一月場所第4日目

大相撲観戦に出掛けた。以下は本Webサイト:「大相撲クルーズ」('14)の続きになる記事である。
13:43のバス、14:10の普通電車で、両国には15時5分前到着。西口から出る。いつもは右に折れて江戸東京博物館に向かうのだが、今日は特別で国技館へ向かう。力士の幟がたくさん立っていて景気を付けている。南門前に人がいっぱい。揃い踏みが15:45だから幕内後半取り組みの力士はそろそろ入場してくるのだろう。それがお目当ての人だかりなのであろう。南門が入場門である。私も家内も国技館入場は初めてだから何もかも珍しい。きょろきょろしながらカメラを回していたら、突然カメラがPCで云う暴走状態になった。リセットボタンにすら反応しない。このカメラは何度かこんな状態を経験している。慌てず騒がず電池を外す。入れ直してスタートさせるがやっぱり画面は真っ暗。せっかくの見物なのでちょっと慌てた。もう一度電池を入れ直したら元通りに動き出した。
相撲博物館は止めて相撲案内所のお茶屋通りに急ぐ。お土産引換券を出したら、席まで案内方々運んでくれた。心付けは現生だから1枚。ポチ袋だったら1コインだったのだろう。お土産袋には湯飲み2客、焼き鳥1箱、幕の内弁当1折、ほか饅頭とかあられと云った菓子類が入っていた。湯飲みには、歴代横綱一覧表が焼き付けてあった。焼き鳥とは変わっているが、トリは2本脚だからと縁起を担いでの名物になったそうだ。お茶屋の案内で、とは古風なやり方だ。昔の芝居小屋もこんなシステムだったのではと思う。
東11側10と云う我らの席は1F枡席Bのまあまあの位置だった。土俵からの距離、力士の正面か背中か、側面かの違いだけで、下手な劇場のように柱に観戦を邪魔されるようなことはない建築構造になっている。近頃は柱など見かけないのが当たり前になったが、この第二代国技館建設当時は珍しいのではなかったか。4人定員の枡席に2人が座るので楽だ。枡席の大きさはおそらく江戸時代からの寸法だ。あの当時の日本人は小さかったから良いが、現代のように平均身長が伸びた時代での4人には窮屈すぎる。我々の前列は1枡に4人入った。お気の毒な状況だった。
枡席の記憶は愛媛の内子座、琴平の金丸座以来だ。内子座は劇場見学だけだったが、金丸座ではこんぴら歌舞伎を見た。1F全部が枡席だった。私は若い頃に京都の南座で顔見せを見たことがある。大改装前だった。枡席は1Fにあったと思うが、我々は2階の椅子席だった。国技館も2Fは椅子だ。我々の並びが、飛鳥Uの「大相撲クルーズ」のメンバーであることは直ぐ解った。その中の1枡はクルーズで顔見知りになった方だった。京都出身とおっしゃったように記憶していた。この日はホテルに泊まられるようだった。1枡だけは最後まで空いていた。
歌舞伎なら大向こうというのだろうが大相撲では何というのだろう、胴間声に近い大声で贔屓方を応援する男が真後ろにいて、相手力士へ声が掛かると掛け合いのように瞬時に打ち返す。よく通る声だから喧しいこと喧しいこと。胴間声とは上品な言葉遣いを指すのではない。国技館の座席は土俵から遠ざかるほどせり上がって高くなる。B席あたりまでは2階席がせり出している。音を反射させる構造だ。国技館館内は閉じた空間であるのと相まって、怒鳴る奴を勢いづかせる。前の座席からも声援があるが、我々には響かない。横綱の土俵入りがあってからしばらくして満員御礼の垂れ幕が出た。1万を超す観戦客が入った。前夜にちょっと心配になりインターネットで空席案内を調べていた。この日に限らず、場所を通してほとんど切符が完売されていた。
双眼鏡は役立った。B席あたりからでも、贔屓筋だとか容貌体型に特徴ある力士とかは裸眼で十分だ。身体を動かすときの癖も頭に入っているから、塩の撒き方一つで誰と判るヒトも多いだろう。ハイビジョンのTVで見馴れているから尚更だ。それでも観客としては意識集中していない力士はお気の毒ながらすぐには誰と判らない。そんなときに双眼鏡である。溜席に一人連続フラッシュを焚くのがいて目障りだった。勝負の面白い懸賞の多い番組に限ってパッパッッパッ・・・・とやるのである。カメラを抱えた観客は大勢いたが、たいていはフラッシュを自粛し館内の照明だけで写真あるいは動画にしている。私もその一人だったが、戻ってからがっかりした。10年前の製品だからイメージセンサーの感度の悪さが室内ではモロにでるのだろう。手ぶれ防止機構付きにもかかわらず、手ぶれがひどい。これも最近の製品では改良されているのだろう。
大相撲クルーズに乗船した4力士、白鵬、稀勢の里、勢と豊ノ海は、私が直にこの目で身近に見た唯4のお相撲取りだ。ことに白鵬は乗船早々に握手してくれた関取だ。彼らの勝敗は気になる。まず豊ノ海はかなり押していたのに安美錦のうまさに転がされた。上手出し投げ。稀勢の里は栃ノ心を慎重に寄り切った。大相撲クルーズにも乗船していたが、稀勢の里には熱狂的な後援会があって、黄色で目立つ揃いの法被を着けた2Fの大応援団が大騒ぎだった。彼らは出身地の牛久から来ている。高安にも応援団が贔屓声をからしていた。勢は勢いなく、鶴竜にはたき込まれた。
白鵬vs照ノ富士の1戰には土俵2周分の懸賞が付いた。照ノ富士は3日目までに2大関を倒しておりひょっとしての期待の一戦となった。なかなかの熱戦で、照ノ富士がもろ差しになったのであるいはと思ったが、流石に横綱で、すくい投げで仕留めた。実力者同士の力相撲が期待された琴奨菊vs逸ノ城戦は、飛んだと云うほどではないが逸ノ城が横に変化し、はたき込みで勝った。館内はブーイングの嵐。相手より大型で真っ正面から行っても勝ち目があると思われている力士が「省エネ」戦法をとったと思われた。

('15/1/15)