8月の概要(2015)T
- NHKニュースウオッチ9で安倍首相の戦後70年談話(要点のみ)を聴いた。村山、小泉談話の3倍の長文で、今までの「反省」をことごとく受け継ぎ、積極的平和主義への未来志向を語りかける内容だった。アメリカは異例の早さでそれを評価する声明を出した。アメリカは延々と続く中韓からの歴史問題に嫌気がさしている。安倍首相は戦後生まれの60才、高齢に入っている私ですら戦中は小国民であった。
- 中国韓国は血をひいていると云うだけの理由で、いつまで日本人子孫に「踏み絵」を践ませようとするのか。ほんの一部を除けば、今の現役世代は敗戦時に生まれてもおらなかった。談話に区切りを示唆する文言があることを、中国人韓国人は真剣に検討し、習主席、朴大統領(共に戦争を知らない戦後の生まれ)は真っ正面からそれに答えるべきだ。中国国営通信社新華社が、現天皇に大戦に対する謝罪を求める記事を配信した。昭和天皇が謝らなかったから、敗戦時は子供であってもその皇位継承者が謝れと云う。現代中国文明の思考方法に狂気を感じる。
- 敗戦70周年記念日に対応するように、マスメディアには各様の特集番組が組まれている。私はメディアの戦争誘導、戦意鼓舞、天皇神格化、戦争大義など精神面での指導に果たした役割と、それにたいする自己反省をもっと聞きたかった。かなりはメディア自らの意志であったはずだ。終戦時の天皇の努力(御聖断)は繰り返し報道されているが、美化されすぎと思う。決断の遅さが戦災死者を5割増しとし原爆まで被った。天皇の開戦決心の報道も大切だ。開戦に逡巡されたと云うが、結局はゴーだった。その結果が死骸の山(310万人)と敗戦になった。
- 何事も「軍部の圧力、強制」と、死人に口なしと、今は幻となった旧軍に全責任を押しつけて、我らは従わざるを得なかったと、しゃあしゃあとしているのでは、いくら平和を唱っても彼らマスメディアの本心かどうか疑わしくなる。当時の私は小国民であったが、いまだに「神国日本」「八紘一宇(大東亜共栄圏思想)」「同期の桜(死への諦観)」「神(天皇)御一人」「(死亡直前の)天皇陛下万歳」などのプロパガンダ文言が頭にこびり付いている。NHKスペシャル「女たちの太平洋戦争〜従軍看護婦 激戦地の記録〜」で、死に臨んだ看護婦や兵士が、最後に「天皇陛下万歳」を叫んだという証言が痛ましかった。読売の「戦後70年あの夏」最終回は元国連事務次長の赤石康氏の談話で、「(敗戦で)大人の主張一転 不信感」という題になっていた。私も同じだった。
- 8/8の夕刊読売に「ランドセル地蔵」が載った。疎開児童が疎開先の保育所で米軍機に機銃掃射され死去した。ランドセル地蔵はそれを悼んだ供養地蔵である。私は疎開先の赤屋根の校舎で危うく危機を逃れたことを思い出した(本Webサイトの「子どもたちの8月15日 」('05)、「温泉クルーズ顛末記」('14)など)。お地蔵さんにならなくてよかった。疎開児童の記事はほかにも出たが、私の記憶する集団疎開児の集団脱走事件を取り上げたものはなかった。
- 読売に同世代の俳優・宝田明氏の敗戦時の満州ハルピン事情の回顧談が出ていた。ソ連兵の暴虐暴行略奪ぶりを話した。私の高校生時代の学友に満州引揚者がいて、女性は性的暴力から逃れるために、丸坊主になったと話していたことを思い出す。TVでアニメ映画:「火垂るの墓」の最後のシーンを見た。原作は体験実話に基づく小説という。戦災孤児が日常に見られる日々であった。NHKスペシャル「アニメドキュメント「あの日、僕らは戦場で〜少年兵の告白〜」」で、沖縄戦では、陸軍中野学校出身将校によりほとんど強制的に召集された約1000人の13−17才の少年が、ゲリラ戦に投入されていたことを知った。本土決戦に備えた同様の準備が進行中であった。米軍資料には「天皇陛下のためには死を辞さぬ」少年隊と記録されていた。あのころ私もその年齢に近づきつつあった。
- 朴韓国大統領が、日米が朴氏の参加に憂慮の念を伝えていたのにもかかわらず、中国の「抗日戦争勝利70周年」の記念行事である軍事パレードに出席すると発表した。欧米先進国の首脳が参加を見送る中、朴氏だけが突出した形になる。敗戦時同胞であったはずの在日朝鮮人が戦勝国人を擬した行動を取るようになった記憶が甦る。朝鮮戦争では米国は直接に、日本は間接に北朝鮮と中国の侵略から韓国を守った。戦後の復興にも多大の努力を惜しまなかった。韓国民は信じるに足る民族であろうか。
- 人民元の対ドルレート基準値が11日12日13日と3連日引き下げられ(合計4.5%)、ほぼ市場価格となった。基準値を中国政府が管理し、変動幅を制限している限り、金融市場の自由化にはほど遠い。8/22日経平均株価は2万円を切り、122円/ドルの円高を記録した。中国経済の不調は全世界を揺るがしている。8/24に株価は1.8万円台に下がり、120円/ドルと円高基調になった。4−6月期GDPが1−3月期に比し0.4%ダウンした。賃上げより物価上昇の方が先を行く状態も低迷の重要な原因に上げられている。翌日日経平均は1.8万円を切り、為替相場も120円/ドルを切った。
- ハワイにおけるTPPの閣僚級会合が目指した大筋合意ができなかった。NZの乳製品と新薬に関する強硬姿勢が合意ムードをぶちこわしにしたと伝えられた(読売)。アメリカの自己都合による根回し不足もある。本Webサイトを検索すると、TPP関連の記事が40−50出てくる。問題の多様性と対立の深さは、妥結が容易でないと危ぶまれていた。日本には、アメリカ大統領選のような差し迫った国内政治事情はない。妥協を焦らず悠々と長期戦を戦えばいい。内部告発サイトでアメリカによる日本政府会話盗聴疑惑が報じられ、米副大統領が陳謝した。TPP首席代表の甘利経財担当大臣は盗聴覚悟だったと云った。
- バター、チーズが品不足になり、国際価格の3.5倍の高値を呼んでいる。関税に輸入統制と2重3重に農業者を保護した結果である。今の農政はすべてが消費者の犠牲に於いて成り立っている。自給率100%であったはずの戦中の都会民の食料調達が如何に困難であったかを知る私は、自給率35%でしかない今日、農産品は完全自由化して、緊急時の外国に対する窓口をできる限り広げる工夫をすべきだと思う(「身近な雑草U」('11)、「新日本紀行いろいろ」('11)、「TPP亡国論」('12)、「TPP賛成論」('13)ほか多数)。
- 中国天津の工業地帯で化学薬品倉庫の大爆発が起こり、16日時点で112名の死者と95人(内85人が消防士)の行方不明者を出した。倉庫には硝酸カリ、硝酸アンモニウム(硝安)(共に爆薬原料)やカーバイド(炭化カルシウム)があった。倉庫の火事で放水したらカーバイドと水でアセチレンを発生し、その反応熱で着火、さらに爆薬原料を誘爆させたと思われる。24トンのTNT爆薬、トマホーク50発以上に相当する爆発だったという。猛毒のシアン化ナトリウム700トンの大半はどうやら無事だったようだ。危険物毒物管理のずさんさと安全知識水準の低さが問題だ。進出日本企業の被害と今後への深刻な影響が報道されている。タイの首都バンコックの繁華街で意味不詳の爆弾テロがあり、20名からの死者を出した。トルコの偽造パスポートをつくる中東系らしい外国人が逮捕された。イスラム教徒の多いウィグル族(トルコ系)の脱中国ルートとの関係が疑われている。
('15/8/31)