5月の概要(2022)
- 5/24アメリカ・テキサス州小学校で銃乱射事件が起こり21名が殺された。アメリカでの銃乱射事件は今月2回目で、頻度被害は世界では群を抜く多さだ。前回の被害者は黒人系、今回はヒスパニック系だという。進まない銃規制、根強い人種差別。アメリカ社会の病巣がまたも鮮明に噴出した。
- オーストラリアの総選挙で労働党が9年ぶりに第1党となり、政権交代が行われた。首相はアルバニージー氏。
- 5/23東京でバイデン大統領と岸田首相が会談、日米の対中抑止力の強化(日本は「防衛費を増額」、米国は「台湾有事なら関与」)を打ち合わせた。米国提案のIPEFに日本を含めた13ヶ国が参加し、発足させた。日本はTPPへの米国復帰を希望した。24日からクアッド(日米豪印)首脳会議が始まった。インドの対露関係を配慮しつつ、中国包囲網をより強固なものにする方向が打ち出されている。
- 5/25の毎日トップに「ウィグル公安文書流出 「逃げるものは射殺せよ」」の記事が出た。3面いっぱいに習政権の「イスラム教色 徹底排除」の解説があり、2面の「水説」には、ロシアと中国の「終身独裁がもつ危険」が解説されていた。
- 5/18の毎日一面に「スリランカ最悪の経済危機」が出た。政府は6.5兆円の対外債務の一部支払いを停止、米格付け会社は部分的なデフォルト(債務不履行)に陥ったと認めた。
- 5/9フィリピン大統領にマルコス氏圧勝、5/10尹(ユン)韓国新大統領就任。
- フィンランドおよびスウェーデンが揃って18日にNATO加盟申請した。加盟は全加盟国の承認が必要だが、トルコが難色を示している。ロシアはフィンランドへの送電を停止。
- 5/16の毎日に、「露軍ハリコフから撤退〜ウクライナ軍が反転攻勢〜」の記事が出た。ちかごろ、ウクライナ軍が劣勢を挽回したという報道が、ときおり出てくるようになった。両軍とも空軍が戦闘第一線で不活発である。ウクライナ側からは可搬形の地対地ミサイル、ドローンによる攻撃、ロシア側からは中距離ミサイルによるウクライナ内陸施設攻撃報道が目立つ。
- 5/1マリウポリの製鉄所より民間人100名が退避した。退避第1弾として国連も確認している。ロシアは攻撃再開。5/8取り残されていた市民全員が避難したと、ゼレンスキー大統領が明らかにした。17日、製鉄所に立て籠もっていたウクライナ軍部隊が、抗戦80日あまりで投降し、マリウポリが陥落したと新聞に出た。
- ウクライナ占領地におけるロシアの実効支配が着々進行中である。見かけ独立国「ヘルンソン人民共和国」化への強制的住民投票、通貨のルーブルへの切り替えなどが5/2の新聞に出ている。
- 7日、ロシア軍が東部ルガンスク州の学校を空爆し、避難民の約60名が死亡した。28日ロシアはウクライナ東部の中心都市リマンを制圧したと発表。
- 衛星ネットサービス「スターリンク」(小型衛星を使うネットシステム。衛星と通信する小型アンテナ(直径約55センチ)さえあれば、サービス提供地域ならどこでもネットが使える。)がウクライナで活躍している。「スターリンク」はロシア侵攻直後の2月26日、通信設備が破壊されることを予想し、ウクライナが宇宙開発企業スペースXや電気自動車企業を動かす世界的実業家テスラ・マスク氏にサービス提供を呼びかけた。マスク氏はわずか約10時間後に、ウクライナでサービスを開始した。
- プーチン大統領は5/9の戦勝記念日演説で、ウクライナのゼレンスキー政権を「ネオナチ」と断定し、今回の侵攻を「ウクライナのナチス主義者から人々を守る」ことを名目とした「特別軍事作戦」とした。彼はもはや引き返せないスターリン主義者になったようだ。世界が破綻するところまで行くのではないか心配でならない。
- EUがロシア産原油禁輸の検討に入った。G7はゼレンスキー大統領を招き8日に一致して禁輸に取り組むと言明。日本も同調。中国、インドは禁輸していない中でどれほどの効果が出るか。OPECプラス(ロシア)はアメリカ要請の増産に応じていない。毎日5/5の「焦点」は、ドイツの経済打撃は大きいが、全体としては、EUよりもロシアの打撃がより大きく、戦況を左右する可能性があるというものだった。ロシアは経済の多角化を怠り資源頼みのまま今日に至った。石油、ガス産業による収入は、ロシア政府歳入の4割に達している。インドの購入量は欧州とは比較にならぬほどの量という。
- 5/15沖縄復帰50周年。ロシアのウクライナ侵攻が米軍基地の重要性を強調する結果になっている。その一方で、米軍基地の傍らに沖縄県民があるという現実は変わらないままだ。
- 日銀の4月企業物価が前年同月比で10.0%上昇した。物価指数は、前年同月比2.1%上昇。
- 毎日新聞の「労組分断」(5/4)は、組織力が低迷し右傾化で自民との接触を隠さなくなった現実路線を進める連合(日本労働組合総連合会)を分析した。連合は今は大企業労組が中心で、全労働者の1割程度の組織となっている。
- 5/4の毎日社説の論題は、「膨張するサイバー空間〜民主主義守る秩序が必要〜」。巨大IT産業による情報選別操作、ウクライナ侵略戦におけるロシア側の国民意識操作など気掛かりな問題が多い。民主主義の形骸だけを残して、実質は巨大資本や独裁政権が、前者は利潤に向かって、後者は独裁勢力の世界拡大に民衆を操る道具にするという見方は、被害者意識からだけのものではないと感じ始められている。
- 山梨のキャンプ地から発見された遺骨が、DNA鑑定から、2年8ヶ月前に行方不明になった小1の女生徒のものと断定された。
- 新型コロナ1日感染者数5/3全国3.05万人、5/8は4.3万、連休の人出が一挙に増加した影響か、増加に転じた。連休後下降気味となる。5/30は1.2万。5/8にいたるも全国3回目ワクチン接種率はいまだ54.4%。5/2韓国5.1万順調に減少中、中国2.0万。5/11アメリカ16.3万と増加気味。5/15の毎日は、北朝鮮の感染爆発(13日新たに17万、16日39万)を報じた。米韓のワクチン供与申し入れを北朝鮮は拒否している。
- 東京地裁は、新型コロナ対策に出した都の(飲食業に対する)時短命令は「違法」という判決を出した。都は専門家ほかとの協議の上で出しており、まん延防止に妥当な処置である。感染症対策に対してまで専門家の判断よりも法律屋の判断が上というのか。いつものことながら、政治司法の、専門を重視しない硬直姿勢は、根本的に改革せねばならぬと思う。5/31の毎日に、「飲食店「認証」にほころび(時短違反と改善拒否)」という記事と、給付金不正受給の記事が出た。
- 大学ファンド(10兆円規模)支援校要件法案が審議中だ。年3%収入成長は高いハードル。日本では「独り勝ち」の東京大でも2%。「国際卓越研究大学」や支援校候補では研究領域が淘汰され、公共的使命が二の次にされる危険性が指摘されている。
- 愛知県豊田市の工業用水農業用水ダム「明治用水頭首工(とうしゅこう)」堰底にバイパスが発生し、ダムの水が下流へ抜けてしまい、トヨタ系の諸工場の生産が止まった。
- 5/30の毎日の一面に、大阪大の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者治験計画が載った。頭骸骨を外して発信器を埋め込み、AI脳波解析で患者の意志の解読を行う。ブレーン・マシーン・インターフェイス(BMI)研究は急速に進歩しつつあるが、埋め込み型BMI研究は多くない。
- 第62回エコノミスト賞受賞者・小倉義明早大(院)教授の紹介文が5/13の毎日に出た。受賞対象論文は『地域金融の経済学 人口減少下の地方活性化と銀行業の役割』。教授は日銀経験者。5/31毎日の「ひと」に石井守・情報通信研究機構電磁波伝搬研究センター長の宇宙天気予報(太陽フレアの影響)の話が出た。
- 大相撲5月場所を横綱・ 照ノ富士が12勝3敗で制した。渡辺明将棋名人が斉藤八段を下して今期(第80期)名人位についた。
('22/5/31)