六月要約
- 省エネ目的でサマー・タイムが検討されている。確かに日の出日の入りに生活を合わせるのは自然だ。いっそのこと、江戸時代の不定時法に戻ってはどうだろう。日の出はいつも明け六ツ、日の入りはいつも暮れ六ツというように。すべての生活ルールが時間的に簡単になる。
- ジャマイカのボルト選手が100mに9.72秒の世界新記録を出した。ジャパン・オープンの200m平泳ぎ決勝で、北島選手が世界新を出した。この大会では17個の日本新が出たが、その内の16個がスピード社の水着LZRを着用した結果であった。だが、北京五輪に向けて最終調整段階に入り各選手が最高レベルにある時期での結果である。たまたまトップ級の選手がこの水着であったからかも知れない。数理統計学的検証をした上で水着に対する軍配を挙げて欲しい。好記録の原因が水着の附着空気泡による浮力付与にあると指摘されている。浮力付与には数値規制はないが禁止項目に入っているため、我が国メーカーは踏み込まなかった方法だという。
- T.ウッズが全米オープン・ゴルフをプレイオフの末制した。手術の左ひざの痛みを抱えての優勝であった。6/22ソフトバンクがプロ野球セ・パ交流戦を制した。始まって4年目になるが、未だセントラル・リーグから覇者が出ていない。今年もパ・リーグが勝ち越した。リーグ実力に有意差を感じる。伊達公子選手がテニスのツアー下部大会、東京有明国際女子オープンに優勝した。引退後12年37歳の復帰第4戦で、いろんな意味でスポーツ界の注目を浴びている。陸上の北京五輪代表が決まった。読売は「五輪ベテラン続々」の見出しで、選手寿命が延びたことと裏腹に、若手の成長がないことを指摘した。
- 6/8秋葉原の歩行者天国で、25歳男性がトラックで人をはねた上、サバイバルナイフで無差別に人を刺した。7人が殺害され10人が傷を負った。犯人は勤務態度がよく、学校成績もよかったが、キレ易かったという。新聞に将来雇用不安説が出た。彼は派遣社員であった。年功序列終身雇用打破、実力に見合う所得、職業選択の自由はかってのマスコミのお題目であった。彼らは自由競争社会に入っても、日本社会のそれまでの美風と言える道徳性堅実性が保たれると誤解していた。
- 6/8開票の沖縄県議選で自民、公明などの与党が野党に敗れた。6/9 TBSは世論調査の結果として、民主党支持(26.3%)が自民党支持(22.6%)を上回ったと告げた。同日のNHKニュースでの世論調査結果では自民が30%台、民主が23%台で、接近したが逆転はしていない。後期高齢者医療保険をネタにばらまき論が国会で飛び交っている。一度小沢民主に政権を渡し、民主党政権なら実際は何が出来るかを問うたらよい。前原民主党副代表が心配するように、増税のない福祉大サービスなどあり得ないとすぐに判断が付くであろう。正論の人を政治の主流に据えなければならない。6/29 自民・園田政調会長代理(衆議院、熊本県4区)は数千億円規模の補正予算案の秋臨時国会への提出を示唆した。内容は今話題の高齢者や原油高を対象にした、要するにばらまきである。政府は小泉内閣以来の骨太08を唱ってはいる。
- NHK TV「問われる戦時性暴力」('01)に関する取材先の期待権が最高裁で否定された。国と昭和天皇の責任について、取材先が下した判断を省いた報道を行ったことに対して、取材先が訴訟を起こしていた。取材先の意図と無関係、場合によっては正反対の報道をされるケースはままある。報道機関の意図と取材先の意図が合致することはまず起こり得ない。取材先の発言は、しゃべった瞬間から一人歩きするものと覚悟せねばならない。時にはその一部分だけが反対の証言に使われることだってある。むかしはこのマスコミの暴力に対抗手段が無く、泣き寝入りだった。今はささやかながらインターネットという武器で切り返せる。一般的発表はなるべく控えて、真意をインターネットに流す。だから私人法人を問わず、ことある時を予想して、自分のホームページを日頃整備しておくべきだ。
- M7.2の岩手・宮城内陸地震が14日朝に発生し、18日朝の段階では11名死亡、11人行方不明、負傷者230名あまりと判明している。東北中央を走る山脈に沿ったひずみ集中帯の深さ8kmという浅い震源地であった。大型の山崩れが特徴的であった。
現役の国交省北海道局長が官製談合指導の容疑で逮捕された。天下りしたOBとの共同謀議である。国交省地方事務所公用車運転と整備に関し天下り会社の談合が浮上した。天下りとリンクした談合が当然の利権のようにはびこっている。
- 6/30のNHK SP 「何を削り 何を残すのか 〜大阪“橋下改革”の舞台裏〜」は橋下新知事の赤字財政立て直しの苦闘を描いていた。一旦ばらまかれたら、府の財政が夕張市化する危機状況になっても、打ち切りは受益者には悪政の極みと写る。府庁職員給与の15%カットを入れても200億円弱の新たな府債が必要という。健全化へ歩みを進めるか、ばらまき論に終始するか、府議会の判断に注目したい。
- 第49回藤原賞に柏原京大数理解析研究所長と竜田早大理工学術院教授が決まった。副賞1000万円。アカデミックな分野の日本人研究者を対象としている。京都賞が副賞5000万円で科学・技術や思想・芸術と幅広く世界から選ばれるのと対称的だ。その第24回受賞者は、コンピュータ処理アルゴリズムのR.M.カープ氏、細胞内情報伝達システムのA.J.ポーソン氏、C.M.テイラー氏に決まった。毎日は25面の小さな記事であった。読売には出ていなかった。日本随一のノーベル賞クラス大型賞金の、世界を視野に入れた科学技術賞の取り上げ方としては寂しいかぎりだ。平素口を開けば科学立国とか技術立国というマスコミの、本心を見たり枯れ尾花か。読売は後援の藤原賞には1ページを割く報道をしたのに、今回の京都賞を全く無視した。度量の狭さよ。宇宙ステーションに日本の有人宇宙施設「きぼう」が宇宙飛行士・星出彰彦さんらにより取り付けられ、実験準備が始まった。彼は無事帰還。
- アメリカ大統領民主党候補がオバマ氏に確定した。全州で予備選挙が戦われ、獲得代議員数はクリントン氏が1925人、オバマ氏が2132人であった。今後は双方の間の亀裂をいかに修復するかである。6/5の読売はマケイン氏有利の予想を伝えた。6/7クリントン氏は選挙戦から身を退いた。
- 中国社による偽NEC製品がNEC社に60億円の売り上げ損失を与えている。日本における中国人の犯罪組織が在日中国人中心に着々と組織されつつあるという。中国で旧日本軍のものと思われる毒ガス弾による人身事故が報告された。東シナ海日中中間線上の海底ガス田の内、白樺への日本側投資、翌檜南方洋上での新規開発に関する日中合弁を認めることで、両政府が合意した。領土問題と、中国側が既に手を付けているその他のガス田に関しては、棚上げのままの合意である。
- 6/15のNHK SP激流中国は公立の大病院を中心に医療事情を報道した。かっては医療サービスが全国民に無料であったのに、今ではアメリカ並みに私費負担で、患者を抱えた家庭は破産しかねないほどの費用を支払わねばならない。保険制度は未発達だ。それでも施設と医師の揃った都会の大病院は患者で溢れかえる。診察券を手に入れるためだけに2昼夜並ばねばならぬ。病院は独立採算のため、富豪層向けの総合特別病院化を目指す。日本では、先端医療が一部の「後期」高齢者ではわずか1割の負担で、窓口に長蛇の列を作ることもなく受けられる。私は、乳幼児に対する福祉サービスには何ら異存はない。だが、行き過ぎた老人福祉には反対だ。アリとキリギリスの寓話にあるように、老人個々の今日の事態はかなりが自己責任の問題である。
- 韓国李明博政権の支持率が急低下し、10%台という。直接原因が米国牛肉輸入解禁にまつわる問題という。大統領就任以来まだ100日だ。福田内閣の支持率は就任時(昨9月)の6割弱からその半分以下までに落ちたが、いまは足踏み状態で持ちこたえている。日本では一般に急激すぎる変化は好まれない。韓国人の激昂性は今に始まったことではないが、渡部昌平:「つきあいきれない韓国人」をついつい思い出してしまう。
- 6/22のNHK SP「沸騰都市 第3回ダッカ “奇跡”を呼ぶ融資」を見た。最貧国であったパングラデシュが年率5%の経済発展を持続している。それを支えるNGO BRACの首都ダッカ(人口1100万、急増中)における無担保少額融資活動をレポートしていた。ほぼ100%の返済率が、土地に根付いている精神文明の重要性を物語る。貧困層への投資により彼らを起業家として育てている。貧困国の映像は救いのない暗さが付き物であったのに、周囲を勇気づける明るい報道であった。
- 6/23のNHK SP「マネーの暴走が止まらない〜サブプライムから原油へ〜」を見た。ふくれあがったマネーは、利潤を求めてうごめき回る。アニメ「もののけ姫」ではシシ神が首を討ち取られて、デイダラボッチになり森の生命を吸い取りまくったあげくに、肥大化した体を支えきれず、どうと湖面に倒れる。シシ神が金融工学の華・証券化商品で、住宅価格暴落で首を討ち取られ、オイルマネーのデイダラボッチになって、世界のあらゆる企業をあらゆる資源を買い漁っている。原油高騰をネタとする証券を、サブプライムで懲りたはずの証券ディーラーが売る姿が印象的であった。いつどんな風に倒れるのかその時の世界はどうなるのか誰にも予測できない。
- NHK BS世界のドキュメンタリーが5夜連続でエネルギー問題を取り上げた。23日はカナダのタールサンド開発ブームと環境問題、24日はボルネオのパーム油生産と森林破壊、25日はアメリカの遅れる温暖化対策、26日27日は石油の起源と枯渇予想であった。クローズアップ現代は温暖化問題に関し、23日にヒマラヤ氷河湖決壊の危機、24日に炭酸ガス回収新技術を取り上げた。また石油高騰により石炭が復活している事情も報じた。タールサンド、パーム油、石炭いずれも同じカロリーでの比較なら環境への影響度は石油よりも高い。核の脅威、テロの脅威より温暖化の脅威に関する報道の量が増加している。
- 実務者協議で北朝鮮が日本に対し、拉致の再調査とよど号犯の送還協力を表明した。続いて核申告し、アメリカはテロ支援国指定を解除する手続きに入った。試験黒鉛原子炉の冷却塔爆破のショーがアメリカの費用負担で行われた。北は拉致問題は解決済みという態度から議論するという段階に来ただけで、交渉の日時も梨の礫である。よくある大統領任期末の過剰譲歩という批判が高い。
('08/07/01)