9月の概要(2022)
- 上海協力機構首脳会議(中、ロ、インド、パキスタン、カザフスタン等)が開催された。平行してプーチン―習会談が行われた。
- 9/21ウクライナのロシア領隣接の4州のロシアへの編入を問う住民投票が、主権国家機関不在のロシア占領域で実施され、編入が圧倒的多数で支持されたと発表された。ロシアは編入を承認した(9/30)。以後ロシアはウクライナ戦がロシアの国家防衛戦だとするだろう。プーチン・露大統領が予備役30万人の動員と核使用を排除しない姿勢を表明した。最近の軍事的劣勢を意識しながら、あくまで領土を力でもぎ取る強硬態度を示したと受け止められている。ロシア内の反動員運動が報じられている。ウクライナ戦の終結はますます遠のいて行く。
- 9/15の毎日は、ウクライナ大統領の発表として、ウクライナが東、南部で反撃し、8000平方kmを奪回したと報じた。奪回したイジュームで440名の集団墓地が発見された。多くは身元不明の民間人で、戦争犯罪立証のために法医学的検査が行われるという。原発を含む市民生活インフラへの、ロシア軍の攻撃の報告が多くなっている。
- 英国与党保守党党首にトラス外相(47才)が選ばれ、サッチャー氏、メイ氏に続く英国3人目の女性首相となった。70年にわたって在位してきた英国エリザベス女王が、8日、96歳で死去。長男のチャールズ皇太子が国王に即位。19日国葬。
- イタリアの議会選挙では、右派政党を中心とする勢力が上下両院で過半数の議席を獲得した。NHKはEUに批判的な右派政権が誕生する可能性が高まり、EU結束への悪影響が懸念されていると報じた。
- 国連人権高等弁務官事務所は、中国新疆ウイグル自治区で「深刻な人権侵害が行われていた」と指摘し、少数民族ウイグル族らに対する恣意的で差別的な拘束が「人道に対する罪である可能性がある」という報告書を中国側の反論書とともに公表した。報告阻止のための中国の政治圧力は強烈で(現に60ヶ国が発表反対)、担当高等弁務官退任直前の発表になったという。この問題は思想改造収容所の存在として、過去再々民主主義先進国から指摘されていた。そのたびごとの中国の猛反発で、世界は真相をつかみかねていた節がある。
- 自主申告で自民の国会議員の半数近くに、(旧)統一教会と接点(講演、挨拶、会合、選挙ボランティア支援、会合祝電、広報誌インタビューなど)があると判った。9/9の毎日に載った荻生田衆院議員の「べったり」行動は、公明党と創価学会の関係を超えていると思う。週刊文春9/15号に「自民党と統一教会癒着「写真」「文書」入手」という記事が出た。岸田首相周辺に焦点が合っている。文藝春秋10月号に「統一教会と創価学会」が出た。宗教が個人ではなく団体で政治に食指を伸ばす。その団体が少なくとも記憶に残るごく最近まで、カルト的あるいは戦闘的教宣で名高かった。政教分離に神経を尖らさざるを得ない。
- 9/5の毎日の社説は、「110兆円の予算要求、無節操な膨張は許されぬ」という題になっていた。何度もこのHPに出したが、1000兆円を超す借金など知らぬ顔で、さらに膨大な借金を国民に背負わせる根性が判らない。新型コロナで「事項要求」が通ったのに味を占めたか、予算額を示さない「事項要求」が乱発され、事実上の青天井になっている。コロナなら通るとばかり、「コロナ禍をふまえた地方創生の推進」という事項要求など、まさにバラマキ財源だ。
- 9/1の外国為替相場は先週末より3円も下落して、140円/ドル台になった。アメリカの雇用堅調と日米金利差の固定化予想が理由とされる。6日142円台、8日144円台。22日145円台となり、政府・日銀は為替介入に踏み切った。米国が3回目の0.75%利上げを決めたが、日本はマイナス金利政策などの大規模金融緩和政策を維持すると決めた。日米金利差が拡大したための円安。インフレ抑止のために世界がこぞって金利を上げる中で、日銀だけが緩和策ののままだ。政府・日銀の目論見は外れ景気は向上しない。ここで利上げに踏み切れば、政府の莫大な借金が利払い増加で財政を潰すし、企業もゼロ金利前提で動いているから利上げに耐えられないものが続出するだろう。国民がこんな不健全財政の政権をこぞって支持するのは不可思議だ。
- 8月の前年同月比全国消費者物価指数が2.8%上昇した。
- 9/1のコロナ感染者数は全国15万、東京1.4万。第7波のピークは全国が8/19の26.1万、東京が8/3の3.9万、大阪が8/9、愛知が8/16、兵庫が8/18、福岡が8/19、北海道が8/19。首都からの地方拡散がよく判る。9/26全国4.4万。
- 政府は安部氏国葬(9/27)費を16.6億円と発表。先月の発表2.5億円は式典経費で、その他費用の発表はなかった。国葬に対する国民のアンケート結果はおおむね5:3ぐらいで反対である。「2月の概要(2021)」に、私は安倍首相のドイツ・メルケル首相との対比的な行動を「トランプのプードル的行動」と批判した。トランプ氏は次期のアメリカ大統領再選を目指している。彼が再選されれば、世界平和はより遠のく。トランプが外交手腕に自信を得たとすれば、安部氏などは最も貢献した方だろう。私は弔意は表明するが、国葬には反対である。世界トップ級外国元首の参列はなかった。
- 時事通信が9〜12日に実施した9月の世論調査では、岸田内閣の支持率は32.3%に急落した。毎日と社会調査研究センターの17,18日の調査では、支持率は前回(8/20、21)より7p下がり29%だった。自民支持率も6pt下がり23%となった。自民党〜旧統一教会への不安と国葬への反対が主因と思われる。
- 公明党は山口現代表を次期代表に選ぶ。8期の長期に亘る。山口代表は次期辞退を口にしていた。執行部の交代も進まない。9/27の毎日には、公明の「進まぬ女性登用」という記事が出た。かって期待された保守の中の革新性はもはや望むべくもない状態か。日本維新の会は、来年の松井氏の引退で主要な党設立メンバーがいなくなる、大阪以外の地方区では敗退している、大阪都構想が住民投票で否決されたのち看板政策が出てこないなどで、飽きられ始めた立憲の受け皿としての期待も空しく終わりそうだ。
- 西九州新幹線(武雄温泉〜長崎)が9/23に開業した。メリットのわりに負担が大きい佐賀県が未承諾のため新鳥栖〜武雄温泉は工事未着手のまま。九州の新幹線はフル規格ではなく、ミニ新幹線方式(秋田、山形新幹線型)でよかったのではないか。高架化せず、単線は単線のまま、駅舎プラットホームは在来のものを利用、線路を標準軌道になおすだけで、架線を元の電圧のままで共用する。沿線に100万都市はないのだ、地元は身の丈にあった計画をするべきだ、国家も地方も借金財政なのに、利己を優先しているからこんなことになる。
- 超大型台風14号が鹿児島市(935hPa、18日夕方)、福岡県、山口県、能登半島、長岡市、宮城県(985hPa)を通って太平洋に抜けた。九州ことに宮崎県に大きな爪痕を残した。小型台風15号が太平洋側を24日に嘗めるようにして通った。静岡県に水害発生。
- 生命科学ブレークスルー賞(300万ドル、世界最大級)に筑波大の柳沢正史教授(62)ら6名が選ばれた。柳沢教授は、日中に突然眠り込む病気「ナルコレプシー」の仕組みを解明し、睡眠障害の創薬に貢献した。
- 9/17の毎日トップに、粗悪インターネット工学系学術誌(ハゲタカジャーナル)の記事が出た。インドの研究者が207論文を盗用していた。そっくりそのままで発表日を原論文より早くしているという悪質ぶりであった。日本からも東大、京大などの6論文が被害に遭っていた。
- 東京五輪高橋元理事がAOKI HDからの5100万円収賄容疑で起訴された。さらにKADOKAWAから7600万円の収賄をしたとして再逮捕された。会長は9/14逮捕。元理事3度目の逮捕は、広告会社「大広」(博報堂直系)からの1500万円の収賄容疑。駐車場サービス「パーク24」の大会スポンサー契約に、大手広告会社「ADKホールディングス」を介在させるよう組織委側に口利きした疑いも出ている。マスコットをめぐる玩具会社からの800万円受領も調査中。
- 中日・村上宗隆選手が9/14に王選手記録と並ぶ55号本塁打を飛ばした。レスリング世界選手権で女子55kg級を志土地選手が女子62kg級を尾崎選手が制した。続いて女子50kg級を須崎選手。女子57kg級を桜井つぐみ選手。男子フリースタイル61kg級(非オリンピック階級)に樋口黎選手、70kg級に成国大志選手。女子ゴルフのコニカミノルタ杯を川崎春花、東海クラシックを尾関彩美悠の二新鋭選手が制した。プロ野球セリーグはヤクルトが優勝した。大相撲秋場所に平幕の玉鷲(モンゴル出身)が13勝2敗で優勝した。37才10ヶ月の最年長記録になった。
('22/10/1)