10月の概要(2024)
- 10/19の毎日に「北朝鮮、1.2万人派兵 ウクライナ侵攻に「参戦」 韓国報道」という記事が出た。NHKは「ウクライナ外相 「ロシアは北朝鮮を戦争の当事国に」と非難」と、北朝鮮の兵士がロシアによる軍事侵攻が続くウクライナに投入されるという見方への反響を伝えた。英国国連大使がその懸念を国連安全保障理事会の公開会合で語った。米国も肯定。ウクライナ戦役が三次大戦の前哨戦になる恐れが出てきた。
- EU欧州委員会等は「露、モルドバ国民投票に介入」の声明を出した。相当悪質な介入の模様。投票の結果は親欧米候補が首位だったが、過半でなかったので親ロ派候補との決選投票になる。
- 中国が台湾を囲む6海域で軍事演習を行った。頼清徳総統の「一つの中国」原則を受け入れない演説への対抗と云うが、中国の近隣に対する力による脅しが、ますますエスカレートしてきた。力の行使に踏み切るタイミングを計っているようだ。米加艦隊が台湾海峡を通過し中国を牽制した。中国は直ちに反発。
- イスラエルがレバノン侵攻を開始した。イランは10/1ミサイル180発をイスラエルに向けて発射。26日報復と称するイスラエルのイラン、シリアへの攻撃が行われた。10/6発表:レバノン側死者2000人、ヒズボラ戦闘員440人殺害。報復合戦はどこまでエスカレートするのであろうか。戦闘1年でのガザ側死者は4.2万人。
- レバノン南部に展開する国連部隊がイスラエル軍に攻撃された。国連調査委は、ガザ地区での医療従事者や医療機関に対する意図的な攻撃を、イスラエルの戦争犯罪と指摘した。
- イスラエルは、ハマス最高指導者シンワル氏を17日に殺害したと発表した。
- ロシアの外人部隊の実情が少し判ってきた。プーチン政権は、タジキスタンなどの中央アジア諸国からの移民を大量に、市民権、厚遇提示と管理強化のもと、ロシア軍の契約兵として戦場に送る計画を推進している。既に1万名が前線に送られた。その強化策として、移民法違反での国外追放は上半期で4万になると言う。
- 円安が進行し10/23には152円/$前半となった。米大統領選睨みで不安定化している。トランプ勝利見込みのドル買いが横行。日経平均は307円安の38.1千円。東京メトロ上場、初値35%高。
- 10/1に石破茂内閣が発足した。外務相に岩屋毅氏、防衛相に中谷元氏、財務相に加藤勝信氏、官房長官は留任の林芳正氏らの顔ぶれ。石破、岩屋、中谷の3氏は防衛相経験者。首相は10日中国、11日東アジアサミットへ。
- 自民党本部と首相官邸前で火炎瓶事件発生、人身事故に至らなかった。
- 衆院選(10日解散、15日公示、27日投開票)に、石破首相は裏金43人の比例重複は認めず萩生田氏ら12人を非公認とした。共産党の「しんぶん赤旗」が、自民が「裏金非公認」に2000万を支給したとスクープした。10/24の毎日の終盤世論調査では、自民は過半を割り、自公で過半が取れるかの攻防となっているという。国民・維新は自公との連立はないと明言した。
- 衆院議員選挙開票結果:自公合わせて215で過半の233に18議席不足。石井代表(埼玉14区)が落選し、公明は党の立て直しが急務になった。裏金関係の候補者は結局17勝27敗になった。立憲50増、国民4倍。しかし維新が加わっても214で過半に達しない。維新は大阪以外では退勢で全体としては縮小した。今後は政局は不安定になるだろう。メディアは、第3党の維新ではなく、第4党の国民民主がキャスティングボードを握るという。
- 玉木代表は「部分連合」を掲げ、両睨みの姿勢だから、漁夫の利で、玉木首班の可能性すらあるとしている。今回示した国民の選択の基本は政権の交代だろう、自公に色目を使えば国民民主の政策目標の一部は実現するだろうが、大筋を外すと選挙民を落胆させる。国民の納得する政治姿勢を期待したい。国民民主の成功には、都知事選で石丸候補が示したSNS戦法の活用があるという。
- 東北電力の女川原発2号機が再稼働した。米IT大手が小型炉原発開発の支援に乗り出した。背景に最近注目されだしたAIの電力爆食いがある。我が国の原発事業が進まない理由の最大の問題は、国内では不安定地質構造のため放射性廃棄物の永久保管が危ぶまれるからだが、そのための国家戦略は、地盤安定大陸国に地下保管庫を設けることだ(「サイエンス・ネクスト(第3、4部)」('18))。難しい外交になるとは思うが、成功すれば人類の将来に希望の灯がともる。
- 卓球アジア選手権女子団体戦で日本(張本、伊藤、平野)は中国(王、孫、陳)を下し優勝した。プロ野球クライマックスシリーズにソフトバンク(パリーグ)とDeNA(セリーグ)が勝ち上がった。米大リーグのワールドシリーズ(WS)で大谷翔平選手、山本由伸投手が所属するドジャースがヤンキースを破り、今年の覇者になった。
- 10/1東京医科歯科大学と東京工業大学が統合し、東京科学大学が設立された。
- 10/23毎日の日本の選択(衆院選2024)に、公立中高での教職員不足が深刻化している現状のレポートが出た。負担増加に、外国籍児童、発達障害児、複雑化するいじめ、「モンスターペアレント」対策、授業コマ数増加などが上がり、教員が多忙で「ブラック労働」者化し志望者が減り、それが生徒にしわ寄せされている。私は、戦後の政治で、政治主流になった保守系が進歩系の多い教職員を目の敵にした過去が、日本の教育を歪めた点を指摘してよいと思う。
- 大学や研究機関での研究者雇用環境が悪化している。同じ研究室での研究生活が10年(改正労働契約法での無期雇用への転換申し込みの権利の発生期限)を前に雇い止めされるケースが、理系研究者8人に1人という高い割合になっているという。背景に、競争的研究費の増額の代償のような、人件費の原資となる運営費交付金の削減がある。研究もトップは激烈な競争社会。本当に残れるのは一握り。しかし広く深い研究の裾野がなければ、その一握りも実力を発揮できない。昔は、教授の資格の一つは、はみ出た弟子の再就職手当の能力であった。しかし人事権が次第に政治・官僚に吸い上げられて、トップが持つべきその機能は、いまは限定的になっているだろう、10年近く勤めたあげく、はみ出たら収入ゼロの世界が待っているのでは、博士コースなど人気がないのは当然だ。ここ何年も日本にノーベル賞ゼロの状態が続く理由の一つだろう。
- 今年のノーベル生理学・医学賞に、ヒトの遺伝子の働きを制御することができるマイクロRNA分子を発見したアメリカ・マサチューセッツ大学のビクター・アンブロス教授ら2人が選ばれた。物理学賞に、現在のAI=人工知能の技術の中核を担う、「機械学習」の基礎となる手法を開発した、アメリカのプリンストン大学のジョン・ホップフィールド教授と、カナダのトロント大学のジェフリー・ヒントン教授の2人が選ばれた。化学賞は、タンパク質構造予測にAIを活用する道を切り開いた米ワシントン大デービッド・ベイカー教授、米グーグル傘下ディープマインド社デミス・ハサビス(「アルファー碁」開発者)&ジョン・ジャンパー氏に決まった。文学賞は韓国のハンカン(韓江)氏。経済学賞は国家間の格差研究に対し、MITのダロン・アセモグル教授とサイモン・ジョンソン教授、それにシカゴ大のジェームズ・ロビンソン教授の3人に贈られた。
- 平和賞は日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)に贈られた。被団協はビキニ環礁での水爆実験被害を契機に、鮮魚商から上がった声が起点になってつくられた(毎日新聞の余録10/12)。原爆投下から79年で、被爆者の高齢化が進み、記憶の継承が課題になっている。受賞は遅すぎた。ウクライナへの原爆をちらつかせるロシアの脅しで、ノルウェーのノーベル賞委員会メンバーも目が醒めたのであろう。
- 「ドラえもん」26年の声優・大山のぶ代さん死去。「おんな太閤記」「釣りバカ日記」など幅広く活躍した俳優・西田敏行さん死去、76歳だった。美術評論家、元大原美術館館長、元国立西洋美術館長、文化勲章受章者の高階秀爾氏死去。
('24/10/31)