二回目の給料


学校を出て貰った最初の給料は心して使い道を決めるんだよ。まずは親にその何割りかを渡して初めての給料なんだ、少ないけど、と言うんだ。たくさん云うとぼろが出るからさりげなくな。親はあほうだから善意の上に善意に取って、棺桶に入るまで繰り返し繰り返し息子の娘の親孝行を吹聴して歩くことだろう。君らはたぶんもう既にその何千倍何万倍も前借りしているはずだし、これからのおこぼれだって山のように期待していることだろう。これほど安全で利の多い投資はないんだよ。
さて二回目の給料では東京化学同人の化学辞典を買う。私はこの前身とも言える化学大辞典を長く愛用した。同じ編者による化学辞典も殆ど発売と同時に買って試してみた。推薦できる立派な内容だ。今の日本で一番新しい化学系の辞典でもある。化学系出身というレッテルのもとでは学生時代ほどには他人に自由に化学を訊ねられない。この忠告を守ればきっと感謝したくなるときがくる。騙されたと思って買って見るんだな。今の新入社員は手取りが10万は軽く突破しているだろう。この辞典は買える範囲だ、ぜひそうしなさい。
また余計な世話焼きをやる。でも心配なのである。映像世代には本を活用する習慣が根付いていない。本に1000円以上を支払うとなると心理的には結構抵抗を感じるらしいのである。皆様がたの教育現場ではどうですか。

('95/02/12)