青葉の森公園のお花見

中央博物館の見学(本HP「千葉県立中央博物館2013年春」)をしてから、博物館がある青葉の森公園のお花見をやった。
ソメイヨシノが道路に並行して街路樹のように植わっている。樹齢もかなりで大木が多い、満開であった。まことに見事だ。同じく満開のイズヨシノを見る。聞き慣れぬ名だった。イズヨシノ(伊豆吉野)はオオシマザクラを父とし、エドヒガンを母とする交配品種だとインターネットに出ていた。父母は種としてはソメイヨシノと同じ組み合わせだが、ちょっとオオシマの性質が強く出ているようだ。葉の緑が強い。ヒザクラとしてはカンヒを見たし、カワズザクラ(もう葉桜に近い)も見たが、概して数が少ない。オオシマザクラは寂しいから、ヒザクラを要所要所に配置したらサクラ全体の色風景が賑やかになるのにちょっと残念だった。その点は緑も多い新宿御苑の方が数等立派である。サトザクラはまだこれからだった。あと2週間も経てば咲きそろうだろうから、4月上旬にでも第2回目の花見をやろうと思った。
博物館近くの、毛虫が垂れ下がるような花をつけた高木は、クヌギかハンノキか。幹表皮が滑らかだったからたぶん後者だ。生態園ではアオキとシキミ、クロモジの花を見た。公園にモクレンの紫色が映えていた。サンシュユ、トサミズキ、ヒュウガミズキは盛りだったが、マンサクはとうに散ったあとだった。花の美術館でもときおり見かけるが、奇妙な服装髪型のモデルを連れた一団が、あちこちの花を背景に盛んに写真を撮っていた。本の表紙でも飾るのかな。戻り道百貨店に立ち寄った。そこの庭のゲンペイシダレモモが紅白の花をつけていた。幼稚園前のハクモクレンはピークを過ぎたが、それでも木によっては立派だった。
12日を経てまた青葉の森公園にお花見にでかけた。今回はサトザクラ中心の花見がでである。
さすがにソメイヨシノは終わりだった。さほど風は吹いていなかったが、絶え間なく花びらが空に舞っていた。道路も一面が花びらだった。でも思った通りサトザクラは見事に咲いていた。サトザクラと云ってもいろいろある。青葉の森公園のサクラの植樹は品種ごとに纏めてあるので、花並木を楽しめる。私はいつも中央博物館あたりから時計回りに公園を一巡する。最初のサクラ並木はイチヨウである。花は薄桃色の八重で、手入れが良いのか、枝に犇めくように咲いている。薄い黄茶色の若葉があるが、ほとんど目立たない。イチヨウの並木に繋がるように数は少ないがコウカ、カンザン、ショウゲツなどがある。満開まではまだ間がありそうだ。コウカとは紅華(桜)と書き、緋色の八重咲きの大輪と図鑑にある。たしかに大輪だった。
ベニガサ、バイゴジジュスカケザクラ、スルガダイニオイ、シロタエもまだまだだが花はつけ始めていた。この4種は初めてお目に掛かる品種であった。2番目のサクラはあとで調べてみると漢字では梅護寺数珠掛桜と書かれていた。梅護寺は新潟県阿賀野市のお寺で、数珠かけとは、数珠のように花がつながって咲くという意味。国の天然記念物という。お寺からはときおりそこにしかない珍種が出てくる。京都の二尊院には二尊院普賢象があったし、奈良の東大寺知足院の裏山で見つかったナラノヤエザクラ(奈良八重桜)も有名だ。フゲンゾウ、ウコン、ギョイコウにはまだ花がなかった。みなと公園のウコンはもう満開に近かったから、この品種はクローンではないのだろう。みなと公園のそれはベニヒガンシダレザクラと並んでいるので、その薄い黄緑色の八重咲きの花がひときわ美しく見える。花びらの黄緑は葉緑素によるものだそうだ。
青葉の森公園のショウゲツ
青葉の森公園のカンザン
青葉の森公園のイチヨウ
青葉の森公園のベニガサ
青葉の森公園のヤエベニオオシマ
みなと公園のウコンとベニヒガンシダレ
わんぱく広場から荒久古墳に向かう道の青葉ヶ池のあたりのサクラ並木はヤエベニオオシマという。満開だった。花は薄桃色だが、若葉がオオシマと同じく緑でそのコントラストが目に付くサクラである。揃って太い樹幹の木で樹木としても今が盛期なのであろう、なかなかに美しかった。彫刻の広場から芸術文化ホールへの道を辿るとオモイガワとコシノヒガンザクラが一群に植わっていて、あと僅かで満開といった風情で咲いていた。まだ若木のようだった。ヤマザクラは青葉の森公園では見なかった。みなと公園のは6分咲きと云ったところだった。私は一重の薄桃色で、負けずに多い黄茶の若葉と同時に見られるヤマザクラが好きだ。NHKの「もういちど、日本」であったか、吉野のサクラは大半がシロヤマザクラだと云っていた。私が見ているヤマザクラと同じなのか違うのかややこしい話だ。お花見に出かけるときは、ソメイヨシノは別格にして、あとはヤマザクラ、サトザクラ、あとちょっと特殊なサクラ、たとえばフユザクラ、ウコン(ギョイコウも?)ぐらいで良いのではないか。サクラの花を小鳥が啄んでいる。ツグミともヒヨドリとも区別がつかなかった。多分前者だと思っている。
この公園で見たのではないかも知れぬが、ハナズオウ、ハナカイドウ、ハナミズキ、ライラック、カリン、キクモモ、モクレンオウバイが盛りだ。ゲッケイジュの小さく黄色の連なった花を近所で見かけた。アオキの花が目立つようになった。シキミとクロモジはもう花が終わりだ。ドウダンツツジはこれからが楽しみ。生態園ではムラサキケマンの赤い小花を見た。シュンランが見れたのも幸運だった。イタドリがもう少しで食べ頃になりそうだった。帰途NTTの小庭で、ハハコグサとコバンソウをこの春初めて見た。カラスノエンドウ、タンポポ、スズメノカタビラ、ナズナ、ハコベ、タネツケバナなどに混じって顔を出していた。
お花見のマナーも変わった。前回は土曜日ではあったが肌寒かった、今回は週日であったと言う点を割り引いても、一群が飲んだくれて大騒ぎをすると云った光景は、お目に掛からなくなった。目立つのは小さい子供を連れた家族だった。私は酒もたしなまず、団子も持参しないお一人様の花見だったが、それなりに結構楽しめた。巡回している監視員?の姿もあった。青葉の森公園は、安心して散策が楽しめる平和な公園になっている。

('13/04/06)