8月の概要(2018)
- '19年度概算要求が過去最大の102兆円後半となる見込みになった。厚労省は過去最大の31.9兆円、防衛省も過去最大の5.3兆円。
- じりじり春頃から為替相場が下がっていたトルコリラが、10日2割も急落し、春頃の半値近くになった。インフレ率15%、トランプ大統領との対立などがその背景にある。31日朝刊では19.81円。円相場はかって大回復を遂げたことがあるが、はたしてトルコリラは元の価値に戻るかどうか。9/1には18円台へ。
- リビアの国内分裂内戦状態が固定化し将来が危惧されている。難民の輸出基地化も心配だ。
- トランプ大統領は、対中制裁の第3弾として年間総額2000億ドル相当の中国製品に対する税率を、従来の10%から25%に引き上げる検討を命じた。第1,第2(160億ドル、8/23に発動)との合計対象額は総額5千億ドルの輸入の約半分になる。それに対し中国の米国からの輸入総額は1500億ドルで、どのような有効報復手段があるか。8/4の新聞は、中国は600億ドル相当の米国輸入製品に最高25%の追加関税を課すと発表した。
- 中国などのプラスチックごみの輸入規制の影響を環境省が調査している。最大の輸出先の中国は、去年12月末に輸入を禁止し、その後、タイやマレーシアなどでも受け入れを規制する動きが出ているという。世界諸国のゴミ行政に多大の影響を与えている。8日朝のNHKニュースは、我が国で山積みになったプラ・ゴミや、中国のゴミ洗液による環境汚染を報じた。
- 毎日新聞の解説記事「赤い「踏み絵」」が始まった。中国政府における宗教活動の制限である。8/29号は若者と宗教の遮断を取り上げた。キリスト教でも仏教でもイスラム教でも、未成年者の宗教活動や参加が監視され制限されだした。
- 東京医大が、女子合格率を下げるため(毎日8/3)に、女子入試得点を一律に減点していたことが解った。しかも募集要項にはそれが記載されていない。毎日8/6に記事に、東京医大の5年前小論文が「優先」受験生に大幅加点されていたと出ていた。また3浪にたいしても障壁を高くしている。私立にはいまだにこんな学校がある。教育機関として落第である。文科省は他大学にも不当選別があると見て調査を始めている。
- 台風13号は東日本沿岸海上を北上した。15号が九州を縦断して対馬に抜けた。14号は九州南方を掠めて大陸に向かった。台風19号が奄美大島と琉球本島の間を北西に通り抜けた。続いて20号は徳島を掠めるように上陸し兵庫県を通り日本海に抜けた。地球は温暖化で台風多発時代に入り、日本は毎年の台風被害多発を覚悟せねばならない時代になった。
- '15/9の鬼怒川氾濫で被害を受けた農家等の住民が国を提訴した。「国による施設は天災に対しても完璧でなければならぬ。」という論理が通るなら、国税を負担する側からは、今後は堤防などは利害関係者が自らの責任で自前で作るべきと云う主張が起こる。それから自力改革で競争力を付けようとしなかった農業が、今や我らにはお荷物であることを自覚すべきだ。あの氾濫では我らの自衛隊も出動し、復興に尽力した。災害復旧に今も税をつぎ込んでいる。それ以上を国民に要求しないで欲しい。今台風シーズンで、そのたびごとに公共施設の被害とその影響が報告されている。
- 毎日の8/5トップ記事に、国立公文書館が保存価値判断不明のため内容照会した文書が2年間に20万件に達したという報告と、「情報公開請求を避けるために(題名を)抽象的にしている」という職員の証言が載った。頭が良いだけで国家を担う意欲を持たない官吏がむしろ主流になっているらしい。
- 12日のNHKスペシャル「“駅の子”の闘い〜語り始めた戦争孤児〜」を見た。我らは戦災孤児と云い馴らしていた。一つ間違っておれば私も同じ運命だった。誰しも戦争絶対反対を云う。でも読み終えたフィリピン史(「フィリピンの歴史」('18))は、相応の防衛力が「戦争絶対反対」の担保に必要であると教える。フィリッピン原住民はローマ教皇公認の下、まずスペインの、次いで米国の計500年の搾取と奴隷化、蔑視に耐えねばならなかった。北朝鮮の軍備はそれなりに正しいのかも知れない。
- 最低賃金改定額が874円となり3年連続で3%アップが実現された。人不足を反映している。
- 8/25の毎日トップに、「特殊詐欺 中国に拠点、日本の高齢者狙い電話」という記事が出た。中国人支配の下で日本人がかけ子と受け子を受け持つという構図である。
- 下旬になって毎日新聞は連日中央省庁による障害者雇用の水増し問題を取り上げている。法定雇用率達成のため、身障者でないものや、死亡職員も算入していると云うから驚く。
- 毎日新聞の連続解説記事「幻の科学技術立国」は、8/8にアベノミクスの大学改革を取り上げた。「準備周到、「東大一人勝ち」」という表題で、外部資金獲得競争で東大が一人勝ちしている現状を書いた。これは多分、産業に役立つ競争的制度と言う名目で、政府−東大が方向付けしたときから解っていたことだ。予算獲得プレッシャーの支配力が高まり、「のびのびとした新しい(オリジナリティの高い)発想が出にくくなっている」という(長尾元京都大学長)。さあらむか、'18年のアジアの大学ランキングはトップから7位までをシンガポール、中国、香港の大学が占め、国内一人勝ちの東大でさえ8位だった。京大は11位で日本勢はいよいよ劣勢だ。
- 8/16の「幻の科学技術立国」は、科学技術政策における官邸主導がますます強まる現状の解析と、「研究経験のない人が計画を立てても、決してよい政策にはならない。研究者の発言の機会を増やすべきだ」(井村裕夫・元京都大学長)の言葉を裏付ける「危ない」陣立てのアベノミクスを紹介した。元十両の親方が、横綱の相撲指導ができるかと云っている。8/30に山本一太元科技担当相へのインタビュー記事が出た。中国に抜かれた危機感から、予算を持つ組織で強力に官邸がテーマ指導をする狙いと云った。山本氏の学歴は修士で博士でない。井村氏の云う研究経験は、少なくとも博士号授与レベルの研究経験であることは明らかだ。せめて元幕内の親方であって欲しい。
- 8/19の毎日に、「オランダ:世界遺産運河に3D「印刷」橋」という記事が出た。3年前に計画をスタートさせ、4台のロボットで約4.5トンのステンレスを6ヶ月かけて「印刷」した。未来を切り開く非営利型だが長期展望型のテーマと言えるだろう。
- 京都大学の江藤浩之教授らは、患者から作製したiPS細胞を用いる血小板の再生医療の臨床研究計画を国に届け出た。
- 南京でのバドミントンW杯で、桃田賢斗選手が日本男子初の金を、女子ダブルスの永原・松本組も金を獲得した。選手への助成金の不正流用と暴力団元組長との長年の交際を突かれたボクシング連盟山根会長が辞任を表明した。デンマークにおけるセーリング世界選手権で吉田・吉岡ペアが金メダルに輝いた。オリンピック、W杯での日本女子の金は初めてという。夏の甲子園を大阪桐蔭が金足農を13:2で下して優勝した。春夏連覇2度目は史上初。
- ジャカルタ・アジア大会では競泳で金受賞者が続出した。競泳女子400mメドレーリレー(酒井、鈴木、池江、青木の4選手)を日本新記録で制した。池江選手はほかに50m自由形、100m自由形、50mバタフライ、100mバタフライ、400m女子リレーを制し、過去日本勢最多の6冠を達成した。女子レスリングが初めて金無しに終わった。伊調馨、吉田沙保里は出場していなかった。女子バドミントン団体戦決勝で中国を3:1で破った。男子マラソンでは、井上大仁選手が金メダルを獲得した。アジア大会では32年ぶり。陸上男子200mで小池選手が12年ぶりの金。スケートボード、柔道に金が並んだ。男子400mリレーも金。競歩50km金。柔道男子73kg級大野金。
- 辺野古新基地反対を貫いた翁長沖縄知事67才が死去した。俳優・津川雅彦氏死去。オープン前のぐんま県境稜線トレイルの検査に出た群馬防災ヘリが墜落し9人が死去した。山岳地帯での防災ヘリの事故が相次ぐ。アナン元国連総長ノーベル平和賞受賞者が80才で死去した。女優・菅井きんが92才で死去した。名脇役だった。マケイン米上院議員が死んだ。ベトナム戦に空軍パイロットで参戦、捕虜生活を5年経験した。トランプ大統領に対しても臆せず批判する与党(共和党)議員だった。
('18/09/01)