四月要諦
- 大相撲は白鳳優勝、サッカーはバーレーン戦に1:0で辛勝。イチローが胃潰瘍から立ち直り、4/16今季初出場で2安打し、張本の通算最多安打記録3085本に並んだ。翌日から安打を放つ毎に新記録。2016年オリンピック開催地に立候補した東京の調査に、国際オリンピック委員会(IOC)の評価委員会の一行20名が来日した。知事先頭の歓迎ぶりが毎日報道されている。一行の内投票権のある人は6名、問題は国民の中ではそう盛り上がらない点である。私は、一極化をスポーツにまで拡大するという意味で、東京での開催は反対である。
- 3月下旬の千葉県知事選挙で森田氏が当選。堂本知事引退で新人5名が立候補し、久しぶりに活気のある選挙戦になった。民主党推薦の吉田氏と、はじめ民主党が推薦を表明したがのちに取り止め、代わって公明党が推薦した白井氏を加えた三つ巴戦であった。堂本氏地盤を吉田、白井両氏が2分したことが、森田氏当選の一番の理由であったと思われる。前回選挙では堂本氏と森田氏は拮抗していたから。当選後森田氏は公職選挙法違反問題で市民団体から告発を受け、企業献金問題で献金返還を行った。4/22 95万政令都市の千葉市々長が収賄容疑で逮捕。名古屋市長選では民主党が勝ったが、その優勢は戦前から噂されていた。4/12の秋田知事選挙でも前知事の方針を継承する民主党推薦の川口氏が自民党推薦の佐竹氏に敗れた。麻生内閣は所謂真水として15兆円有余の景気対策費を計上すると発表した。国債発行高が国税収入を上回る予算になる。NHKの世論調査は麻生内閣の支持率が20%台を回復したと伝えた。4/末では30%台。
- 日本の貿易収支が28年ぶりで7千億円あまりの赤字になった。IMFは本年の世界経済予測を-1.3%成長とし、日本は-6.2%とした。中国は6%台、インドは4%台の成長をキープする。
- 4/14 NHKクローズアップ現代で、20歳台若者の投票率低下問題を取り上げていた。20歳台前半では高齢者層の半分の投票率しかない。これでは年金とか介護とか後ろ向きの政治にばかり力を取られて、将来を開拓する前向きの政治になりにくい。インターネット選挙とか年層別投票区とかの対策が示されたが、それは戦術論で、根本にふれる戦略論ではないと思った。民主主義が当然の世代には、軍国主義に苦しんだ経験のある我ら世代と違い、その有難味は分からぬものと見える。4/19の読売に留学したがらない学生の記事。年々減り続けているという。iPS細胞研究はせっかく山中教授が先行したのに、周辺の研究をどっとアメリカ勢が取り込んで、いまや日本の関連研究論文は世界の1/10程度という。予算も1/10ながら、研究者の絶対数が1/10なのが最大の理由。4/24読売に、米チームが遺伝子を使わずにiPS細胞を作る方法を開発したと出た。既に故人になられた恩師が、博士コース学生にこのテーマをやれば博士号は確実ですかと問われたとこぼしたのがもう10数年昔。困難な険しいテーマ程人気が出る雰囲気を若者に期待することは無理なのであろうか。
- 大手電器機器量販会社ベスト電器が、障害者団体向けの郵便割引制度を悪用して、過去2.5年間にDM広告の13億円の経費を節約していたとして、大阪地検から告発された。障害者団体は実質活動のないペーパー団体で、理事長は名義貸しにより巨大な謝礼を得ていた。財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市)が公益団体であるのにもかかわらず、多大の利益を上げ、それの使い道が理事長一家の支配する事業体に集中している問題を、京都地検が背任容疑として捜査中である。
- 受粉期のミツバチ不足が世界的問題になっている。アメリカにおけるミツバチの大量死や大量失踪(原因不詳)、オーストラリア女王蜂の伝染病発生による輸入禁止は我が国果物農家に深刻な影響を与えそうだ。
- 4/13 NHKクローズアップ現代続いて4/22読売6面に、ロボット兵器発展に関する報道が出た。NHKは日本の平和ロボット技術が軍事目的に転用される危険性を取材し、読売はイスラエル軍の無人兵器開発が進化している現状を伝えた。
- 全国学力テストが中3と小6を対象に実施された。NHKは類似の一斉テストが別途都道府県単位、市町村区単位で重複実施されている不合理を取り上げた。東京都は全国、都、区の3種のテストが互いに無関係に実施され現場と生徒の負担になっている。教育官僚の無駄遣いの標本である。
- 塩見美喜子慶大医準教授が第29回猿橋賞を受賞した。4/21の毎日には、RNAが不要なタンパク質をつくらないようにする仕組みの解明に取り組んできたとあった。京大院出身の農学、医学博士。
- NHK歴史秘話ヒストリアで「明治 悪妻伝説 初代“ハンサムウーマン”新島八重の生涯」を見た。同志社創立者・新島襄の奥方で、男尊女卑の殻を打ち破る行動力の持ち主であった。戊申戦役では会津藩鉄砲指南役の娘として新式銃で官軍と渡り合ったという女傑であった。埋もれかかった人物の発掘として新鮮であった。ただ渡邊あゆみアナウンサーの茶道に対する読み:「チャドウ」は誤りではないが、我ら世代は「サドウ」と長らく発音し続けてきたので、耳障りであった。
- NHK新番組「追跡! A to Z」の「無届け老人ホームの闇」、NHK SP 「介護保険が使えない〜10年目の検証〜」を見た。群馬の無届け老人ホームの火災で9人が施錠のため逃げられず焼死した事件以来、NHKは精力的に介護の現場を取材している。介護保険は家族を介護から解放し、被介護者も在宅で介護を受けられると言う理想だったが、介護事業への民間の参入は頓挫し、要介護者の増加は年ごとに増大している。介護保険を支払い続けても、これでは「運が良ければ」介護して貰える保険になりかねない。貧困高齢者は悪徳ビジネスと解っていても無届けホームにしか行き先が見あたらない。有料老人介護施設(入居時2千万円、月20万円)の紹介があった。平均的有料施設である。満足のゆく介護レベルは高価につく。何らかの形で今後も被介護者は支払いを増やす以外取る道はない。
- タイ国で開催予定のASEAN+日韓中の首脳会議がデモ隊乱入により開催不能となり順延になった。デモ隊は反アシビット首相・親タクシン元首相のグループである。タイはバンコック一帯に国家非常事態を宣言した。
- 北朝鮮が日本本土を通り越すミサイル実験を行った。第1段の燃えかすも第2段以上の燃えかすも予告通り(と言ってもかなりの幅があったが)の位置に落下し、打ち上げ技術の向上を印象づけた。国連安保委議長名で非難声明が出された。
- パキスタン・タリバンの内情に迫る記事が読売に出ている。4/21の記事。600万人の住む政府統治の力が及ばぬアフガン隣接地帯の、救いようのない貧困農村地帯にタリバン組織が根を広げる。中間層のない貧富両極端の描写は、その社会システムが分配の公平化に動かぬ限り、日本が表明したとおり10億ドルを拠出しても、富裕層をさらに肥らせ対立激化を導くだけではないかと危惧させられた。ソマリア海賊同様に拉致ビジネスがタリバンの1事業のごとくに横行している。
- 一旦延期が決まっていたかのごとくに報道された、中国のIT機密強制開示制度が強行実施されると4/24読売に出た。知的財産のただ取りである。個人レベルではICカードやATMなどの暗号情報が読みとられ、企業は中国企業へのK/H漏洩により企業損失を受け、我が国の国家機密すら中国が易々と入手出来るようになる。何度も書いたが、世界がやっとたどり着いた知的財産権の合意事項を頭から否定する行為で、諸国は一致して強硬な対中国政策を打ち出すべきである。4/29中国は1年延期と政府調達品に限るとした。基本的に国家産業が経済の根幹であった中国の政府調達品範囲を考えれば、実質は殆ど変わっていないと言える。発表された対象品目には、集積回路チップの基本ソフトから始まりあらゆる基幹製品が含まれている。
- 豚インフルエンザが世界的に拡大し始めた。WHOは4/30新型インフルエンザによる警戒度をフェーズ5と位置づけた。世界的大流行の一歩手前という意味である。メキシコが発生源で、すでに感染による死者は108人を数える。ウィルスがヒト・ヒト感染能を獲得したことは確実視される。ただ他国人での死者は報告されておらず、アメリカでは抗ウィルス剤のタミフルなどが有効としているので、どこまでの脅威かは不明。H1N1型でソ連A型に近いという。今まで警戒されてきた鳥インフルエンザのH5N1型とは違う。人体に免疫力はない新型ウィルスだが、4/30 WHOの観測情報では、毒性は致死率0.5%であった'57年のアジア風邪程度で、2.0%で猛威を振るった'18年のスペイン風邪よりはずっと弱いようだ。
('09/04/30)