6月の概要(2023)
- 両陛下がインドネシアを訪問。即位後初の親善外遊で、今後も積極的に取り組まれるらしい。インドネシアとは友好関係が長年成立しており、ホットな対立問題がない国なので無難な選択である。私は友好関係が今もって不確かな韓国が、陛下の次回訪問先にふさわしいと思う。
- 中国都市部の若者(16~24歳)の失業率が20.8%となり、記録が確認できる'18年以降の最悪となった。中国の大学統一入試「高考」に過去最多の1290万人が受験した。その過熱ぶりの背景の説明に、有力大学卒でないと将来の道が険しい事情が解説されていた。
- 我が国国立研究開発法人・産総研の中国人研究者が研究データを中国企業に漏らした疑いで逮捕された。6/20の毎日は、中国で高級果樹が無断栽培されている状況を報じた。日本の「シャインマスカット」、台湾の「金鑚パイン」「マンゴーパイン」。Google Bardの情報では、日本のリンゴ、イチゴ、メロン、トマトも無断栽培されているという。
- 毎日6/22のオピニオンに、中国からのYouTubeなどを使った「沖縄独立」さらに「中国への復国」を目的とする中国の統一的フェイク情報工作の紹介があった。沖縄がそれを望んでいるかのような表現だそうだ。7月に反基地の沖縄県知事が訪中するという。沖縄は月末既に新型コロナ感染第9波に突入。
- EU 5G市場で米国にならって中国企業排除へという記事が出た。中国は今までの自由圏諸国の「自由」を最大限活用して今日に急成長した。だが今後は(ことに軍事力背景に)、「自由」が前提とする世界ルールに身勝手な姿勢を取る国・人は、孤立化の道を辿らねばならぬ。自由圏諸国は、その標的のトップが中国であると理解している。
- '22年度論文貢献度で中国が初めて世界1位になったとネイチャー誌出版社系の調査機関が発表した。日本は5位。研究機関別では中国科学院1位、ハーバード大2位、マックスプランク協会3位。東京大18位、京都大44位、大阪大74位。
- ウクライナのロシア軍占領地のドニエブル川下流のダムが破壊された。事件以前からのダムの衛星写真や爆破時の地震計観測などが報じられた。決壊ダムからの噴流を示す写真が新聞に掲載された。下流農村地帯が浸水し川の西側で東京23区匹敵のほどの広さ、ロシア占領の東側ではその数倍の浸水被害が予想されている。ウクライナ軍の反転作戦を妨害する破壊工作と思われる。ロシアは西側のウクライナへの武器援助に遠因があると主張している。盗っ人猛々しいという表現がぴったりと思える発言だ。
- 決壊後1週間ほどの間に、ウクライナ側の、東部ドネツクを中心とする反転攻勢とその成果が次々に報告されるようになった。6/14の毎日に、双方軍備の比較が出た。ロシア軍が全兵力をウクライナ戦線に投入することは出来ないにせよ、ロシア軍の兵力は圧倒的である。
- 6/25ロシアの民間軍事会社「ワグネル」がロシア国防軍と戦闘状態に入り、プーチン大統領が「反乱」鎮圧を指示した。ワグネルはウクライナに5万人(うち4万人が囚人)を展開しているという。最近ワグネル創設者・プリゴジン氏と国防省との摩擦が再々報道されるようになっていた。この反乱は1日で終息した。仲介者はベラルーシの大統領で、ワグネルのモスクワ進軍はあと200kmをのこして停止した。プーチン大統領は「反乱」を取り消し、プリコジン氏はベラルーシに滞在すると報道された。6/27ロシアが一転「反乱捜査継続」という記事が出た。ワグネル軍の蜂起非参加者はロシア軍と契約を結べるようになるという。6/30の毎日には、ロシア軍ウクライナ戦統括スロビキン副司令官が逮捕されたらしいと報道した。
- イギリスで開かれていたウクライナ復興会議で、参加国などが表明した支援総額は総額600億ドル、日本円で約8兆5000億円に達した。
- 北朝鮮が予告した軍事偵察衛星の発射が31日に行われたが、エンジン異常で黄海に落下した。
- 少子化対策に3.5兆円が準備されることになった。財源は国民に追加負担を掛けないとするが、今国会でははっきりさせなかった。'22年の合計特殊出生率は1.26と過去最低を記録した。出生は78万、死亡は157万(戦後最多)。
- 防衛増税は先送りされ25年以降可能とした。性的少数者への理解増進を目的とする「LGBT法」と、性暴力被害の実態に合わせて性犯罪規定を見直した改正刑法と改正刑事訴訟法が成立した。
- マイナンバーの利用範囲拡大の改正法が成立した。健康保険証のマイナ保険証一本化が'24秋年に実現する。しかし公的給付金の受取口座ヒモ付け登録に、大量の間違いが発見され、その対策にデジタル庁が追われている。
- 原発の60年超運転を可能にする「GX脱炭素電源法」が可決された。
- 岸田政権の「資産所得倍増プラン」で、高校などへの金融教育が注目されている。このHPに「高校生の経済学」('08)に、アメリカの高校での実践的な経済教育が紹介してある。将来設計の中に自己責任部分を増やす方向は、社会の厳しさを自覚し独立心を涵養するのにも好ましいと思う。
- 台風2号が沖縄から北東へ方向を転じ太平洋に沿って移動し、3日夜温帯低気圧になった。太平洋岸に線状降水帯を発生し、交通を止め、河川土砂災害をもたらした。
- 毎日の6/12夕刊のトップに、世界初「歯生え薬」治験へという記事が出た。入れ歯、インプラントに次ぐ選択肢に成長する可能性があるという。研究チームの筆頭は北野病院の高橋克歯科口腔外科主任部長で、道筋は京都大時代に見え始めたとあった。
- トヨタが'27~'28年実用化を目指したリチウム全固体電池を発表した。EVは現行のリチウム液体電解質電池に比べると約2.4倍の航続距離が得られるという。固体電池開発は日本が先行している。日産Gは'28年に実用化、ホンダは'20年代後半に目標を置く。トヨタ~パナソニックEV電池強化に最大1178億円の補助が国から供与される。蓄電池は国の「特定重要物質」で、日本の車載Liイオン電池世界シェアは'15年の50%強から'20年には20%へ低下している。ホンダ~ユアサには既に最大1587億円の関連補助が決まっている。
- 官民ファンドの産業革新投資機構が、フォトレジスト大手(世界シェア首位)のJSRを約1兆円で買収する方針を固めた。JSRは祖業の合成ゴム事業を売却するなど、事業の見直しを進めている。政府は、半導体受託製造の台湾企業TSMCを熊本に誘致し、次世代半導体新会社ラビダス支援など、かっての「電子立国日本」(「日本型モノづくりの敗北」('13)、「サイエンス・ネクスト(第3、4部)」('18)、「科学技術立国のたそがれ」('20))の中心であった半導体事業の再建に積極的である。
- スイスの国際経営開発研究所IMDの'23年版世界競争力ランキングで日本は世界35位に下がった。調査発表が始まった'89から4年間は日本がトップだった。その頃の我らは「働き中毒」とか「企業戦士」とかの表現でメディアからは叩かれていた。私には「ぬるま湯」を選択した結果と思われてならない。月末の為替相場は円安がさらに進み145円/$をつけた。
- 関脇・霧馬山が大関に昇進し、名を霧島と改めた。全仏オープンテニス混合ダブルスで、加藤未唯(ザイマックス)ティム・プッツ(ドイツ)組が優勝した。昨年は柴原瑛菜(橋本総業)がオランダ選手とのペアで制した。車いすの部男子シングルスに小田凱人選手が優勝した。17歳で最年少制覇。それにしても名付け親は、そろいもそろって、未唯(みえ)、瑛菜(えな)、凱人(ときと)と読みづらい漢字の名前を授けたものだ。私のPCの辞書ATOKでは音読みでも訓読みでも括弧内の読みは出てこない。
- プロ野球セ・パ交流戦はパ54勝、セ52勝、引き分け2。4チーム同勝率の中、DeNAが優勝した。2冠の巨人・岡本選手がMVPを獲った。ボクシング世界タイトル戦スーパーフライ級で井岡一翔選手が勝ち新王者となった。日本男子世界戦最多の21勝目であった。
- 将棋の藤井王将が渡辺名人を4:1で破り、最年少名人の7冠(竜王、王位、叡王、棋王、棋聖、王将、名人)となった。第25回上海国際映画祭で、菊地凛子主演作「658km、陽子の旅」が最優秀映画賞、最優秀脚本賞、最優秀主演女優賞に輝いた。ジャクソン国際バレエコンクールで徳彩也子さんと佐々木嶺さんが金賞を得た。
- 「御宿かわせみ」の平岩弓枝さんが91歳で亡くなった。約70年の歴史を持つ、戦後の新劇ムードを牽引した、俳優座劇場が'25年に閉館されることになった。ウシオ電機創業者で元同友会代表幹事の牛尾治朗氏死去。
('23/6/30)