水無月の話題


歴博の辻先生の受け売りだが、日本の季節は四季ではなく八季だそうだ。雨のあるなしで季節が倍になるという。水無月は旧暦6月の雅語で、盛夏の雨が一段と恋しい頃である筈だ。だが、わが家のカレンダーは陽暦の6月まで水無月にしてしまった。だから梅雨なのに水無と矛盾した言葉になっている。しかしこの雅語を捨てるのは勿体ない。私はこの言葉を当分忘れぬ程度に使って行こうと思う。
小泉内閣メルマガの第2号が来た。もう登録数が180万を突破したそうな。我が身に纏わる小話は結構聞くものに説得力がある。「私がタケノコ医者であったころ」という題の坂口厚生労働大臣の回顧談は記憶に残った。僻地の経験豊かな看護婦に対する感謝の言葉である。だが、同じ我が身に纏わる言葉でも、TV中継で見た、鈴木宗男衆議院議員(北海道選出)の田中真紀子外相に対する執拗な質問は頂けなかった。外務省の官僚まで引き出して、外務省人事に対する圧力を否定したかったようであるが、圧力を報道したマスコミ多数を官僚に対抗して証言台に立たせたら引っ込みのつかぬ事態に追い込まれたであろう。公の場で私憤をぶちまけているという印象は拭いきれなかった。大臣と平議員の格差の表現に使ったジョークももう少し上品な表現にすべきであった。彼の出身地名寄町はラワンぶきが名物で今がシーズンである。らわんグリーン研究グループ−螺湾郵便局への発注書にも一言書き添えるとしよう。
日本のセーフ・ガード発動に対する中国の報復関税は、明らかにWTOの精神に違反している。WTO年内加盟を実現したい中国が、加盟後では取れない対抗策を実行するのは矛盾も甚だしい行動で、世界貿易協調の精神に悖る。低賃金を理由に日本製品を閉め出したアメリカの戦前政策が結局は第二次大戦の遠因の1つになった。この過去の失敗は噛み締めねばならぬ。だが、1/30といわれる中国の低賃金は農業のような労働力依存産業にとっては存在を脅かす脅威である。双方のギリギリの妥協点が自由競争の中のセーフ・ガード条項になっている。外交当局は、散々な試行錯誤の結果到達したWTO精神を等閑にして民族の利己を押し通そうとする非を、世界各国へアピールすべきである。
またこれは日中相互最恵国待遇の条約からも外れた行為で、こんなに恣意的に行動されるなら条約を結んだ意味が無くなる。個々の事件への過敏な反応が大きく世界史をねじ曲げた反省から包括的な条約で我慢の範囲を決めている。この二つの論理は早くから政府から出ているのだが、不思議なのは新聞の見出しに少しも出てこない点である。大局的に考える姿勢がないというべきか。毎日新聞では昨日(6/23)やっと第3面に解決策3つの最後としてWTOが小さく顔を出した。最恵国の話の見出しは今日である。外交問題については、日本政府の主張をタイミング良く大きく掲げて貰いたいものだ。
大阪教大付属池田小学校で1年生2年生が滅多切りにされた事件は、その他の幼児小児を狙った卑劣な犯罪と共に、社会や学校の防衛力抑止力を考えるきっかけになった。即効性から云えば警察力の増強が第一である。昔のように交番とか駐在に主力を置き顔の見える警察の再現をお願いしたい。ついこの間まで検挙率が8-9割だったのに今は2-3割に低下している。これでは犯罪者にナメられる。現地に張り付いた警官が遠慮なく誰何する体勢に戻る以外ない。
次ぎに、古き良き時代の「安全はタダ」の常識を捨てる必要である。小使、用務員、ガードマン、門番など呼び名はどうでもよいが、抵抗力が弱く被害を出しやすい地域にはともかく守衛相当人員を常駐させること。その人達はあからさまに木刀でも警棒でも武器を携行し戦う姿勢を誇示したらいい。初めはボランティアで組織できてもいずれ解消してしまうから、はっきりと父兄あるいは住民の義務として、プロを有料(私費)で採用する方向が望ましい。公費をつぎ込むのは考え物だ。個人単位の安全は自分で守る意識の浸透が必要だ。
もう一つ。小学校教員は武道単位修得を採用必須条件とし、採用後もその修練を義務づけることである。それから女子教員が過半を占めるような偏った採用にしないこと。池田小学校では男子教員が奮闘して何とか取り押さえられた。しかし我々の地方のように、殆ど女子教員ばかりといった雰囲気の学校でもしもの事があったら、どんな展開になったかと思うとゾッとする。
間接的対策は道徳社会復活の模索である。日本が長い間犯罪の少ない希有の社会でおれた実績は世界に冠たる金字塔である。この誇らしい社会を取り戻す方策はそれを経験した日本人にしか思い付けない。私は1つだけ具体的で実行可能な提案をする。それは義務兵役制の採用である。別に軍事力強化を願ってではない。民族を守る心、民族をいとおしむ心は広く同胞を愛する心である。今の教育は個人が強調され過ぎているのではないか。とにかく民族を前面に打ち出せないでいる。隣人への愛を義務としての兵役で具象化したい。昨日のTBS TVで「新しい歴史教科書」が相変わらず売り上げランキング第1位であると報じていた。この教科書には民族という視点がある。私だけではなく人々も小中学校の教育にそれを欲しているのではないか。6/21のNHK TV「にんげんドキュメント」を見ていたら最後に来週の予告をやった。熊大病院外科の名物教授の研修生教育を取り上げるそうだ。医家の精神教育が主題だという。人のあるべき姿から逸脱した事件があまりにも目に付く今日、時期を得た企画だと思う。教育を受け取る方がどんな姿勢でいるのかについても十分取材して欲しいと思う。ともかく、人間に向かい合う心の鍛錬を重んじる風潮が少しでも戻ってくることを願っている。

('01/06/24)