2月の概要(2021)

米上院のトランプ前大統領の弾劾は2/3に届かず否決された。共和党議員は50人中の7人が弾劾賛成に回った。
毎日新聞の指摘によると、米陸海軍のヘリが、航空法では許されぬ首都上空の低空飛行を常態的にやっている。高度200mと言うから高層ビルでは見下ろせる位置だ。米軍は国内法に縛られぬ特権を持つというが、人口密集地帯への不必要な危険行動とも思われ、不愉快である。沖縄国際大学米軍ヘリコプター墜落事件が思い出される。
2/22毎日の余録は、今秋引退のドイツ首相アンゲラ・メルケル氏の在任16年に及ぶ世界の自由と寛容への貢献に賛辞を贈った。余録に指摘されずとも、横車を押すトランプ大統領(当時)に正面から挑んだ反対姿勢は、トランプのプードル的行動に終始したかのような我が首相とあまりにも対称的で、私の脳裏に深く刻まれている。
米バイデン政権の国際協調路線への復帰が鮮明になってきた。2/19地球温暖化防止の国際協定「パリ条約」に復帰、2/20新聞に「イランとの対話」の準備が載った。
2/20の毎日に「中国、再エネ急拡大 1年で原発120基分整備 20年設備容量 風力2.7倍、太陽光8割増」の記事。我が国の'18年度の再エネの発電設備容量は世界第6位、水力をのぞくと、日本でもっとも普及している再エネは太陽光発電で、導入量では世界第3位。風力発電は'21年度で原発4基分。
2/9の毎日に「国内最大の風力発電に逆風 鳥取の山間部に計画、周辺住民らが猛反発」の記事が出た。28日に「柏崎刈羽(原発)「再稼働」幻に」の記事。もっとも二次、三次産業からの恩恵を受けているはずの一次産業側の反対が続出する。たとえば関税の壁は700%に近い。
我が国の風力発電機メーカーは次々と撤退し、今では欧米メーカー頼みになっている。「造船大国日本」「電子立国日本」の時代があった。「物づくり大国日本」とメディアが唱ったこともあった。生命科学でも関連ノーベル賞を次々にとった頃は、製薬業(化学産業のマスプロからファインへの旗手として騒がれたことがある。)は世界最先端を行っているのかと思った。でも今回のワクチン競争では完全に圏外にいるとわかった。いったい私が現役の頃の日本はどこへ行ったのだろう。
2/1ミャンマー国軍がクーデターを起こし、スーチー国家顧問兼外相、ウィンミン大統領ら政権幹部が拘束された。総選挙でスーチー氏率いるNLDが8割を獲る圧勝を納め、初の国会がその日に開会されるはずであった。軍出身の副大統領が暫定大統領になり、彼は軍最高司令官に三権の全権を委任した。国軍は選挙不正を主張し、国際選挙監視団はそれを否定していた。民政移管後10年足らずの出来事。
このHPには「アウンサンスーチー」('12)、「ビルマの歴史」('17)がある。後者には「(スーチーは)名門出身で、独立運動の闘士で非業の死を遂げた父を引き継ぎ、日本の京大にも学んだ国際派だ。忍耐深い民主化運動には定評がある。多数派とはいえビルマ族は全人口の65%(新聞は7割と書いている)で、国は多数の少数民族を抱える。宗主国・英国は帝国主義的植民地政策によって、宗教対立民族対立の火種をまき散らし煽り立てた。」と書いている。すでに75歳。4度目の軟禁が解けたとき政治生命は残っていようか。ミャンマーにとって今回の拘束は大変な損失だ。2/8の新聞に「6万の反軍政デモ」、2/10に「デモ拡大数十万」の記事が出た。2/19デモの女性1名射殺の記事。2/23の毎日はゼネストと抗議デモへの数百万の参加を報じた。
英国が正式にTPP参加を要請。
2/13福島県沖でM7.3の福島宮城地震。宮城、福島両県では震度6強を観測した地点が多い。東北大震災の余震で、その震源地より陸地寄りの太平洋プレートの深さ60kmでの逆断層地震。インフラは損害を受けたが死者は出なかった。傷者157名。津波はなかった。東北新幹線は復旧10日間の損害、航空各社が臨時便で支援。
13日の毎日新聞世論調査で、内閣支持率が5%向上し、38%となった。不支持率は6%下がって51%。私には、内閣が経済よりまずはコロナ禍退治へ方向転換した結果と思える。コロナ・ワクチン現物が羽田空港に入荷したことも好材料になった。
文春は、「英国からのロイター記者が“待機破り”をし、国内のコロナ変異株感染拡大の一因になった。」ことを報じた。メディアの記者である。防疫上の「待機」の重要性を重々承知の上の「犯行」になる。英人特有の対外特権意識が匂う。
新型コロナ感染者数は減少傾向を見せ始めた。政府当初の宣言期間の終わり2/7時点で全国が1631名、東京も429名に下がった。しかし重症者数は高止まりの795名、死者はいっこうに減らず52名、医療関係の危機的状況は改まっていない。2月下旬に入り、患者数減少速度が遅くなった。街路の人密度がコロナ禍前とほとんど同じになっている。これで宣言解除すると第4波必至とさえ思われる。
感染者推移に対する西浦博・京都大教授の予想(「正月の概要(2021)」):東京100名/日に要2ヶ月が当たっているようだ。2/3改正コロナ特措法が成立した。営業時間短縮、入院の命令に対する拒否に罰則が設けられた。
コロナ禍に対する緊急事態宣言が、改善著しい栃木以外の10都道府県で延長された。2/28政府は申請のあった大阪、兵庫、京都、愛知、岐阜、福岡の6府県の宣言を解除。しかしたとえば大阪府では漸減中とはいいながら週平均1日80名程度の感染があり、第2波と第3波の中間の最も低いときの値50よりかなり高い。28日の東京の1週間平均は300名/日ぐらいで下げ止まっている。何を急いで危険な方向へ舵を取る。
2/27の毎日に、ワクチンの開発から流通にまで幅広くサーバー攻撃が繰り返されているとあった。中国、ロシア、北朝鮮、イランが攻撃を仕掛けている。米国FBIと米国国土安全保障省、国際刑事警察機構などが対応しているが日本は反応が鈍いという。
中露の途上国向けワクチン供給攻勢に呼応するように、先進国諸国(我が国はG7の一員として)は、新型コロナワクチン配給の国際機構(COVAX)を通じての供給支援に乗り出している。
ワクチン接種に対し立ち上がりが早かったイスラエルの事情が2/6の毎日に出た。感染症に対する政治の判断は抜群である。2/21の毎日には各国確保量の一覧が出たが、日本は人口が半分のイギリス、1/3以下のカナダよりも少なく、しかも接種開始が遙かに遅れている。理系のいない我が国保守政権の、政治力とか危機管理意識の、他国との差を様々と数字で見せつけられた。
私はワクチン効果出現はインフルエンザ並みに1ヶ月ほどを要するかと予想していた(「正月の概要(2021)」)が、イスラエルのファイザー・ワクチンは2回目接種から1週間だそうだ。第1回目から4週間故、ほぼ1ヶ月だ。アストロネガが厚労省に承認申請した。もっとも感染が激しいとされる東京でも、抗体保持者は人口の1%にもならないという(2/5)。集団免疫(60〜70%)にはほど遠い。コロナ退治に有効な積極的手段は国民の防疫感覚とワクチンのみ。国が準備した注射器では大半が1ワクチン瓶から5本しか取れないとわかった。計算上は6本分。算術も出来ないのかい。
東京五輪・パラリンピック組織委員会会長・森喜朗氏の女性蔑視発言に対する非難が、国の内外で広がった。自民・二階堂幹事長の擁護発言もそれに油を注ぎ、彼も同じ穴の狢のように扱われ出した。都知事は五輪トップの4者会議に出席しないと表明した。2/10の毎日で、評議員、理事に占める女性の数が至って少ないことを知った。五輪では女子種目だけのソフトボールですら協会理事の8割を男子が占めている。2/11森会長辞任、後任に組織委・評議員の川渕氏を推し彼も了承したが、引責辞任者の禅譲、密室人事と非難され、川渕氏は12日辞退した。2/18橋本聖子氏を新会長に選出、橋本氏は五輪担当相と男女共同参画担当相を辞任、丸川珠代参院議員がその任に替わった。
菅義偉首相の長男・菅正剛氏(衛星放送などを運営する東北新社の部長職)が昨年10月から12月にかけて、許認可権を持つ総務省幹部を接待し、飲食代を支払うのみならず、タクシーチケットや高級手土産も渡していたことを2月4日発売の「週刊文春」が報じた。国会での追及に対し総務省幹部は否認を続けたが、「文春オンライン」が音声記録を公開したため、双方が事実と認め、総務省幹部は実質上の更迭になった。巨大組織の悪の摘発にこのところ文春のスクープ好調、他のメディアも奮起すべし。
東証の日経平均株価が15日3万円を超した。'20年GDP成長率がマイナス4.8%と発表されている。経済の実質とかけ離れた株価である。26日1200円暴落。
2021年3月期予想としてソニー1兆円強(連結純利益)、ソフトバンク4兆円弱(第3四半期決算純益)、トヨタ2兆円弱(通期の連結営業利益)が発表された。NHK逆転人生「一つ星店シェフの覚醒 副業に成長のチャンス!?」は黒字に転換したイタリア料理店を紹介。コロナ禍前からの落ち込みに対し、国民の税金からの援助を叫ぶ従来通り型資本と好対照である。
2/25の毎日に「トヨタの先端技術都市が始動」という記事が出た。富士山の裾野のもと工場跡地に壮大な実験都市を建設する。スズキを40年にわたり牽引してきた鈴木修会長が引退する。インドでの自動車シェア5割を永年にわたり確保するなど、スズキを国際的な自動車会社に仕上げた。ハンガリーでもいち早く現地生産を開始し、ヨーロッパに確固たる地歩を確立した(本HP:「東欧旅行−その2 ハンガリー」('02))。
2/19にアメリカの探査車が火星に1300℃の降下時高温に耐えて無事着陸した。
スキーW盃ジャンプ女子で高梨選手が2連勝し、前人未踏の通算59勝とした。10期連続勝利も前人未踏。2/19ルーマニアで又1勝。ジャンプ男子では、13日、小林陵侑選手が優勝、日本選手のワールドカップ最多勝利数の通算17勝に並んだ。19日ルーマニアで18勝目を獲った。全豪オープンテニスで大坂なおみが優勝した。4大タイトル中全豪2回、全米2回の4回で、この4年間毎年交代に優勝。

('21/2/28)