6月の概要(2020)

アメリカで白人警官による黒人男性拘束死があり、人種差別抗議活動で全米が揺れている。6/2トランプ大統領は平定への州知事の弱腰を詰り、洲兵を出動させないときは連邦軍を出動させると警告した。6/8の毎日は、連日の主要都市部でのデモを米史上最大規模の抗議行動と紹介した。CNNの8日発表の世論調査では、55%対41%でトランプ次期大統領候補が劣勢という。前月5%の差が、14%の差に開いた。「風と共に去りぬ」配信停止、奴隷制賛成派銅像の引き倒しなどは止めるべきだ。歴史的記念碑は後日の反省のために残さねばならぬ。
24日、IMFは'20年の世界全体の成長率をマイナス4.9%に下方修正した。'21年はプラス5.4%を予測するも、第2波などの不確定要素の影響が懸念される。各国とも大規模な財政出動で、財政赤字が膨らむ。対GDP比で'20年に対する予想は、日本が15%、アメリカが24%、ユーロ圏、中国、インドがいずれもほぼ12%。
6/8の発表で、我が国の4月経常収支は黒字は維持したが、対前年同月比84%減の2627億円であった。貿易収支は1兆円に近い赤字。旅行収支は225億円の黒字だったが、昔の1/10に落ち込んでいる。観光業が復活するのは数年先と思わねばなるまい。世界情勢急変のたびに関連事業の安楽死のために税金を使い赤字を積み重ねる政府はいらない。
6/24の毎日社説に「日米地位協定60年 改定の協議を始める時だ」と出た。同様の協定を結ぶドイツやイタリアと比べると不平等さが際立つことは国民が周知している。世界に差別廃止運動の波が広がっている今こそ、我らは念願の不平等撤廃を掲げて、沖縄の重荷をすこしでも減らすよう努力すべきだ。ボルトン前大統領補佐官の回顧録でアメリカが揺れている。ボルトン氏は「個人と国家の利益を混同している」とトランプ大統領を攻撃した。各国元首でもっとも親しい人としてゴルフ同好の安倍首相が上がっている。この親密関係を今こそ活用すべきだ。
6/16陸上イージス計画を技術上の問題により停止(事実上の白紙撤回:毎日新聞)すると政府が発表した。6/20の毎日に、首相が「敵基地攻撃能力」保有の検討を命じたと出た。その解説によると、中国の東風(DF)17や北朝鮮のKN23ミサイルは日本のイージス・システムでは打ち落とせない、イージスの防衛下限界高度70km以下を飛ぶからだとある。
三菱航空機が事業を縮小する。'08年より開発中のジェット旅客機スペースジェット(旧MRJ)は、型式証明を得るために最新の試験機を今春米国に運ぶ予定だった。何度も納期延長を繰り返した因縁のジェット機。我々の眼には「モノづくり日本」落日の象徴のように写って残念である。
6/1の世界の新型コロナ・ウィルス(SARS-CoV-2)感染者数は617万、死者37万。アメリカがトップで180万と10万。その人種別内訳では黒人が異常に多い。ワシントンポストは、「長い差別的行動の歴史の中で黒人に課された経済的および環境的状況の結果である」と説明した。中南米が急増して今では感染者数が100万になった。ブラジルが米国に次いで第2位。6/27に世界の感染者数は1000万を超え、死者数は50万に達した。
6/1日本は感染者数1.76万(対前日増加+35内29が東京都+福岡県(北九州市))、死者960(+3)。6/2、東京が+34となり、「東京アラート」が鳴った。休業要請の緩和(ステップ2へ)を発表した次の日だった。アラートは6/11鳴り終わり、最終のステップ3へ移行した。ところが15日に来てアラーム目安3つの内2つまでに赤ランプが灯り、先行きが怪しくなった。16日には+48と危険度が増した。国は+72で、この増勢も恐ろしい。30代までの若手の感染が多い。6/21(日)の映像は繁華街や観光地に昔の賑わいが戻っていることを示した。6/26全国で+104、内、東京+54、近直1週間の新規感染者の4割が「夜の街」関係者で占めている。周辺も増えだし埼玉、千葉、東京、神奈川で計+81。20台30台が3/4を占める。千葉で見ると東京に近い街ほど感染者が多い。いまや防疫体制の再度引き締めが必要なときと思う。都はコロナ対策で1兆400億円を使い、その「貯金」は500億円を切った。
次回都知事選挙(7/5投開票)に小池現知事、宇都宮弁護士、山本れいわ新撰組代表ら22名が立候補した。立候補者数は過去最多。世論調査では小池現知事がダントツの51%。
改正道路交通法が成立した。あおり運転に対する罰則が設けられた。
6/8の毎日のCUクローズアップは「ゆがむコロナ予算」で、「各国の経済対策は、感染拡大防止のため経済活動を止める代わりに、所得を補償するというスタイルが大勢だが、日本ではV字回復期のサポートという異例の項目に予算が割かれた。危機感が不足していた」という藤井京都大教授の指摘が光った。既存事業の拡大に名目を「感染症対策」と書き換えて押し込む手法が指摘され、「既存事業 焼け太り」というサブタイトルが付けられていた。
新型コロナ騒動で落ち込む観光、飲食業支援の「GO TOキャンペーン事業」の巨額委託費(3千億円以上)に対する討議が国会で続いている。回復に3-4年はかかる。回復しても元通りではなく低位に留まるだろう。自由競争資本主義の社会だ。事業の半数は自然消滅的に撤収せざるを得ないのではないか。倒産負債を税金で穴埋めする結果になるのではないかと心配だ。
このHPには日本の農業問題をしばしば取り上げた(「農業大国日本」('10)、「さよならニッポン農業」('10)、「TPP亡国論」('12)、「TPP賛成論」('13)、「TPP反対論」('13)etc.)。今や当然のように支援漬けになっていて、ごく一握りの農家以外はもはや独立採算など夢のまた夢で、農業の大半は日本国民の大変な重荷になってしまっている。同じ事を観光業や飲食業でもやろうとしているのか。
6/14の毎日は「シリース疫病と人間」でドイツ哲学者:マルクス・ガブリエルの見解を1面の大型記事で載せた。安倍首相を指導性のない五輪あるいはコロナ対策から「ポピュリスト」と断定し、世界での悪評5人の1人に数えた。あとの4人はプーチン首相、習主席、トランプ大統領とブラジル大統領である。ドイツ・メルケル首相(物理学者)の科学立脚の姿勢を評価した。私のこれまでの姿勢(例えば「4月の概要(2020)U(新型肺炎特集)」、「5月の概要(2020)T)に似ている。6/21毎日の次期首相世論調査では、石破氏がトップで15%、安倍氏は次点の10%だった。
6/8高校生棋士:藤井聡太・将棋七段(17)が、棋聖戦第1局で、渡辺明棋聖に勝った。史上最年少でのタイトル挑戦である。
5/31、NASAと米宇宙ベンチャーのスペースXがケネディ宇宙センターから宇宙飛行士2名を乗せて打ち上げられ、国際宇宙ステーションISSとのドッキングを果たした。世界初の民間主導の事業として注目される。今回打ち上げは最終試験段階で、次回から運用段階となり、その最初に野口聡一宇宙飛行士が乗り込む。
6/30中国全人代は「香港国家安全維持法」を成立させた。毎日は「1国2制度」崩壊危機という題でトップ記事(夕刊)とした。米国は香港優遇の一部を終了させる。
6/30毎日夕刊に東大名誉教授・児玉龍彦氏の対新型コロナウィルス行政が失敗であったと批判する記事が2面の殆どを使って掲載された。失敗は実態把握を軽視したため。検査数が世界に比べて少なすぎる。日本には大学や理研などの研究機関にPCR検査の出来る機器が揃っているのに、文科省は店を畳ませてしまったとある。第2波に向けて抗体検査抗原検査も組み合わせての検査を拡充せよというのが氏の主張。私は、この失敗の理由が、担当大臣すら文系の、内閣の質であると「4月の概要(2020)U(2020)(新型肺炎特集)」に記している。その意見は今も変わらない。
6/10毎日のCUクローズアップに新型コロナウィルスによる死者数が国家間に大差が出ている原因を追及する記事が出ていた。日本は7.2人/100万人(アジアではフィリッピンの次ぎに高い)なのに欧米は軒並みに2桁台で、最大の英国は600人に近い。仮説1は肥満率ほか生活習慣の差、仮説2は遺伝子の差、仮説3は先行類似ウィルス感染がコロナ耐性免疫(交差免疫)を作っていたとするものだった。BCGによる自然免疫強化説(「4月の概要(2020)U(2020)(新型肺炎特集)」)は仮説2に入れているが、その分類は疑問だ。むしろ仮説3に近い。本説はイスラエルでの検証結果では否定的だという。
6/1毎日の千葉版に、PCR全自動検査器を開発したベンチャー企業PSS社の話題が出ていた。欧州中心に800万円/台が3万台売れている。PSS社のOEM製品という。しかしPSS社の装置や試薬はまだ厚生労働省に認可されておらず、日本国内では使えない。PCR検査総数はアメリカの580万に対し日本は24万にならない。5%弱だ。「日本はいまだに利益団体と政官財の利権構造、既得権益、岩盤規制、官僚主義、お役所仕事に雁字搦めになっています。そのためにPCR検査の核心的な技術を持ちながら、それを拡大できないのです。」という批判(木村正人)がYahoo!に紹介されていた。
6/16厚労省は新型コロナウイルス抗体検査の結果を発表した。抗体陽性率は東京都で0.10%、大阪府で0.17%、宮城県で0.03%だった。今までの東京大(0.7%)、ソフトバンクGの発表値よりもかなり低い。いずれにせよ日本人は殆ど感染しておらず、第2波第3波に対して身体が無防備であることが心配。NYは17%台。
6/16武漢生物製品研究所の新型コロナウイルス不活化ワクチンのI・II期臨床試験結果が発表された。ワクチン接種後の安全性は高く、深刻な副作用は1人も生じなかった。ワクチン接種を受けた被験者はいずれも高力価の抗体ができていた。中国は既に日本脳炎ワクチンやエボラ出血熱ワクチンの開発で世界的に高い評価を受けている。6/21の毎日に、ワクチン特許権に制限を要求するWHOと、開発費回収のためと称する反対の米国製薬会社との抗争が伝えられた。ガン特効薬などと違ってワクチンは研究方法が既に解っている。人類破滅の脅威を考えればWHOが正しい。
理研―富士通の次世代スパコン「富岳」が初めて公開された。京の100倍の能力という。23日の発表では、世界のスパコンランキングの4部門(演算速度、実用時の性能、ビッグデータを扱う性能、人工知能AIを扱う性能)で1位になった。
NTTがNEC株の4.8%を買い取り、5G、6Gなどの将来戦略への提携を強化する。米中にはすでに5G開発では水を空けられたあとだ。電子立国日本と唱われた時期に共同戦線を広げておれば、日本優位で開発が進んだであろうに。日本の経営陣はまったく将来観、世界観に劣る。
弘前大と京都大のチームはAIを使って認知症や糖尿病、高脂血症、高血圧症など20種の病気について、3年以内の発症を予測するシステムを完成した。的中確率高いと言う。弘前大が集めた健康に関わるビッグデータをもとに開発した。
ユニクロを展開する柳井氏が京都大学に総額100億円を寄付する。本庶教授研究基金に50億円、山中教授関係に50億円。本HP:「科学技術立国のたそがれ」('20)に我が国の学問の退勢を紹介したばかりだった。「二番手で良いのじゃない」的な、未来への投資に意欲を欠くのが我が国経営者共通の欠点だ。近代的感覚の経営者の続出を願う。
藤井聰太七段が渡辺棋聖に連勝し、第91期棋聖に王手をかけた。
横田滋さん87才で死去。北朝鮮拉致の娘めぐみさんの父。メディアは一斉に拉致以来40数年一度も娘と会えぬままの逝去を悼んだ。'65年の日韓基本条約締結で解決済の徴用工問題に関し、韓国内では再び強硬論が頭を持ち上げていると報じられている。23日には世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の登録取り消し!を軍艦島を理由にユネスコに外相名で要求。更にこじれている日韓貿易問題を有利に展開するためか、韓国は世界貿易機関(WTO)の事務局長選に立候補。もう戦後75年。まことに朝鮮人は度し難い。今までの歴史は、友好推進のためと云う名の譲歩は、付け入る隙を見せたと受け取られるだけと思わせる。真の友好のために更に100年でも200年でも待とう。

('20/6/30)