二月の概要(2016)

財務相、中央銀行総裁クラスによるG20上海は「世界経済の下方リスクと脆弱性の高まり」を認識し、市場安定への協調をうたって2/27閉会した。新興国からは84兆円の資金流出が起こっている。その9割が中国からであった。流出規制への取り組みが始まる。
2/17、18報道機関は一斉に、南シナ海の西沙諸島に中国が地対空ミサイルを配置したと報じた。戦闘機配備も報じられた。南沙諸島にはレーザー基地を整備したという。
シリアで連続の自爆テロが起こり、184人が犠牲になった。 ISが犯行声明を出した。アサド政権と反体制派の停戦が米露の仲介で実施され、月末のここ2日間ほどは戦闘が沈静化している。
国連の女子差別撤廃委員会で、日本は慰安婦問題に付き、強制連行の証言が捏造であると朝日新聞が謝罪したこと、慰安婦20万人の具体的証拠は何もないことを説明した。韓国の一方的説明を世界に定着させてはならない。
加藤達也:「なぜ私は韓国に勝てたか 朴槿惠政権との500日戦争」、産経新聞出版 、'16が出版され、各書店で関連部門のトップを行く売れ行きだそうだ。朴大統領の名誉毀損罪で地裁検察に送検された記者の闘争を描く。「十月の概要(2014)」ですでに触れているが、法治国家民主主義国家ではあり得ない訴訟事件であった。
2/7北朝鮮が、国連安保理決議を無視し、日米中韓の自制要望にもかかわらず、長距離弾道ミサイルを発射した。予告通り先島諸島上空を通り、弾頭は周回軌道に乗った模様。石垣島の自衛隊の地対空ミサイルPAC3、派遣イージス艦のSM3は発射されなかった。
2/6台湾の台南市40km東でM6.4の地震があり、死者117名に上るという。被害は倒壊した16階建てマンションに集中している。その手抜き工事が問題になっている。震源地はフィリッピン・プレートがユーラシア・プレートにのし上がっている境界あたり。日本のプレート境界型地震の震源は海溝付近になるが、台湾では内陸部になるから被害がより大きくなる。NHKの「体感!グレートネイチャー 「“怪速”!大隆起の絶景〜美麗島 台湾〜」」でもやっていたが、台湾はプレートの重なりによる地殻変動を地表で実感させる土地柄である。台湾の東北大震災援助に対する恩返し募金が始まった。
オバマ米大統領が中国のサイバー攻撃を国家ぐるみと非難したことはすでに旧聞に属するが、日本にたいしても類似の攻撃が中国から間断なく行われており、外交軍事機密、有力議員日程から歯科診察データに至るまでNHKの調査だけでも2万件に及ぶ情報流出があったと、NHKスペシャル「Cyber Shock(サイバー ショック) 狙われる日本の機密情報」が報告した。大手自動二輪メーカーのヤマハが、競争相手のいる米、加、仏さらにベトナムから日に3-400件もの攻撃を受けている現場映像は、「防諜」の重要性を再認識させるものであった。2/4のNHKニュースウオッチ9でも、狙われる防衛分野という題で、海外からのサイバー攻撃が取り上げられた。国の防衛に関わるサイバー攻撃が相次ぎ、防衛関連の団体の情報が盗み取られていたことが、取材で明らかになった。沖電気への攻撃はロシア、中国、韓国から発信が多いと云うことだった。
国会で安倍首相は衆院定数10名削減を'15年の簡易国勢調査に基づき実施したいと表明した。衆院議長の諮問機関「衆院選挙制度に関する調査会」は衆議院の議席配分において、「アダムズ方式」を採用するように求めているが、自民党は、人口にかかわらず各都道府県で必ず1人は議員を当選させる方式「1人別枠方式」に固執している。公明党と、共産党以外の野党はアダムス方式を支持している。共産党は小選挙区廃止を目指す。都道府県は藩幕時代の名残である。1人別枠は中間共同体温存を目指すもので、個人−国家直結の現代指向と逆行するものだ。2/26国勢調査の速報が出た。衆院の最大格差は2.3倍を超えた。2倍以上が37選挙区になった。
民主・維新合流の党首会談が行われ来月にも両党の合流が行われる見通しとなった。
2/16の毎日は「アベノミクス苦境」をトップ記事にした。前政権(民主党野田政権)の実質GDP成長率は1.7%だったが、安倍政権は今日まで一度もこれを凌駕していない。読売は18日の日銀マイナス金利関連の記事本文の中で、1行だけだが同主旨の発言をした。
昨年の実質賃金指数は-0.9%で4年続けて下落した。一部上場企業決算税引き後利益は3月期通期予想4.1%で、伸びの鈍化が目立つ。昨年4-6月期では42%であった。日銀のマイナス金利発表以降一旦円安株高になったが、すぐ円高株安に反転その流れが続いている。国債もマイナス金利になった。2/13のドルは112円で、昨年の円安期に比べ10円も円高になった。株価日経平均は1.5万円を切った。GDPが−1.4%と、2期ぶりのマイナスを記録した。2/15ドルは114円台、株価は1000円回復。経済は明らかに弱気一方でちょっとしたニュースに敏感に反応する。中国の成長が7%を切ったが、インドの成長が7%を越した。原油安が停まらない。近所のレギュラーガソリンが102円になった。2/18の読売はトップ記事に産油国の資金引き上げが株安を生んでいると指摘した。
毎日に、震災復興検証シリーズ(復興の途上)が始まった。第1部はまちづくり、その第1回は「高台に限界集落」という題であった。阪神淡路大震災では復旧以上の復興事業への国費投入は見送られたが、東北大震災では創造的復興が唱われ、26兆円もの巨大予算が組まれた。1整備区域に対し土地分譲代の50倍に達する事業費が支払われたところまであるという。しかし人は戻らず仮設住まいが続き、若者がいない5-10戸そこそこの限界集落をあちこちに、例えば新造成の高台に作られている。国民が巨額の税金をむざむざどぶに棄てる結果になりそうだ。
2/4おおさか維新の会・松浪衆議院議員が予算委員会で地方分権の推進を問うた。各国首都の機能集中度を比較し、東京が極端に過ぎると主張した。政府の文化庁京都移転案が具体化した。極端な東京一極集中の弊害が誰の目にも明らかになっている。2/5東京神奈川境界あたりで内陸型の地震があった。天災国日本としても機構分散は喫緊の問題である。総務省、法務省、外務省、財務省以外は地方に分散すべきだ。
高市早苗総務相が、「政治的な公平性を欠く」とき放送局の電波停止を命じる可能性に言及した。その事例については、「国論を二分する政治課題で一方の政治的見解を取り上げず、ことさらに他の見解のみを取り上げてそれを支持する内容を相当時間にわたり繰り返す番組を放送した場合」などと列挙。「不偏不党の立場から明らかに逸脱していると認められるといった極端な場合には、政治的に公平であるということを確保しているとは認められない」とした。ジャーナリストが一斉に反発した。ジャーナリストに不偏不党はあり得ない。この種のタカ派が内閣にいることは問題だ。
遠藤五輪担当大臣の外国語指導助手(ALT)派遣拡大についての口利き疑惑が持ち上がった。一部メディアが報じた。丸川珠代環境相は、除染で基準となる年間被ばく量を1ミリシーベルトとしている点について、「何の科学的根拠もなく時の環境大臣が決めた」などと述べた。国会で取り上げられて発言を取り消した。島尻沖縄北方相は北方領土の一つである「歯舞諸島」が読めず、補佐官に助けられるシーンがTVに映った。懸命に弁明したが、この程度のヒトがなぜ大臣との感想はぬぐい去れなかった。自民党宮崎衆院議員(京都3区)が妻出産時の不倫事件で議員を辞任した。自民党丸山参院議員(比例区)が憲法審査会で、集団自衛権に関し日本を米国の51番目の州にすればとか、黒人奴隷の血を引く米大統領などと発言し取り消した。毎日は社説で軽すぎる自民議員に苦情を呈した。丸山氏は委員を辞任した。
シャープが台湾の電子機器大手の鴻海(ホンハイ)傘下に入る。鴻海は最大6.5千億円の援助を提案した。取締役会では13人中シャープ出身の社長を含む5人が日本政府系ファンド受け入れ側だった。銀行側がファンド側の負債放棄案に抵抗した。技術流出より銭回収という選択である。東芝は3月期7100億円の赤字見込みを発表した。
昨年の農林水産物・食品の輸出額(速報値)は前年比22%増の7452億円で、3年連続で過去最高を更新した。海外での和食ブームや円安が追い風という。TPP問題では後ろ向きの発言が多い農産界だが、彼らが攻めの姿勢に転じる好材料と受け取れるかどうか。
2/15関東に春一番が吹いた。
2/15読売夕刊に北大チームがエボラウィルス全5種に有効な抗体を発見したという記事が出た。
北大・順大チームによる生体肝臓移植における拒絶反応を抑える方法が開発された。臓器提供者と患者の双方のリンパ球の混合培養により、異物と認識する免疫細胞の働きを抑える細胞を作成し、患者に投与する。
2/12の各報道機関は一斉に米チームの重力波初観測を報じた。レーザー干渉計型重力波観測所がブラックホール合体時に発生した重力波を捉えたとされる。アインシュタイン一般相対性理論最後の宿題で、東大が飛騨に建設中の「かぐら」もその観測が重要テーマであった。
H2AによるX線天文衛星「ひとみ」の打ち上げが成功した。H2Aの成功率は世界有数となった。
オーケストラ指揮者・小澤征爾氏が、第58回グラミー賞の最優秀オペラ録音部門で受賞した。
2/4のNHKニュースウオッチ9で、スポーツ界で「フェア・ジャパン」が世界の注目を浴びていると報道された。世界反ドーピング機関(WADA)の'13年のドーピング違反の報告書ではロシアが最多で225件、トルコが2番目で188件の違反者が出た。日本は6件で有力スポーツ国では最低だった。儒教倫理道徳の国という韓国でさえ日本の倍以上だった。「フェア・ジャパン」とは、汚い手段を嫌う日本スポーツ界を讃える言葉である。
ノルディックスキーW杯ジャンプ女子は31日ドイツのオーベルストドルフで個人第9戦を行い、高梨沙羅が優勝、7連勝だった。個人第10戦はオスロで行われ、彼女は記録的大ジャンプで8連勝を飾った。オーストリアのヒンツェンバッハで個人第11戦も勝ち、9連勝で、通算40勝に達した。続いて第12戦にも勝ち、10連勝となった。このところW杯ジャンプ女子は彼女のための大会になった。フィンランドでの第15戦で12勝目を取り、今季の総合優勝を果たした。29日の新聞には13戦、14戦での優勝が載った。フィギュアスケートの四大陸選手権(台北)で宮原知子(17、関大高)が自己ベストの214.91点(世界歴代6位)で優勝を果たした。SPもフリーも自己ベストの得点で1位だった。日本、中国、韓国などのアジア選手の活躍が目立った。アメリカ、カナダの選手にもアジア系が多かった大会だった。テニスの錦織選手がメンフィスOPで優勝した。元プロ野球選手・清原和博(48)が覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕された。米女子ゴルフ女子オーストラリア・オープンに野村敏京がでツアー初勝利を挙げた。日本人選手としては4年ぶりの優勝。

('16/02/29)