十月の概要(2017)T

フィリッピン大統領が来日し、安倍首相と会談した。1月に首相がフィリッピンを訪問したときの約束:1兆円/5年の援助の具体化と対北同一歩調が話し合われた。
5年ごとの中国の共産党大会が開幕した。習総書記は自身の思想を中国の行動指針とすることを求めた。毛沢東思想やケ小平理論と並んで党規約に盛り込まれる。毛沢東に並ぶ威信を身につけることとなる。共産党一党独裁体制下で、米国と並ぶ世界の「強国」として国際秩序の主導を目指す姿勢を鮮明に打ち出した。最高指導部メンバーの政治局常務委員には、習総書記と李首相は留任し、残りの5人は新任で、すべて政治局員からの昇格だった。10/26読売は習氏「1強」体制が固まったと書いた。後継者と目されていた人は常務委員に選ばれなかった。
オーストリア国民議会選挙に国民党が勝ち、若年31歳のクルツ氏が首相に就任する。国民党は中道右派で、難民対策に厳しい主張を掲げる。
ここのところヨーロッパ各国国民は、選挙戦のたびに相次いで難民に辛い選択をしてきた。国内紛争の尻ぬぐいを安易に引き受ける周辺があれば、国内紛争は、それをいいことに、ますますエスカレートする。そして難民受け入れ国に住民との摩擦を起こす。どんな犠牲を払っても国内でしか解決できないことを、それが強いブレーキとなって働くことを期待しつつ、紛争当事者は肝に銘じるべきであるというのであろう。
我が国が、一時は諸々の「人道主義」国や団体から非難を浴びたが、難民入国に一貫して厳しかったのは当を得た政策であった。ここ2-3年は就労目的と思われる難民申請が急増しており、そちらの制限対策が検討されている。
クルド支配下にあった油田のあるキルクークにイラク軍が進駐した。イスラム国ISの首都ラッカがクルド系のシリア民生軍に制圧された。
アメリカはユネスコから脱退する。ユネスコの反イスラエル傾向を問題視した。TPP、パリ条約脱退に次ぐ3つ目の国際条約からの離脱になる。昨年、「南京大虐殺」の記憶遺産登録にたいし、一方的としてユネスコ分担金を日本が支払い留保 にした。慰安婦記憶資産登録はユネスコが自発的に保留した。今までは国連に甘すぎた。反日本的傾向には断固たる処置をちらかせるべきだ。
10/1夜、ラスベガスの野外コンサートで銃乱射があり、58名死亡、527名負傷という大事件が勃発した。犯人は自決した。ISが犯行声明を出したが、犯人には過激派との繋がりはなく、退職者住宅に住むそこそこの資産家で、周辺には多量の銃や爆薬が用意されており、銃マニアの単独行動と見られている。銃規制が緩いというアメリカ独自の病巣を露呈した。
スペインのカタルーニャ州で独立を問う投票があり、90%が賛成した。州首相の一方的独立宣言にたいし、EU各国は国と州とのとりもちに冷淡である。
10/2の毎日の社説は「日本の岐路 借金大国の経済政策 ツケノミクス合戦は困る」であった。税収の15年分という途方もない借金を返済するどころか、さらに借金を積み上げるような政治を許してはならない。税負担増と公共サービス削減を真面目に訴える政治家がいないのはどうしたことか。
10/5の読売の社説は、慰安婦像問題に関する韓国の姿勢を「憎悪の固定化(国是化)を目指す」と批判した。何度も触れているが、今後は韓国との交際は官も民も最小限とするように意識的に整理すべきだ。
10/1時点のニュースでは、民進党130−150名ほどの立候補予定者が希望の党に参加がする。希望の党は233名以上を立候補させる(実際は235名になった)。参加から排除された民進党議員はリベラル派と、政権担当時の首相を初めとする閣僚経験者ほかの党大物で、菅、岡田、野田、海江田、枝野、辻元、逢坂、安部、安住、江田などの著名な名前が見られる。前原氏も無所属から出る。小池代表は立候補しない。
枝野氏が代表の「立憲民主党」が設立された。菅、赤松、長妻、辻元、安部などの左派、リベラル派の各氏が参加し数10名を立候補させる(実際は78名)。選挙は自民・公明、希望・維新、立憲民主・共産・社民の三つ巴戦になった。総評は特定政党を支持せず自主投票となる。
10/6希望の党は衆院選公約に内部保留課税を打ち出した。内部保留は今や406兆円に膨れあがっている。投資するでもなし、また安倍首相の要望(選挙後も改めて要望)にもかかわらず、従業員に分配するでもなしのまま積み上がった。二重課税の恐れはあるが、国家の財政危機に回すのは当然と思う。各党に選挙民に甘い公約が並ぶ中で、財源を明示したのは初めてで、高く評価して良い。ただ消費増税反対だから、財政危機に対する感覚は疑われる。
'17/11のちば市制だよりは、熊谷市長の「脱・財政危機」宣言解除を報じた。5年前の総負債6千億円あまりが1.1千億円返済により5千億円余に下がったという。ばらまきに慣れた人たちからの嫌味は耳にする。だがよくぞ立ち直らせたと感心している。安倍政権も見習ってほしい。
10/4の朝日は比例選投票先の世論調査結果として、自民+公明が42%、希望+維新が16%、立憲民主+共産が13%、未定が27%と発表した。10/9の読売は、自民+公明が37%、希望+維新が16%、立憲民主+共産が11%、未定が27%と発表した。10/16のNHKは政党支持率として、自民+公明が37.1%、希望+維新が7.1%、立憲民主+共産が10%と報じた。
10/22の投票結果、自民が単独で過半数(284名)となり、与党が改憲発議に必要な2/3を越える313(公明が29名)になった。立憲民主が野党第1党(55名)、希望の党は伸び悩み、野党第2党(50名)になった。
小池代表直系は若狭議員(今回小池氏地盤で落選、引退表明)だけの希望の党が、何10人もの国会議員を要する民進党(10/26読売によると当選議員は9割が民進系)と合同するのだから、党解体をしてまで希望の党への参加という方向付けをした前原民進党代表(今回無所属当選)の、大きな対抗政治勢力をという意図を、もっと重視すべきであった。前原代表は詰めが甘かった。
「排除の論理」は、政党の主張を鮮明にするには必要だが、個人的嗜好を大義より優先させたと受け止められた。小池代表は、民進党吸収の際の「排除の論理」が国民の不興を買ったと素直に認めた。都議選での順風が、今は広く全国に吹いていると誤解した。首相候補も示せない希望の党を国民が不安がるのは当然だ。株価は15日連続で上昇した。
経済は好転しているが、世界経済特にアメリカ経済と連動しているためで、アベノミクスのおかげではないと思う。いろんな指標が世界順位で落ちてゆくのがその証拠である。政府日銀他アベノミクス礼賛筋は、アベノミクスがなければもっと落ち方が早いといいたいのであろうか。
神鋼の鉄鋼製品、アルミ、銅の品質データ改竄が明らかになり、国内外の自動車、航空機、新幹線車両にまで影響が及びそうだ。日産、スバルで無資格社員が出荷自動車の検査をしていることが判明し、リコール等の影響が出始めた。10/20の新聞は、日産が問題発覚後も国内の無資格検査を続行していることが分かり、国内出荷を全停止したと報じた。我が国の大型企業が次ぎ次に技術破綻問題を起こす。営業、現場、管理が己の論理を全体の論理よりも優先させて行動しているのだろう。

('17/10/31)