三月の概要(2016)
- ミヤンマー大統領に、アウンサンスーチーNLD党首側近のティンチョー氏が国会で選出された。ティンチョー氏は元閣僚で今国会に議席はない。スーチー氏は息子が英国籍のために現憲法下では大統領になれない。副大統領の1人に軍の代弁者が入った。スーチー氏は入閣(外相ほかを兼務)する。NLDは国会に「国家顧問」新設の法案を提出した。
- トルコの首都アンカラの繁華街で3/13、車に積まれた爆弾が爆発し、容疑者を含む37人が死亡した。トルコ政府は、実行犯がクルド人武装組織のメンバーで、シリアで訓練を受けた20代の女と断定した。ベルギーの首都ブリュッセルの空港と地下鉄で同時テロがあり、31名が死亡し、300名以上の負傷者を出した。ISが犯行声明を出した。パキスタン東部ラホールの公園で27日自爆テロがあり、72人が死亡、300人以上の負傷者を出した。タリバン系過激組織がキリスト教徒を狙ったと犯行声明を出した。3/16のNHKクローズアップ現代は「テロ“拡散”時代 世界はどう向き合うか」という題で、アメリカ軍でも政府機関でもグローバル企業でもない、「ソフトターゲット」と呼ばれる新たな標的:レストランや娯楽施設などでの一般市民不特定多数殺害で、社会混乱を意図した個人単位でもはや大組織背景のないテロが活発化すると警告した。
- 3/15ロシアがシリアから空軍を撤退させ始めた。
- 中国の全人代が開催された。経済成長率5ヶ年計画目標を6.5−7%に引き下げたが、'16年の国防費は7.6%増としている。
- 3/2の米大統領候補者選びのスーパーチューズデーで民主党はクリントン氏、共和党はトランプ氏の優勢が確実になった。
- 3/2、国連安保理は対北朝鮮制裁を大幅に拡大する決議を全会一致で採択した。
- 国連女子差別撤廃委員会は慰安婦問題に勧告を行った。日韓合意の実は無視され、日韓両政府はそれぞれの立場から報告書内容に反論した。日本は事前の説明に耳を貸さなかった内容に対し「偏った話」に立脚している点を反論し、「国際社会の受け止めと大きくかけ離れている」と指摘した。最終案には天皇制のあり方に繋がる皇室規範の見直しを求める記述まであった(最終的には削除)という。読売は、主査が中国の「全国婦女連合会」国際部長の女性で、報告書の、中国政府の反日姿勢の代弁を強く示唆していた。
- 毎日の3/20朝刊トップに中国無戸籍1300万人の記事が出た。一人っ子政策で第2子をもうけると罰金が課せられるが、その支払いが出来ず無戸籍となり、学校、社会保障などから閉め出された人たちである。同じく毎日の3/21の第1ページに「アジアから「嫁買い」〜一人っ子政策 女性減」と言う特集記事が出た。カンボチャから人買いに誘拐されて、中国の農村に売られた女性の話で、再々聞く話である。理由は中国の農村では労働力となる男児を欲しがるため、一人っ子政策では女児の中絶が男女比を歪め、今3000万の適齢期女性不足になっているためという。
- 国連女子差別撤廃委員会は、このような大問題にはほおかむりだ。委員会の明らかな偏向に対する対抗策、例えば拠出金を大幅に減らす、または偏向修正まで出さないぐらいの策を打ち出すべきである。
- 中国向けの中継サーバーがインターネットの不正接続に使われた事件で、業者のサーバーから、ネット利用者延べ約1800万人分のIDやパスワードが見つかった。このうち約178万人分は「ヤフージャパン」や「楽天」「ツイッター」などの会員情報で、パスワードなどを使った不正接続が確認された。経済犯罪には中国の影が出る場合が多い。それが今に始まったことではないから、彼らはますます世界の信頼を失って行く。
- 3/2スマトラ島南西800km深さ24kmでM7.8の地震があった。大地震だが島から遠いので、過去のスマトラ沖地震のような災害には至らない模様。
- 民主党と維新の党が合流し民進党が3/27に発足した。
- 3/25北海道新幹線が開業した。
- トヨタのベースアップが1500円で妥結を見た。大手は一斉回答したが、ベースアップは3年連続ながら低止まりである。安倍内閣発足以来ほとんどの会社で内部保留は確実増加している。アベノミクス施策にもかかわらず経済が好転しない最大の理由が消費の低迷だ。消費税、ゼロ金利、物価ことに食品価格の上昇など大衆が財布を占める理由ははっきりしている。内部保留が多いほど経営者は安泰だが、アベノミクス失敗はより大きな負担を経営者に負わせることになる。
- 大津地裁が関電の原発高浜3,4号機に対し停止命令の仮処分を決定した。何度もこのHPで申しているとおり、法律だけの勉強で資格を得た裁判官が、総合的工学問題にたいし、権力を振り回すのは奇怪である。読売は社説に、裁判所自らが、原子力発電所の安全審査をすると云うことかと書いた。原子力規制委員会の何年もに渡る審査の結果などお構いなしとは呆れた傲慢さである。理系の専門が深く関わる問題には、裁判官の2/3ほどはその道の専門家が担当するように、法律を変えるべきだ。文系優位日本の典型的な欠陥が出てきたように思う。伊予原発1号炉の廃棄が決定された。
- 過去最大96.7兆円の一般会計予算が衆議院を3/1通過した。
- 福岡高裁沖縄支部の和解案に従い、国は辺野古工事中断し沖縄県と再協議に入る。基本的に相容れない両者が妥協できるはずがなく、安倍首相の選挙対策と考えられている。
- 最高裁は、認知症患者(夫)の起こした事故に対する賠償問題に付き、監督義務者の責任を限定する判決を下した。要介護の妻と、別居20年の長男は支払いを免れた。しかしこのままでは被害者はやられ損である。周囲は善意を発揮できなくなるのではないか。長男が同居して介護に当たっておれば賠償せねばならなかったのか、それでは親につくすほど賠償責任に近づくことになる。
- NHKスペシャル「原発メルトダウン 危機の88時間」はメルトダウンの1号機、3号機は水素爆発を起こしたものの、圧力容器のガス・ベントには成功し、最悪の容器破壊による放射性物質の大量放散は避けられていた。しかし2号機のベントは不可能で、容器圧は設計限界を超えいつ破壊してもおかしくない状況が迫っていた。大量放散は東日本の悪くすると日本全体の放棄を必要にするかも知れぬ由々しき状態だ。4号機の水素爆発の衝撃で、2号機の容器圧が抜け(詳細はいまだ分からない)、日本沈没は免れた。鬼気迫る原発の変化と現場関係者の懸命の努力をドキュメンタリー風に描いた。内情が分からないまま現場をディスターブしてくる内閣府や東京本社のピエロぶりも描かれていた。ピエロだけならよいのだが、現場がベントに努力しているのに、別の弁を開けろと内閣府が指図し、結果として事態を悪くしたあたりは、戦犯として法廷に引き出す必要を感じさせる。
- NHKスペシャル「東日本大震災「“26兆円” 復興はどこまで進んだか」」は、改めて復興税2.1%を意識させられた。平成49年まであと22年も我らは負担するのである。大震災は、今まで社会環境のしがらみで表に出なかった、あるいは出せなかった田舎人の都会志向を噴き出させた。女川町は人口減少が37%におよび、見事に復旧以上に仕上がった折立漁港に、船影人影がない映像が出た。安全志向の壮大な将来計画が事業を遅らせ人口減を加速した。1戸当たり1億円もの国費を投じている。
- 大船渡では1/10ほどの費用で、バラバラながら、もともとの空地にいち早く復興住宅を手当てしたため、住民の帰郷がスムースに行っている。人が帰らぬ高台造成に固執する町長のインタビューを聞いていると、懐を痛めるのは我らなのにと、親方日の丸根性にため息が出る。産業と雇用のためには5兆円が支援費として費やされた。潤ったのは土木建築業だが、そろそろ注文切れが出だし、先行きが怪しい。無理なバラ色将来計画は中止し、現実に即した緻密な計画に直すべきだ。自立できない弱者の映像が多かったが、震災地だからと言って特別保護する期間は過ぎた。今後は国民全般を対象とする福祉政策の中に繰り入れるべきである。復興税を尚今後22年も支払う必要はないと思った。
- NHK時論公論「再生エネルギー 持続可能な制度を」では太陽光発電への参入が全体の9割と偏り、しかも枠取りのみで実施せず様子見の企業が過半であると指摘した。国民は固定価格買取制度により価格差として年に1.2兆円の負担をしている。また同じくNHKの所さん!大変ですよ「空から巨大な手裏剣が飛んできた!?」では施工不良の太陽光発電施設が、台風で吹き飛ばされ、民家を直撃するなどの被害が多数上がっていることを問題にしていた。
- NHKコズミック フロント☆NEXT「発見!?宇宙最初の星 ファーストスター」は、ビッグバン(138億年前)後最初の星(水素とヘリウムからなる)の発見を伝えた。このファーストスターは132−130億年前の星という。
- NHKサイエンスZERO「“記憶”のミステリー〜最新脳科学が解き明かす記憶の正体〜」は、海馬の位置情報把握の機構や、海馬の一時記憶が大脳皮質の半恒久的記憶に移し替えられる実験的証明(ラット)を紹介していた。
- 人工知能「アルファ碁」(英グーグル・ディープマインド社)に囲碁界の最高峰:韓国・李九段が2連敗した。チェス、将棋にひき続き、もっとも手が多いとされる囲碁でも人工頭脳が上回る時代に入った。読売も毎日も李九段が続いて3連敗した翌13日に、一面記事として人工知能が新段階に入ったと報じた。「ディープ・ラーニング(深層学習)」と言う最新理論を取り入れたプログラムになっている。第4戦では李九段が勝った。今までの囲碁ソフトと同様に、一旦混乱(李九段絶妙!の手)すると、あとがガタガタになる弱点は改良されていないという。
- 3/15のNHKクローズアップ現代「“仕事がない世界”がやってくる!?」は人工知能やロボットの進化で、仕事が無くなる現状と懸念(日本では10-20年後には機械により置き換わる労働力は49%に上るという)を示した。全ての国民に毎月一定額(運動側の主張では大人30万円、子供7万円)を支給する最低生活保障の導入の国民投票がスイスで6月に実施される。
- 女子サッカー五輪アジア予選でなでしこジャパンが、緒戦の対オーストラリア戦に3:1で敗れた。韓国とは1:1で引き分け、中国には2:1で敗れた。リオ五輪への道は閉ざされた。主な戦力変化は沢穂希選手の引退だけだったが、かくもガタガタになるとは誰も予想できなかった。佐々木監督は交替する。卓球W杯アジア予選女子では難敵北朝鮮を3:0で破ったがドイツには3:2で敗れた。決勝トーナメントの準々決勝で再びドイツと戦い今度は3:0で勝った。次の北朝鮮には3:1で勝ち、決勝に進む。新星・伊藤美誠(15才)の活躍が光る。男子は全勝で決勝トーナメントに進出。男女とも対中国決勝で3:0で敗れ、銀メダルであった。春の全国高校野球は智辨学園(奈良)と高松商業(香川)の決勝戦となり、前者が優勝(初V)した。
- 巨人の中継ぎとして活躍している高木京介投手が、野球賭博に関与していた。巨人の渡邉恒雄氏を含むトップ3名は引責辞任する。バドミントンの全英オープンで、女子シングルスに奥原希望選手が、女子ダブルスに高橋礼華、松友美佐紀組が優勝した。男子はダブルスに準優勝した。名古屋ウィメンズマラソンで田中智美選手が2位でリオ行きを確実とした。スピードスケートW杯最終戦で女子団体追い抜きに日本が優勝した。今季は4戦3勝で種目別をも制した。大相撲春場所を白鵬が4場所ぶり最多の36回目の優勝で飾った。カナダにおける女子カーリングW杯で日本チームが準優勝した。3位内は史上初であった。
- 上田史学(日本史)の上田正昭・京大名誉教授が死去した。
('16/04/01)