
- 「鮭の浸透圧」の私の疑問「太古の海」について適切なご教示を有り難うございました。体液の浸透圧は機能から決まったのでしょうね。今一番繁栄しているお魚で陸生動物のご先祖様の後輩、硬骨魚は我々のように低浸透圧でその起源もせいぜい3ー4億年前だそうで、もうその頃は海の組成濃度は決まっていたのだから。と自問自答しましたが、それでも硬骨魚以前の魚がたぶん海水と等圧に出来ているのにあえて低圧を選んで成功した理由は分かりませんでした。「浸透圧進化論」やって見ませんか。ともかく又ホラついたと云われなくて良かった。
- 現代化学をパラパラやっていたら広告が目に入った。公開講座を本にしたとある。テーマは老人病である。癌、糖尿、高血圧、痴呆いろいろ並んでいる。失禁と云うのがあって笑いかけて真顔に帰る。このシリースに目が行ったのはもう若くない証拠であろう。それとも私らの公開講座の出版計画がそうさせたのかも知れない。今年の私らは中学生が対象だった。来年は高年者向けにすべきか。あこがれている人に話しかけるのは比較的優しいことだった、しかし、たそがれて行く人のためにどんな話題が化学で組めるであろうか、やっぱり生命に絡んだ化学になるのか。公開講座は枠にはまったまたははめた学生相手ではないからより強く聴衆を意識する。
- 一昨年だったか早稲田大学法学部学生自治会が講義評価アンケートを実施した。アメリカでは茶飯事の出来事のようだが、本邦初演はそれなりに勇気のいる行動であろう。中心にいた学生は立場からは逆の評価が教授達に与える悪感情を心配していた。それでも百年一日のような講義が学生のやる気にどれほど悪影響を与えているかを強調してあえて評価アンケートに踏み切ったと書いていた。私たちの時代にもある教授の授業は有名だった。先輩から借り受けたノートにはここで彼はこういうJOKEを入れると朱記してあってまったくその通りに講義は進んだと云う神話がまことしやかに伝えられていた。私はそんな神話の真偽に関係無しに、実力の時代とは人が人を評価する時代と案ずるが故に、この自治会の奥底にあるものに将来を予感するのである。先生方の仲間内では万事とは云わないまでもついついお手盛りに終わりがちである。先生方だけでなくどの組織を見てもそれが官庁であれ会社であれ組織以外からの評価批判を受け付ける体制はもたない。
- わが国の若年者はまだ評価をする立場には慣れておらない。教育者はこの時代の要請を最高学府も含め年齢に応じた姿で解説し演習して行くべきではないか。それには私たち自体も意識して訓練に努めねばならない。
('94/10/09)