4月の概要(2020)T
- 米大統領民主党候補は、サンダース氏が降りたので、バイデン氏指名がほぼ決定的となった。オバマ前大統領、ヒラリー・クリントン前国務長官(前回大統領選民主党候補で得票数は当選したトランプ現大統領より多かった。)が支持を表明した。
- トランプ大統領の新型コロナ・ウィルスに対する中国(情報停滞2ヶ月の秘密主義がパンデミックの第一の原因)とWHO(中国寄りが過ぎる)への攻撃が執拗に行われている。WHOが、防疫に先進的業績を上げている台湾を今以て入れないのは確かに問題。アメリカはWHO分担金(予算の2割に当たる)拠出停止。7日時点で死者1万を超した国の責任者としての焦りがあるのだろう。感染爆発を政治問題にしてはならないが、世界の防疫体制向上のため、台湾除外に対してWHOに拠出金停止の脅しぐらいは日本も発言して良い。
- 英首相、新型コロナウィルス感染から回復。自宅療養へ。27日公務に復帰。
- 韓国国会総選挙では与党が過半数を取った。文大統領の強力な新型コロナウィルス対策は支持されている。
- IMFは、新型コロナウィルスの悪影響として、本年の世界経済の成長予想を-3.0%(前回1月予想は+3.3%)と発表した。日本は-5.2%(+3.0%)、アメリカは-5.9%(+4.7%)、中国は+1.2%(+9.2%)、インドは+1.9%(+7.4%)。
- 中国は'20年1-3月期GDPが-6.8%と発表。アメリカのGDP1~3月期が-4.8%とリーマンショックの11年前以来の低水準となった。
- 内閣府は4月の月例経済報告(23日)で、国内景気は「急速に悪化」しているとし、景気の総括判断を2ヶ月連続で下方修正した。総括判断に「悪化」の表現が使われるのは、リーマンショック後に世界経済の低迷が続いた2009年5月以来、10年11カ月ぶりという。観光日本の物指し:外国人観光客数は先年の93%に激減した。
- 27日、日銀は国債の無制限購入を発表した。
- 20日、米国産標準油種(WTI)の5月価格が一時マイナスに転じた。原油がだぶつき生産側はお金を支払わないと引き取って貰えない。各産油国の減産よりも需要低下の方が早いと見られる。22日夕刊に11$/バーレルと出た。中東原油の原価は1$/バーレル(「八月世相寸描」('03)、「2017年の予想」('16))と言っていた時代があった。'15年の中東産原油採算レベルは数ドルから30ドル程度という(「正月の概要(2015)」)。中東産油国はもちろんだが、コストが高めのロシアも甚大な影響を被りそうだ。
- 東北沖の日本海溝沿いと、その北に連なる千島海溝沿いの巨大地震で想定される津波の高さと浸水域が公表された。
- 27日毎日のCUクローズアップに、国家事業に等しい中国のハッカー集団の情報窃取活動ぶりが報告された。NEC、三菱電機らは安全保障上重要な情報に対し盛んにサイバー攻撃がかけられている。中国の産業育成策「中国製造2025」の重点分野も攻撃の中心目標になっている。
- 三菱UFGが3月期決算で3600億円の損失を計上した。感染拡大で世界金融市場がパニック状態になり、出資アジア各国銀行株価が半分以下となったため。ソフトバンクGは3月期の最終損益が7500億円の赤字(前の期は1兆4111億円の黒字)となった。系列ファンドの投資先の企業評価を引き下げ損失が膨らんだ。3月下旬に経営破綻した英衛星通信ワンウェブなど、本体での投資でも多額の損失が発生した。JFEスチールは高炉2基を停止する。3月期決算が日産自動車は850~950億円の赤字、三菱自動車も260億円の赤字、ANAは587億円の赤字と大手企業が軒並みに赤字になる。
- 4/27の毎日「風知草」に「前向きな五輪中止」という記事が出た。インパール作戦の失敗が引用してある。この日はインターハイ中止の決定がトップ記事だった。本HPではすでに「正月の概要(2020)」で五輪中止を訴えている。
- 数学界の超難問とされてきた「ABC予想」を証明する論文が、査証7.5年(記録的な長さである)を終えて学術誌に掲載されることになった。毎日新聞は、「望月教授(京都大数理解析研究所)は2012年8月、構想から10年以上かけた「宇宙際タイヒミューラー(IUT)理論」の論文4編を、インターネット上で公開した。これを用いればABC予想など複数の難問が証明できると主張し、大きな注目を集めたが、既存の数学が存立する枠組み(宇宙)を複数考えるという構想はあまりに斬新で、「未来から来た論文」とも称された。加えて、1000ページを超える望月教授の過去の論文に精通しないとIUT論文を読み解くことは難しく、理解できた数学者は世界で十数人しかいないと言われている。」と書いた。
- オムロン元社長・立石義雄氏死去。毎日は「「京都ブランド」貫く」という題で評伝を書いた。京都にはオムロン、京セラ、日本電算、村田製作所、任天堂、ワコール、島津製作所、日本電池など中小規模ながら世界ブランドの会社が根付いている。東京一極化加速の中で、人口1/10規模の京都が健闘する理由の一つは、彼の言行録からは、企業人の郷土愛であると読み取れる。目先の東京移転のメリットよりも長い目で見た京都文化を信じたのだろう。
- 私には各社間の共通点は「高度のオリジナリティ」で、毎日の云う「京都ブランド」は結果のように思われる。少なくとも注目し始めた頃のオムロン製品にはユニークなものが多かった。島津源蔵(島津製作所の創業者)が鉛二次電池開発で世界を席巻した物語は、私の中学校教科書に出ていた。日本電池(今はジーエス・ユアサ)の起源である。島津製作所からはノーベル賞受賞者(田中耕一氏)が出た。日立でも東芝でも三菱でもNECでもNTTでもなかった。京都新聞は日本のノーベル賞受賞者の過半数が京都関係者だと書いた(「10月の概要(2019)」)。私も含めて地方人は「地方消滅」('15)、「未来の地図帳」('20)にびびる前に、まずは地元文化育成に拘泥する心を養いたいものだ。
('20/5/1)