
- 参議院選挙で敗退したので橋本内閣が退陣するという。敗退と言っても、自民党の得票率は最大だったし、単独過半数でなかったのは選挙前と同じだから、そんな必要はないようにも見える。誰に変わってもやっぱり自民主流の内閣で、今の自民幹部を見ると、そこから、舐めきった外国が急に襟を正して日本を見直す内閣が出来るなどとは思えない。より悪くなると云う危惧さえ抱く。
- 橋本内閣の失敗は経済の読み違えにあった。しかしそれも万国共通である。いったい世界の政権の中で今日のアジア危機日本の不景気を予測して警告した人がおったのか。人間誰しもかも知れないが、皆過去の経済周期の経験で、今に上げ潮になると信じ切っていたのではないか。
- 人民元切り下げ('94年価値は2/3へ)当時円高基調であり、次の年に瞬間風速で80円を切る時期があった。だからアジア各国通貨が相対的に高くなって危機を迎える最初のきっかけは人民元の切り下げなのである。円安が騒がれ出してアジアとの相乗効果が心配され出したのは最近である。だから、今になって日本の経済再起に関する、アメリカと口裏を合わた中国の大国的指導発言は、片腹痛しである。
- 日本の今の政治環境ではたとえ橋本さんに先見の明があり将来予測に対して手を打とうとしても、周りが許すかきわめて疑問である。防衛庁長官が沖縄県政に衆愚政治呼ばわりしたので問題になったが、金融システム改革に関してもその通りであったろう。住専に税金をつぎ込むだけで、どれほどの「正論」が新聞他のマスコミで幅を利かせたことだろう。経済は刻々進む。待ったなしの化け物である。議論を尽くして、それも衆愚相手の議論なのだが、議論がまとまった頃はもう回復不能の重傷に陥っているのではないか。議会の議員さんは大した専門家ではない。1銭2銭の使い方それも利益誘導に血道を上げる人たちが多い議論で回復の好機をどんどん逃がして行くようで腹立たしい。議会は大まかな方向付け以外は行政に口を出さず、優秀な官僚に手腕を発揮させるべきである。専門知識も薄い議員が大臣をやるなどはもう止さねばならぬ。
- 次の総裁が誰であれ、持てる手腕を十分に発揮できる体制をその人に与えたいものだ。天下国家より大事な別物を抱えている小粒議員の意向に左右されないで、真の専門家を大臣に据え、せめて記者会見ぐらいは大臣一人で乗りこなせるようにして欲しい。リーダーシップが発揮できる人がいないというなら、国家のシステムとして可能になるように作り替えたい。首相公選制と行政の独立である。
- どの國でも首相は大抵はその國の超一流大学出身である。橋本さん、小渕さん、梶山さん、小泉さんはそういえる人たちだろうか。記者会見の答弁ぐらいにしか素顔が見えないが、どうもそんな実力を思わせてはくれない。これは選別の機能が十分に有効かどうかに対する端的な疑問である。そうでなければ我が国の政治は悲劇的システムの下にあることとなる。
- 私は低位安定論者である。経済レベルは欧米よりは一歩手前でよいではないか。私の現役最後の時代は世界一の経済大国であったが、それ相当の実力もあった。今はそんな実力は消えて、また欧米に水を空けられているように見える。再び彼らに互して競争できるまで今の現役世代は努力し苦しんで欲しい。昔の惰性でいつまでもアジアそれから世界の牽引車ぶるのは止めて、実力相応に地道に健全財政体制で臨め。実力を無くしているのに一流ぶってアメリカさんの要求する大盤振る舞いなど、昔のままの経済を夢見ると、諸外国は喜ぶが、我々は破産する。現在の経済が正常状態である。
('98/07/23)