
- 私が公開録画に出かけるのはこれで3回目である。最初は大阪中之島で見た「てなもんや三度笠」だった。藤田まこと主演で人気絶頂だった。会社の昼時に合わせて録画をやった。今のような入場券整理などないから行き当たりばったりであった。次が昨年NHKの「ガーデニング」番組で、我が町での収録だったので義理もあって出かけた。今回が掲題の音楽会である。
- 会場の渋谷公会堂に急ぐ。夕刻で暗くなっているのと初めての土地なのとで焦ってしまった。渋谷駅界隈はなるほど国際的空間である。中東人らしい人間が群れて屯しているし、アメリカ黒人らしい大きな人間にもぶつかる。こちらは大抵独りである。それから道行く人々の年齢が若いこと。
- 本日の録画はピアノとピアノ音楽の歴史と言うテーマで司会は毎度の武田鉄矢と加羽沢美濃、出演は第1部が小倉貴久子(ピアノ)、山本宣夫(解説)であり、第2部は木村かをり(ピアノ)、佐野光司(解説)、三輪真弘(作曲)であった。インターネットで調べると出演者はクラシックのピアニストらしいと判って出かける気になった。2人とも中堅のピアニストである。司会の美濃さんは若かったが彼女もピアニストという紹介があった。
- なかなかユニークな解説番組だった。チェンバロから現代のピアノに至る楽器の発達段階に対応してその進歩と競り合うように発達したピアノ曲を古いものから順に約300年分を聞かせるという試みである。ベートーベンにハンマー・クラビールというピアノ曲があって、その第1楽章は当時のイギリス製のピアノでは弾けないと云う話が面白かった。逆に第4楽章はドイツ製では弾けないらしい。何故かというと当時のピアノは6オクターブだったが、その周波数の幅取りがドイツとイギリスでは違っていたからと云う。ベートーベンは両方合わせた多分7オクターブぐらいの広がりの中にこのピアノ曲を作ったのである。俺なら作って見せられると云った自己顕示があったのか。最後の三輪氏の現代作曲は実に面白かった。演奏用プログラムを作り奏者が鍵となる音をピアノに打ち込むとあとは自動演奏される。途中でも随時に音を填め込むことが出来、それに応じて演奏は変化して行く。
- コマーシャルの時間などを差し引けば実際に使う録画は半分ぐらいだろう。特に聴衆に拍手を強要するわけでもなくスムースに収録された。
(2000/02/13)