11月の概要(2023)
- アルゼンチン新大統領にミレイ氏が選ばれた。中国主導の「一帯一路」に反対、中ロ主導の「BRICS」参加にも反対の極右という。
- 10/31イスラエル軍地上部隊がガザ市街地に侵攻、首相は停戦を拒否。ガザ難民キャンプが空爆された。死者累計は双方合わせて1万人を超えた。11/4の毎日はガザ市が包囲され市街戦が激化していると報じた。イスラエルは9日ガザ1日4時間の戦闘休止と人道回廊2ヶ所の設置を認めた。病院への攻撃による患者や治療関係者の被害が報告され、15日、やっと安保理の戦闘休止決議が出た。
- 地下トンネル攻撃というイスラエル軍の病院攻撃が毎日のように報道され、患者と医療関係者の被害が発生している。20日にはインドネシア病院(インドネシア寄付)が攻撃された。私はベトナムで見学したゲリラ側のトンネル網を思い出す。アメリカ軍もフランス軍も跳ね返せなかったトンネル作戦をイスラエル軍は突破できようか。17日イスラエルはガザへの人道支援物質の「無制限」搬入を認めると発表した。22日ハマスが人質50人を開放するのと交換に、ガザは4日間休戦する。さらに2日延長。
- 19日、紅海航行中、日本郵船チャーターの自動車運搬用イギリス船(イスラエル実業者支配)が、イエメンの大半を支配するシーア派武装組織フーシ派によって拿捕された。
- 北朝鮮が軍事衛星の発射に成功した。第2段ロケット残骸は沖縄南方EEZ外海域に落下した。29日米軍オスプレイが屋久島沖で墜落した。
- マニラで日比首脳会談があり、OSA(国家安全保障戦略に基づく無償資金協力)として比軍へレーダーを供与することが決まった。最近の常態化した中国の日本領海侵入や、南シナ海における中国艦艇の比補給船との衝突など、中国側の意図的とも思える領海拡大策に対抗する。また日豪は、有事想定のもとに、防衛協力を「準同盟」関係へ深化させつつある。
- 習国家主席とバイデン大統領の米中首脳会議がサンフランシスコで開催された。毎日のCUは「米中覇権争う余裕なく」という題で首脳会談を論評した。次の日16日、日中首脳会議。習主席には日本に向けては今まで「頭ごなし」的発言が多かったが、それが幾分柔らかくなったかという印象。
- インド太平洋経済枠組みIPEF(14ヶ国)が1年半で気候変動対策の促進や汚職防止など2分野で実質妥結した。貿易分野は積み残しのまま。
- 10/31のNY外国為替市場で一時151.7円台の円安が記録された。11/1の国際長期金利が0.970%と10年ぶりの高水準を示した。上半期(4〜9月)の経常黒字が12.7兆円と見込まれ、前年同期の3倍に達した模様。円安で貿易収支が1.4兆円の赤に縮小した、前期は9兆円の赤。
- 政府は17兆円台前半の経済対策を閣議決定した。大半は赤字国債で、財政悪化が加速される。厚労省は所得410万円以上の高齢者の介護保険料を引き上げる一方、低所得層を減額する方向で検討に入った。
- 賃上げ平均が今年は過去最大の月9437円になったが、実質賃金は18ヶ月連続で低下し続けている。企業の内部保留や現預金は急増し、前者は555兆円と11年末に比して約2倍になった。日本経済にとって「生きたお金」になっていると言えない。法人税率上げが検討されている。東証上場企業の9月中間決算での最終(当期)利益の合計は、過去最高水準となると言う。製造業は17.6%、非製造業は9.8%の上昇という。
- 旧統一教会との親密関係が指摘されてきた自民の原田氏が、旧統一教会肝煎りの日韓トンネルのトップに就任し、'23年の叙勲受賞者に選ばれた。
- 11/6の毎日は、過去10年間に280の市町村で外国人が2倍あまりになったと報じた。年観光客200万の金比羅さんの町・琴平では、旅館やホテルに南アジアの技能実習生が11倍の194名になった。国としての受け入れ総数は約300万人。
- 新型コロナ禍時に、中小企業対象のゼロゼロ融資が20兆円弱実施された。11/7時点で、697億円が回収不能(会計検査院)、さらに実質不能分を合わせると1900億円余りが回収不能となっている(NHKニュース 11/7)。WindowsのCopilot(11/8)では、コロナ支援資金の回収不能や困難な額は、少なくとも1.7兆円以上(引用文献あり)になると推測できるとあった。コロナにかこつけた、最終的には全額国民の負担になる、公共性には疑問の多い、私企業への甘い経済政策だった。
- 国際卓越研究大1号となった東北大の目標が毎日に出た。25年目に博士課程学生数2.3倍、論文数3.5倍、知的収入9倍とある。25年前の先進国の国立大学で、こんなべらぼうな急発展を成し遂げたところがあるだろうか。少子化の中で日本の有能研究者とその卵を東北大に集中させるつもりなのかと問いたい。それとも海外研究者頼みなのか。見え透いた打ち上げ花火を上げないと通らない10兆円ファンドなど、いよいよ馬鹿げた施策だ。
- 毎日の「気候革命」に、新潟のコシヒカリの一等米比率の低下が取り上げられていた。昨年は80%だったのが、今年4.3%だという。高温耐性品種普及が急務だが、農家は自力でそれを達成する覚悟がいる。赤字累積一方の政府に負んぶする姿勢では、いずれ破綻する。
- 国立科学博物館のクラウドファンディングが成功し、目標の1億円に対し9.2億円が集まった。それにしても国立の博物館が標本の蒐集・維持管理の1億円を国から支給されないとはと思う。たったの1億だ。経済政策としては、岸田内閣は厖大な赤字財政にも拘わらず派手なバラマキをしている。「文化より経済」の大阪地方政権批判は「10月の概要(2023)」で行ったが、中央政権もまさに「文化より経済」であることを残念に思う。19日の毎日に、大阪の地方公務員に、上からの、「強制」が疑われる阪神とオリックスのパレード・ボランティアおよび寄付金募集が出ていたことが報じられた。
- 毎日の11/10の「余録」に、今回は神田副財務相(愛知5区選出)(11/8週刊文春暴露11/13更迭)であるが、先月、法務副大臣と文部科学政務官が相次いで辞任している、それでいて「適材適所」「任命責任」を繰り返す岸田首相への苦言がでていた。13日のNHK世論調査では、岸田内閣支持率が29%で 発足後初めて30%下回った。
- 京都府八幡市長選では川田翔子氏(33歳)(無所属=自民、立憲民主、公明推薦)が初当選した。女性市長としては史上最年少となる。次点の尾形賢氏(43)は2千票あまりの差をつけられていた。しかし日本維新の会新人としての出馬で関西における日本維新の会の勢力進出を見せつける結果でもあった。毎日の14日版は「読む政治」欄で、この1年の維新の躍進を10年が勝負と分析していた。東京都青梅市長選では大勢待利明氏(48歳)(無所属=国民民主、都民ファースト推薦)が初当選した。
- ソフトバンクGが、投資を継続してきた米ウィーワーク(シェアオフィスの大手)の破綻が主因となって、全体の最終(当期)損益を1.4兆円の赤字とした。孫氏の(直感的と評される、周囲の反対を押し切っての)積極投資が裏目に出た。ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)を通じての、米国中国韓国などのAI関連事業への投資でも巨大損失を被っている。総従業員数は6万を超える。企業体は資本だけのもののような姿勢は時代遅れだ。Gの独裁的雰囲気は将来を暗くしているのではないか。
- 先月下旬、新型コロナ感染者数が減少し、代わってインフルエンザ感染者数が急増していたが、下旬に入って減少し始めた。
- 11/28の毎日の特集記事「ニッポン再生」に、半導体製造施設への巨額補助金が取り上げられた。かって日本は世界の5割強を供給した半導体強国だったのに、今では1割にそのシェアを落とした。世界の微細加工の先端が線巾3nmなのに日本は汎用品用の40nmしか作れない。シエア5割強であった時代に書かれた野々垣三郎:「微細加工とレジスト」、共立出版('87)を読み返すと、技術開発の方向が既にきちんと出ているのに、競争に負けたとは残念な話だ。もう一つの問題はロジック開発での出遅れだとあった。目先の追求にうつつを抜かしている間に、世界の大局がメモリー半導体からロジック半導体へ転換してしまったと云うことらしい。
- 11/29の特集「神への挑戦 第1部 AI」に、GPT4によるキャプチャ認証突破成功実験が示されていた。キャプチャ認証はコンピュータをサイバー攻撃を守るロボット排除の方法で広く使われている。自律型のAIが出現し、ヒト社会を支配する可能性を予想せねばならなくなった。
- 後期に入ってから芸能界がスキャンダラスな重大トラブルで揺れている。一つはジャニーズ事務所創業者の性的加害(男色)事件、二つはタカラジェンヌの飛び降り自殺事件(「第三者」検証ではハラストを認めなかったが、検証組織は劇団依頼のメンバーによるもので、遺族側の検証者はおそらく入っていなかったろう。18日の毎日に、外部調査弁護士事務所に宝塚運営の阪急系役員が所属していると指摘していた。「第三者」に常に出てくる問題点だ。)。
- 米大リーグ・エンジェルスの大谷翔平選手が、大リーグ史上初となる満票2回目のMVP受賞を果たした。プロ野球日本シリーズは全7戦を戦い、阪神が4:3でオリックスを下し優勝した。アジアプロ野球チャンピオンシップ決勝はタイブレークまでもつれたが4:3で日本が韓国を下した。
- フィギュアスケートGPシリーズ第5戦のフィンランド大会シングル男子では三浦佳生選手が、女子では坂本花織選手が優勝し、ともにGPファイナル進出(全6名出場)を決めた。最終戦のNHK戦では鍵山優真選手3年ぶりに優勝、2位の宇野昌磨選手とともにファイナル出場を決めた。スピードスケートW杯第2戦(北京) 女子1500mに高木美帆選手が第1戦(帯広)に続き優勝。大相撲九州場所に大関・霧島(モンゴル出身)が優勝(今年の春場所以来の2回目)。125場所中100場所にモンゴル出身者が優勝した。ゴルフ賞金王男子は中島啓太、女子は山下美夢有の両選手。
- 島根選出11期前衆院議長・細田博之氏死去。旧統一教会と接点があった政界大物の一人だった。創価学会名誉会長・池田大作氏死去(95歳)。創価学会会員数を60年の会長就任時の140万世帯から827万世帯('22年)に増やした。公明党の結成に尽力した。宗教界、政界、言論界に影響力を発揮し民間親善外交にも勤めた。信徒としての一線を越える行為が咎められたのであろう、'91年に日蓮正宗が創価学会を破門、'92年には池田氏が除名になったことを記憶している。ニクソン政権下の国務長官で、ベトナム戦争平和への貢献でノーベル平和賞を取ったH・キッシンジャー氏が死去した。
('23/11/30)