8月の概要(2025)
- 日本が主導した第9回アフリカ開発会議は「成長共創」の横浜宣言を採択して終えた。石破首相は来日首脳34人との個別会談をもこなした。23日李在明(イジェミョン)大統領来日、石破首相との会談では「未来志向」で一致した。彼はその足でアメリカを訪問。
- トランプ大統領の仲介でロシア・ウクライナ(+アメリカ)会談の調整が行われている(8/18)が、8月いっぱい進展がなかった。アメリカは「安全の保証に関与する」と表明した。NATOは安全保障枠組みにつき、日本やオーストラリアを含む約30ヶ国で議論されていると表明した。アメリカは派兵の表明をせず保証に対する経済負担もEUに寄りかかる姿勢だから、ロシアは強気に出ているようだ。
- 昨年に引き続いてプラスチック汚染根絶に向けた条約策定に関する政府間交渉が合意に至らなかった。産油国の強欲とアメリカ政権の反発が理由。汚染拡大がまたも野放し状態におかれることになる。
- トランプ米政権は7日相互関税実施を発表した。EU、日本は15%だが、EUには軽減処置(従来関税が15%以上のものには上乗せされない)が適用されるのにたいし、日本にはそれがない。日本政府は合意に反するとしている。光ファイバー、織物、蓄電池などが高負担になる。自動車関税の15%への引き下げも目処が立っていない。急遽渡米した赤沢経済再生担当相は、大統領令の適時修正を取り付けたと云うが、米側に発表はなかった。アメリカの対日差別意識を明確に感じさせる事件であった。インドには主にロシア産石油輸入を理由に25+25=50%の高関税を科した。今後の火種になるはず。
- 敗戦記念日に合わせて戦後80年の総括記事が毎日新聞に出ていた。私には大戦終結により、次々に植民地が独立できたことが、戦後だけでなく人類史を通して世界最高の慶事であったと思う。ガンジーとネールの並んだ写真はその象徴だ。
- ソ連軍侵攻当時の南樺太における朝鮮人虐殺、ドイツ軍侵攻当時のポーランドにおけるユダヤ人虐殺が相次いで毎日新聞の1面に取り上げられた。被侵略地のメジャー民族民~前者では日本人、後者ではポーランド人~が異文化の少数民族民に襲いかかっている。これがヒトの業なのかとおぞましい気持ちでいっぱいだ。
- 7/30am8:25のカムチャッカ半島沖大地震(7月の概要(2025))は当地の火山噴火を併発し、さらにM6を超える、ときにはM7という大型余震を、1日現在までに既に数回起している。
- オーストラリアが、老朽化したフリゲート艦を代替する新型艦に、三菱重工提案の改良「もがみ型」護衛艦を選ぶと発表した。最大11隻9500億円。
- 毎日の8/4夕刊に「ムッちゃん息絶えた防空壕」という記事が出た。1977年初出の内容。誰にも看取られず防空壕で息絶えた孤独の疎開少女の話だ。本名も判らず仕舞いになった彼女の話を今もって忘れられないでいた。「ムッちゃん」は実際の被災児童の話で、私には、「火垂るの墓」(こちらは虚構だが)とともに忘れられない戦災孤児物語だ。原爆の日(広島8/6、長崎8/9)は80回目を迎えた。女子フィギュアスケートの名伯楽・浜田美枝さんの家庭も被災し犠牲を出しており、彼女の母親の手記があると紹介されていた。平和祈念の歌:「一本の鉛筆」は覚えている。歌手・美空ひばりが広島の平和音楽祭で初演したという話が毎日の8/12夕刊に出ていた。彼女の家族は父出征の中で横浜で被災したという。
- 東電の4~6月期最終赤字が8576億円と報じられた。内、デブリ除去のための損失が9030億円という。新聞は経営圧迫に触れていた。
- 首相は、今回の米価格高騰の原因が生産量不足のためと受け止め、減反政策を放棄し、米増産に踏み切ると表明した。米価は8月に入り3500円台の小康状態になった。
- 8月に入ってから各地で猛暑日が続く。5日群馬県伊勢崎市は国内最高の41.8℃を記録した。他方各所で水不足が起こっている。その一方では集中豪雨。21日の毎日トップに「猛暑、よぎるコメ不足」なる記事が、猛暑が精米の歩留まりの悪化をもたらし、早場米4~5千円/5kgの高値をもたらしていると伝えた。国内市場を政治が囲っているから、国内の猛暑の影響まで、まるまる消費者が背負う結果になる。理不尽極まる話だ。コメ市場を世界に開放すべきだ。政府・自民党は従来の農業予算とは別枠で、今後5年間に2.5兆円程度を新対策費に当てることを検討しているという。世界ダントツの政府借金をさらに増やすべきではない。
- 三菱商事らの連合体は千葉・秋田沖の洋上風力計画170万キロワットからの撤退を表明した。入札時より建設費用が2倍以上の水準に膨らみ、将来とも事業としての見通しが立たないという。洋上風力は、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた「切り札」として期待されてきた。
- 化学機械メーカー「大川原化工機」を巡る冤罪事件に対し警視庁総監が謝罪した。滋賀県警本部長が再審無罪の元看護助手(裁判から服役を入れ21年間、当人は45才になった)に謝罪した。
- '23年度の日本の自然科学系国際共著論文の3割が中国との共著で、アメリカとのそれとほぼ同じになった。'81年には6割を占めていた日米共著は漸減し、ほぼゼロだった日中が確実にその割合を増やした。
- 毎日29日の投書欄に「19日の「中身がない民放テレビの放送番組」」への投書3編が載っていた。「中身がない」、まさにその通りだ。ことに「公共電波を使い食べ物番組ばかり」という指摘は、電波独占にあぐらを掻いている民放が、日本の文化に貢献しようともしない姿勢を、端的によく言い表していると思った。さいきんYouTubeに過去製作のドラマがよく出てくるが、現在のドラマと比べての質と量の違いに溜息をつかされる。
- 7/30ダルビッシュ有(パドレス)投手が、日本選手歴代最多となる日米通算204勝目を挙げた。大谷翔平選手が日本人3人目のメジャー通算1000安打を達成。全英女子オープンゴルフに山下美夢有選手が初優勝を飾った。卓球の世界ツアー、WTTチャンピオンズ横浜男子シングルス決勝で張本智和選手が王楚欽(中国)選手に4対2で勝ち、優勝した。第107回全国高校野球選手権大会に、優勝戦で沖縄尚学が日大三(西東京)を3:1で下した。初優勝。
- 釜本邦茂氏死去。日本サッカー史上初の五輪メダル(メキシコ五輪:銅、得点王)の立役者だった。千玄室(せん・げんしつ)氏死去。茶道の国際化と普及に努めた茶道裏千家十五代家元で文化勲章受章者。元特攻隊員。
('25/9/1)