを放映していた。学級崩壊の最低ランクにあった小学校を、成績優等の学校に作り替えた功績だという。こんな官なら叙勲に何ら異議はない。しかし日本の叙勲官吏は大抵無事に勤め上げたという功績で、それに対しては国民は給与の形で十分に報いているはずである。期待を遙かに越える、驚嘆すべき業績だけを、叙勲の対称にすべきではないか。防衛、警察、消防などの危険業務従事者が多いと云うが、危険手当も出されている以上、尋常でない命がけの働きに対してのみ叙勲すべきである。
4月一杯続いたみずほフィナンシャルグループのコンピュータ処理トラブルはどうにか落ち着いた模様である。4/30の毎日朝刊にその検証記事が載っていた。合併三行の各自システムの、相互乗り入れのための検討が不完全であったことによる人災と、結論付けている。別々のシステムを統合する事業は、何も世界最初の経験ではないはずだ。システム障害の検出・改良・作動確認などのステップを確実に順を追って踏んでおれば、問題はなかったのであろう。理学部工学部の新卒が大量に銀行に流れる現象が、新聞種になった時代があった。少なくとも銀行のコンピュータ現場は十分理解していたはずである。要はそのトップが、当然の問題点を当然に処理しようとしていたかで、TVの前田社長の印象はその任にあらずであった。
毎日新聞の理系白書第3部文系の王国が4.で終わった。生涯賃金で理系は文系より5000万円低いと言う統計は衝撃的であった。理系の昇進は官でも民でも遅く、中央官僚では新採用時に55%の理系が、次官では3%に下がっているという統計も衝撃的であった。日本国内での文系対理系という蝸牛角上の争いではなく、日本が総力の半分の、文系という偏った知恵でしか運営されていないことへの危惧である。口を開けば科学技術立国を称えるのだが、世界一の特許出願数を誇りながら、今一世界をリードするところまで行かないのは、こんなところに真因があるのだろう。早い話が、裁判所でも医療問題や産業問題になれば法律家だけでは手に負えないのが現実である。専門家の意見は聞く、しかし判断決定は法律家だけのものだというのでは、裁判が信頼されなくなる。
読売新聞の「安全メルトダウン」シリーズを読んでいる。3/29より始まった第2部は組織犯罪の浸食と題している。目立つのは中国人の犯罪である。科学技術、組織、暴力をフルに活用して日本の安全をメルトダウンしようとしている。こうもあくどい犯罪を事業として大々的にやられては、我々の対中国感情が悪化するのはどうしようもない。それから相次ぐ中国人の製品模倣問題。DVD特許料支払い交渉に中国側がテーブルに付く目途が付いたという。そんな当たり前の話がニュースになるほど、知的所有権に無関心を装う国なのである。訪中した神崎公明党代表に、江沢民主席は、小泉首相の靖国神社参拝を非難したと言う。日中の友好増進の具体的問題点はそんなところにあるのではなく、中国人の組織的犯罪の防止と模倣の防止が最優先項目である。靖国神社参拝は、信教の自由という民主主義国にとって基本的な原理に触れる問題で、それに対する干渉はありえない。神崎さんにはしっかり言い返して欲しかった。
再生医療関係の進歩が著しい。4/16読売朝刊の東大医科研による胎盤から骨・神経細胞を培養・成長させる方法の開発や、3/28毎日朝刊の京大再生医科研によるヒトES細胞作成承認のニュースなどが続いた。関連の動物実験成功のニュースも数々あって、現在の科学技術の最も華やかな舞台であることを思わせる。

('02/04/30)