
- プリウスは今年のモーター・ショーの目玉になり、カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた自動車である。話題を独占したのは、燃費が従来のガソリン・エンジン車に比べて半分のハイブリッド・カーであったからである。世界に冠たる工学的発明と思う。
- 燃費が半分だと炭酸ガスの排出量も半分である。発表後すぐに京都で世界温暖化防止会議が開かれた。グッド・タイミングであった。世界中がプリウスに乗り換えたら、すったもんだのあげく打ち出された炭酸ガス他の削減目標などたちまちに達成されそうである。
- 自動車の価格は同クラスの従来車に比べて5割増しだが、その何割かは燃費節約で取り返せる。こうなれば温暖化防止は環境問題への人々の参画意識次第である。今月10日に始まったプリウスの販売はなかなか好調のようだ。月1000台の目標だったのが3日間で2000台売れたそうだ。もっともこれは非常に意識の高い層が飛びついた結果であろうからあとどう進かは判らない。
- 私も意識している方である。今乗っている車が同じ1500ccクラスなので、丁度良い。メーカーのホームページを読み、カタログを入手し、一応の研究はした。実物は見ていない。払底しているのか一向に販売会社の店頭に現れない。早く見たいものである。
- ハイブリッドのシステムに何も無理は感じられぬ。新技術のうち化け屋としての一抹の不安はニッケル−水素電池である。今の鉛電池と同じくらいの耐久性があるものかどうか。私のノートパソコンはニッケル−カドミニウム電池であったが、充電可能量は使うとどんどん減っていった。充電可能量が減ったら運転に差し障りが出るのではないか。鉛電池はその点実にタフな品物であるが、充電絶対量が少ないからエネルギー貯蔵用には使えなかった。
- 皇太子妃はこの車の第1号をお買い上げになるべきだと思った。温暖化防止に答える車が日本に出た。温暖化防止の世界会議が日本で開かれた。皇室の華であらせられる妃殿下が買われた。三拍子揃えば強烈なアピールになるし、日本の実力のまたとない宣伝にもなる。皇太子妃はご結婚前にプリウスを作った会社の同クラスの車を愛用され、ご成婚時宮城に持ち運ばれたと聞く。同じ会社の製品にお買い換えがあってもごく自然である。
- 皇室は善意慈愛その他諸々の高貴な精神の象徴として行動なさろうとする。被災地老人の激励、身障児施設園児との会話。いずれも立派だけれども、マンネリ化してしまって、その影響力は雑誌社が表紙写真に喜ぶ程度になっているのではないか。
- 私は、象徴と憲法に記載された皇室に、不安いっぱいの未来への勇気ある取り組みを見せていただきたいと思う。プリウスを買うことぐらいはその部類に入らないと市井の人は思うかも知れないが、今の宮内庁にしたら、それすらあれこれ考える危険な対象なのではないか。ハイブリッドカーは世に受け入れられず消滅するかもしれない。見通しの利かぬ軽薄な衝動買いとお笑いの対象になりはせぬか。実用車ではないが、いろいろ試験車が発表されていて皆日和見をしている。出揃ってからなら贔屓云々の言葉は出ないだろうなど。
- 責任階級、支配階級、上流階級。いろいろ言い方はあるが、要するにエリートの集うハイ・ソサイアティはこう取り組むべきだとの意欲あるお姿が皇室の輝かしい未来への一石になるのではないか。
('97/12/17)