4月の概要(2024)

韓国総選挙で最大野党が勝ち、対日融和に積極的だった尹(ユン)大統領が、今後レームダック(死に体)化するのではないかと心配されている。ただ大統領の弾劾や憲法改正を進めるのに必要な200議席には達しなかった。
AUKUS(米、英、豪安全保障枠組み)に日本との協力が、この3ヶ国国防相間で討議されている。AI関連への期待という。日本には軍事機密情報保護上問題があり、加盟はさせないという。岸田首相が国賓待遇で訪米、日米の同盟関係の「前例のない高み」を共同声明で唱った。円急落で17日153円台後半、26日日銀低金利政策維持を表明、26日NY相場は158円台で34年ぶりの安値。
毎日27日の「追跡」は経済面での米欧の保護主義の台頭を報じた。中国BYDのEV安値攻勢はめざましく、世界のEV市場が中国製品に制覇される恐れが現実味を帯びだした。中国政府から多額の補助金を得ている中国企業がEU内の太陽光パネル市場を席巻し、欧州企業の多くを廃業に追い込んだ歴史が紹介されていた。私は、二次大戦の一因になった対日本経済制裁が、日本の安値輸出への、「安い」労働賃金を理由とするパッシングからであったことを思い出す。自由化を唱いながら「理屈」をつけて「出る杭」を打つ姿勢は相変わらずだが、今の世で、中国に通じるかどうか疑問に思う。
毎日のCUクローズアップは戦闘半年でガザに3.3万人の死亡が出たと報じた。食料運搬のNPOの米英系7名がドローン攻撃で死亡し米国を硬化させている。4/11の毎日にガザ南部の「地獄絵図」が報告された。23日にガザ南部病院・集団埋葬地から310遺体が回収された。イスラエル市民のハマス支持市民皆殺しの潜在意識があちこちに見え隠れする。
シリアのイラン大使館が空爆を受け、イラン革命防衛隊の幹部らが死亡した。イスラエル空軍による攻撃とされる。殺戮兵器性能の異常な進歩の中でのイスラエルの好戦姿勢には世界破滅の不安を覚える。イランは本土より350発のミサイルとドローンによる直接報復を行った。さらにホルムズ海峡封鎖を示唆。原油輸送が停まれば世界経済が震撼する。イスラエルは報復への報復攻撃を行ったが、規模は控えめであった。
北朝鮮の超音速ミサイル発射実験が成功した。
アメリカ下院が年末来滞っていた対ウクライナ軍事支援9.4兆円を可決し、砲弾不足で劣勢のウクライナが一息つけることになった。トランプ共和党次期大統領候補が支援消極姿勢を打ち出す中での共和党議員の投票が注目されたが、半数が賛成した。
台湾花蓮沖深さ15.5キロでM7.2の地震が発生した。花蓮の震度は6強。フィリッピン海プレートが沈み込む地域で、琉球海溝との関係は東日本大震災での日本海溝との関係によく似ている。このHPに「花蓮」('09)がある。
豊後水道海面下39kmの、フィリッピン海プレートが、大陸プレートとの南海トラフ帶の境界線をくぐり過ぎた深い位置を震源とするM6.6の地震があった。愛媛県愛南町高知県宿毛市などでの最大震度6弱を記録。
18〜22年の合計特殊出生率は日本平均が1.33、最高は鹿児島県徳之島町2.25、最低は京都市東山区0.76だった。花の京都の外国人観光客ブームが報道された。人口戦略会議が24日、全自治体の4割(744)が'50年には「消滅可能性自治体」化すると発表した。京都市は東京都の特別区や大阪市と共に、人口流入依存の「ブラックホール型自治体」とされた。これは今に始まったことではなく、江戸時代に既にその傾向が見られると歴史人口学者は指摘している(鬼頭宏:「人口から読む日本の歴史」、講談社学術文庫(2000))。
ミャンマーのロヒンギャー「難民」受け入れ緩和を主張する毎日の「記者の目」を見た。世界中で今も異文化圏難民あるいは移住民と在来文化圏民の間に摩擦が起こっている。英国の不法移民のルワンダ移送が話題になったばかりだ。それに対する解決策なしに、緩和だけを先行するなどもってのほかだ。例えば宗教問題。ガザを見るまでもない。彼らはイスラム教徒という。一神教徒の宗教不寛容性は、多神教徒の理解の外にある。我ら仏教徒は歴史的にはごく短期間で神道と合い和した。彼らにそんな生やさしい融合を期待するのは愚かなことだ。不寛容性のキバが、彼らが一定勢力に達したあと、どちらを向くか歴史が教えている。この記者はどんな提案を持っているのか。別途の「(世界に)忘れられた」スーダン内戦の記事では、避難民が830万人(総人口の1/6)に及ぶという。この記者は彼らも一挙に受け入れよと云うのだろうか。
我が国の2月経常収支が2.6兆円の黒字で、13ヶ月連続黒字となった。貿易赤字が5.8兆円(過去最大の前年度が22,6兆円)に減少した。訪日客がこの3月に、単月でははじめて、300万人を超えた。一方実質賃金は前年同月比1.3%減で23ヶ月マイナスが続いている。春闘結果が出るのはまだ2ヶ月は先のことだろう。
毎日のコモンエイジに、国の地方振興交付金で地方自治体が決済大手PayPayと組んで、地域商店からの購入に20%のポイントをつけるサービスの例が紹介された。サービス期間だけつまり交付金期間だけの一過性の振興になる恐れがある。根源策にならない。都会の税金の地方バラ撒きと受け止められる。
子育て支援金('26年より徴集)が年収600万円に対し月1000円となる。
毎日新聞が継続的に調査している在日米軍機の飛行実態が纏めて報告された。まるで首都圏一帯が米軍機の訓練場化している。首都圏上空の管制圏が外国軍隊に握られ、訓練場化している。主権国家として異常な事態である。
川勝静岡県知事が辞任を表明した。失言が多く、リニア中央新幹線静岡県分着工不承認で計画を挫折させた。
政治資金パーティー裏金事件議員39人の自民党処分が発表された。共に阿倍派の塩谷立(衆議院比例代表東海ブロック)・世耕弘成(参議院和歌山選挙区)氏には離党勧告、やはり阿倍派の下村博文(衆議院東京11区)・西村康稔(衆議院兵庫9区)・高木毅(衆議院福井2区)氏には党員資格停止1〜半年、阿倍派の松野博一(衆議院千葉3区)・荻生田光一(衆議院東京24区)・山谷えり子(参議院比例代表)・堀井学(衆議院比例代表北海道ブロック)・三ツ林裕己(衆議院埼玉14区)・橋本聖子(参議院比例代表)・二階派の武田良太(衆議院福岡11区)・林幹雄(衆議院千葉10区)・平沢勝栄(衆議院東京17区)各氏は党の役職停止1年。
半年間の「党の役職停止」は安倍派の8人で衆議院議員は、衛藤征士郎(大分2区)、小田原潔(東京21区)、菅家一郎(比例代表東北ブロック)、杉田水脈(比例代表中国ブロック)、中根一幸(比例代表北関東ブロック)、宗清皇一(比例代表近畿ブロック)、簗和生(栃木3区)の各氏、参議院議員は宮本周司(石川選挙区)。「戒告」は安倍派の17人で、衆議院議員は大塚拓(埼玉9区)、尾身朝子(比例代表北関東ブロック)、柴山昌彦(埼玉8区)、関芳弘(兵庫3区)、高鳥修一(比例代表北陸信越ブロック)、西村明宏(宮城3区)、細田健一(新潟2区)、吉野正芳(福島5区)、和田義明(北海道5区)の各氏。参議院議員は岡田直樹(石川選挙区)、加田裕之(兵庫選挙区)、末松信介(兵庫選挙区)、羽生田俊(比例代表)、堀井巌(奈良選挙区)、丸川珠代(東京選挙区)、山田宏(比例代表)の各氏。
汚い政治の実情が、かっての大正デモクラシーがそうであったように、清潔を唱う強権へのあこがれに変わることを怖れる。民主主義は今世界では退潮期に入っている。彼らを選んだ選挙民は、次回には襟を正して投票するように願いたい。
衆議院3補選(東京15区、島根1区、長崎3区)は自民全敗、立憲民主完勝だった。保守の金城湯池であった島根で自民が立憲に大差で敗れた。
公取委はグーグルに、そのLINEヤフーに対する取引制限に、独禁法「確定手続き」を適用し行政処分を科した。グーグルのモバイル端末向け検索エンジンの国内シェアは82.5%で、独占に近い位置にある。
新潟地裁で、旧昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)に対し新潟水俣病(メチル水銀中毒症)への賠償命令が下った。
小林製薬の健康食品「紅麹コレステヘルプ」による被害が広がった。死亡者も出た。青カビから発生することがある「プベルル酸」という物質が原因とされる。製品中に含まれた経路などは明らかになっていない。腎臓は「ファンコニー症候群」を呈している。
毎日新聞の連載特集記事「神への挑戦 第2部 生命科学」は、4/4にiPS技術により皮膚細胞の若返りを施す治療が米ターン社で臨床実験段階にまで進んでいると報じた。4/18の熊本大三浦恭子教授の研究紹介では、アダカデバネズミの異常な長寿が老化細胞を自爆させるしくみから来ると説明されていた。25日には、京都大高島准教授のiPS細胞によるヒトの「胚モデル」が、生命倫理ルール限界まで培養できていると報じた。中国科学院はサルの胚を人工子宮で臓器の形成段階まで育てた。胎児が子宮内で発育するプロセスは未だ解明されていない。京都大も臓器作製を目指す。30日には「死の概念変えるクローン」の題名で、UAEに渡った韓国研究者の仕事を紹介していた。彼は元ソウル大教授でヒトES細胞作製で著名になったが、捏造とされ('06年)、研究の表舞台から消えていた。
特集記事「熱狂ヒュージョン」は、安徽省合肥市の研究センターを紹介していた。中国科学院の核融合実験装置「EAST」のプラズマ運転が、昨年、世界記録となる403秒の安定高出力を出した。ほかに超電導磁石、核融合反応実験装置、小型核融合炉開発設備など、習主席の「イノベーション大国」をめざす大型設備が並ぶという。
緒方芳子氏に猿橋賞が、また望月新一氏らに論文賞の「IUT革新者賞」(賞金10万ドル)が贈られた。共に京都大数理研教授。緒方氏の専門は量子統計力学で、受賞テーマは「量子多体系の数学的研究」。望月氏らテーマは、証明の成立不成立で国際的沸騰を起こした「ABC予想」関連理論。
藤原定家直筆の「古今和歌集」注釈書が京都の旧公家・冷泉家で発見された。国宝級という。
ドジャースで活躍する大谷翔平選手の元通訳が24.5億円の巨額銀行詐欺容疑で訴追された。大谷選手の口座から無断で引き出していた模様。彼はギャンブル依存症という。毎日新聞のコラム「余録」は、日本のギャンブル依存症の深刻さと、それにも拘わらず事業としてカジノを含む統合型リゾートを推進するグループに触れ、危険増大に警鐘を鳴らした。その大谷選手が21日メジャー通算176号ホームランを打った。日本選手最多記録更新。
バドミントン男子シングルスで元世界ランキング1位の桃田賢斗選手(29、NTT東日本)が、日本代表を引退した。絢爛たる戦績を上げながら、オリンピックの金メダルには無縁であったのが惜しまれる。
ハワイ出身で後に日本に帰化した元横綱・曙太郎氏死去。謙虚な姿勢で日本人以上に日本人だと評された。外国出身初の横綱だった。

('24/4/30)